素潜り漁師にジョブチェンジして子育てに適した自由な田舎暮らしを満喫!!

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公開日:2021/09/16 04:29

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2024/11/10

経過レポートが追加されました!「「いつも暮らしの中にある」そんな存在になりたい」

2024/07/17

こんにちは! 山口県萩市の情報をお届けしているローカルエディターの上田です。 今回は萩市大井地区にIターン移住し、素潜り漁師として新しい人生を送っている中村陽介さんをご紹介します。中村さんは2018年に移住してこられ、主にウニを採る素潜り漁師になりました。もともと海に潜るのが好きで魚突きが趣味だったそうですが、お散歩中の奥様が近所の漁師さんに「海女士(あまし)にならんかね?」と声をかけられたことがきっかけ で素潜り漁に興味を持ち、すぐに地元の漁協に話を聞きに行って、漁業未経験ながら素潜り漁師になる決意をしました。

『素潜り漁』とは、人の手によって貝や海藻などを採る漁のことで、スタイルは様々だそうですが、古来より世界中で行われている伝統的な漁法です。よく知られているのは、アワビやウニを採る「あま」で、この漁は基本的に素手で行うシンプルなものですが、必要に応じてカギやカマなどの道具を使います。また、船上からモリなどの道具を使って海底や岩場に隠れた貝、ナマコ、コンブ、ワカメなどを採るというやり方もあるそうです。(※漁を行うには地元漁協などに加盟して漁をすることを認めてもらう必要があります。)

萩市の漁業の現状は、高齢化率が52.4%と現在半数以上が65歳以上の高齢者ということもあり、従事者の数は減少傾向で、この状態は今後も続くと見られています。とはいえ素潜り漁だけを考えれば、船は小型で済むので購入費を安く抑えられ、沿岸での漁が多いこともあり燃料費や装備費を抑えることができるなど経費が安く済むので、他の漁法と比べると「漁師として暮らしていきたい!」考える人にとっては始めやすいジャンルだといえます。しかし海に潜る訳ですから当然肉体に負荷がかかる労働ですし、大海原が相手ですので身の危険を感じる時もあるかもしれません。

素潜り稼業は自由で子育てにも最適ですよ

そんな素潜り漁という仕事に未経験で飛び込んだ(ある意味勇気ある)中村さんに、この仕事の魅力をお聞きしてみると、漁は資源保護のため週4日午前8時から午後3時までという決まりがあるため、必然的に1週間に3日はお休み(時化の場合はその日もお休み)だそうで、漁をする時間は基本的にそれほど長くなく、極端に早く起きる必要もないし長時間海にいることもないそうです。午後は家でウニの身を取る「ウニ割」をし、皆さんがウニを買うときによく見る「板」に一枚ずつ約10匹分のウニの実を綺麗に並べます。これをしなくては出荷はできませんが、それらはすべて家の中での作業となるので、生活の自由度が高く子供と遊んだり話したりする時間もたっぷりあって『田舎で安心して子育てをして暮らしたい思っている人にはピッタリの仕事や環境です』また『シングルで子育てをされている方にもオススメです』と話してくれました。

因みに、もしもウニ漁師になったとして・・・収入は? とお聞きしたところ、どんなに潜りに自信がある人でも、ウニ漁のプロとして慣れるまでは、なんだかんだ1年はかかるそうで、それまではイイとこ150万円~200万円(年間)くらい。慣れていけば400万円~500万円(年間)くらいまでは望めるそうです(ただし保証はなく、変動もします)。

しかし漁に出るためには漁協の組合員となり漁業権の取得が必要です。さらに漁師町特有の雰囲気は、合う人と合わない人がいると思います。その辺はプロジェクトトップの動画に「萩市大井浦の場合はこうだよ!」という中村さんのお話を収録していますので、気になる人はチェックしてみてください。

午前7時。いつもの場所で焚火を囲む萩市大井浦の漁師さんたち。ここが情報交換の場だ。
午前7時。いつもの場所で焚火を囲む萩市大井浦の漁師さんたち。ここが情報交換の場だ。
ウニ漁は自然に左右されるが自由な時間も多く、子育てしながら働きたい人に向いていると中村さんは語る。
ウニ漁は自然に左右されるが自由な時間も多く、子育てしながら働きたい人に向いていると中村さんは語る。

「これからの暮らし」に自然豊かな萩市はいかがですか?

さて、話は素潜り漁から離れますが、中村さんは移住に際し古民家を購入しました。家を住めるようにするには改修が必要だったので、奥様と協力し自らの手でリフォームしてから萩暮らしをスタートしました。そんな体験があるので、この地域に移住してきたいと思う人には色々アドバイスしたいし、本当に移住してこられるならできる限りサポートしたいと言ってくれました。中村さんのようにIターン移住の先輩が積極的にサポートしたい、仲間が欲しいと仰ってくださるのはとても貴重だなぁ、と思いました。

萩市は歴史が有名な土地柄ではありますが、実はは自然も豊かで美しいです。特に私(上田)は萩の海や海岸線が美しいと思いました。素潜り漁師ということでなくとも、美しい海を、美しい萩の自然を身近に感じ暮らしていくのは、それはそれで豊かなことですよね。

いかがでしたでしょうか? 今回は萩市に移住をし、素潜り漁師になられた中村陽介さんをご紹介しました。 プロジェクトのトップには中村さんのお仕事や暮らしの一部を収録した動画もありますので、観てみてくださいね。彼の仕事や生活を知ることで「萩いいな」だったり「これからの移住計画の参考になるな」ってなったら嬉しいです。 また、海のそばで海と共に生きる生活に関心ある人もぜひ「興味ある」ボタンを押してくださいね。※中村さんに会いたーい!! とか、お話を聞きたーい‼︎ っていう人はメッセージもお待ちしてますよ♪

【中村陽介さんProfile】 埼玉県出身。18歳まで埼玉で過ごし、名古屋市にある引越し業者に就職。35歳で退職。福岡で2年間修行したのち、愛知県武豊町にうどん店をオープン。2018年に萩市に移住しウニ漁師に転身。山口県漁業協同組合大井支店組合員。 (素潜り漁師!陽美丸のブログ https://ameblo.jp/42740630 を更新中!)

午後は家の中で「ウニ割」をする。手間のかかる作業だが、こうしている間にも子供と触れ合うことができるという。
午後は家の中で「ウニ割」をする。手間のかかる作業だが、こうしている間にも子供と触れ合うことができるという。
夫婦の時間も多く、この日も冗談交じりの会話を楽しみながら、ウニの実を洗っていた。
夫婦の時間も多く、この日も冗談交じりの会話を楽しみながら、ウニの実を洗っていた。

萩市ローカルエディター

このプロジェクトの経過レポート

このプロジェクトの地域

山口県

萩市

人口 4.11万人

萩市

上田晃司が紹介する萩市ってこんなところ!

今回ご紹介した地域は萩市の大井地区というところです。この地域の歴史は古く「萩の歴史は大井からはじまった」と言われているほど。大井へは現在の萩中心地より車で約20~30分の距離にあります。大井は、奇岩そびえる風光明媚な海岸線や玄武岩の崖を流れ落ちる「阿字雄の滝」などの魅力的な自然資産をはじめ、古代の息吹を感じさせる遺跡や出土品なども数多く見ることができ、全体的な長閑な雰囲気とは裏腹に、文化・歴史・自然と見どころも豊富です。また、たまねぎやミカンの栽培も盛んな土地柄で、地で採れた新鮮な野菜は大井ふれあい市場で購入することができます。萩中心地からお越しの際は、海沿いを走る国道191号一本で現地に着けますので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか?        ■ 情 報 ■ 大井おたからマップ→https://www.city.hagi.lg.jp/uploaded/attachment/14223.pdf (萩市ホームページ内)

☆取材・写真・動画・イラスト・文:ローカルエディター上田晃司(萩市)

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

東京からのIターン移住者。プロカメラマン、エディター、デザイナーなどのスキルを活かし、萩市ローカルエディターになりました。現在は明倫学舎4号館にオープンした「はぎポルト-暮らしの案内所-」で活動中です。