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- 世界でもここだけの体験!? 通くじら祭りレポート
山口県長門市の通(かよい)地区は、青海島の先端にある人口約1,000人の小さな漁村です。通地区は江戸時代に古式捕鯨で栄え、地区内には青海島鯨墓、鯨位牌、鯨鯢過去帖など捕鯨に関わる多くの文化財・史跡が残されています。
その伝統文化を受け継ごうと、平成4年に国指定史跡青海島鯨墓建立300年を記念して「通くじら祭り」が開催されました。祭りでは地域特有の和船競漕大会、海上古式捕鯨実演、通鯨唄演唱が行われています。
しかし、近年は地域の高齢化や人口減少により、地域の担い手が減少し、特に海上古式捕鯨の実演においては、赤いふんどし姿となる漁夫、銛持ち、船頭、櫓漕ぎなどの役割を担う出演者が必要となっている状況でした。
そこで、伝統文化の継承と交流人口の増加による地域活性化を図ろうと、「通くじら祭り」のメインイベントである古式捕鯨実演のスタッフ(赤ふん隊)の全国公募が平成18年から始まり、今日を迎えています。
古式捕鯨実演のスタッフを全国から公募
今年の通くじら祭りは7月16日(日)に開催されました。古式捕鯨実演の一般公募では、東京都や神奈川県、和歌山県など全国各地から15名の申し込みがあり、その半数以上がリピーターの方たちでした。
集まった赤ふん隊のみなさんは、受付をした後、まず漁協の2階で赤ふんどしを締めます。この赤ふんどしは鯨のイラストと通鯨組の文字がプリントされたオリジナルの赤ふんどしで、古式捕鯨の実演に参加した方でないと手に入れることはできません。全長6メートルもある赤ふんどしを締めると、もうそれだけで一気に非日常感に包まれます。
東京都や神奈川県など全国から赤ふん隊に参加
地元の指導者に赤ふんどしを締めてもらう
赤ふんどしを締めていざ古式捕鯨を体験
続いて当日の動きの説明。地元の漁業者がくじらの動きから、それを追う勢子船の動き、銛持ちやハザシといわれる鯨組の役割を説明します。
準備ができたらいよいよ港へ。待ち構えていたカメラマンたちがこぞって赤ふんどしを締めた男衆を取り囲み、シャッターを切ります。屈強な男衆の赤ふんどし姿は写真素材としても人気が高いようです。
いざ、古式捕鯨実演がスタートすると、男衆は手漕ぎの勢子船で鯨を湾に追い込み、江戸時代に実際に行われていた網取り式捕鯨で鯨を捕まえます。網に絡まった鯨に銛を投げ込み弱らせた後、果敢に鯨の背に飛び乗り、ハザシと呼ばれる役割の人が手形包丁で鼻のあたりに穴をあけ、綱を通して船に固定し、沈まないように港へ連れて帰ります。赤ふん隊の迫真の演技に訪れた多くの観客からも歓声と拍手が送られていました。
通地区では江戸時代から捕鯨で捕らえた母鯨の体内から取り上げられた胎児を悲しみ、墓に埋葬して供養してきた歴史が残っています。祭りでは鯨を陸へ引き上げたのち、母鯨体内から胎児が取り出され、墓をつくって供養する場面も再現しており、赤ふん隊とともに地元の鯨唄を歌って鯨の命を供養して、祭りは終了します。
古式捕鯨の実演を前に記念撮影
地域伝承の鯨唄を奉納
今回、参加した皆さんにお話を伺うと、「ネットで見て面白そうだから応募した。赤ふんどしを締める機会なんてそうそうない」、「何回もリピートしたくなる。見るだけでなく実演に参加できるという祭りは他にない」、「終わった後の高揚感が半端ない。達成感がすごい」といった声が聞かれました。
日本中いや世界中を探しても、赤ふんどしを締めて古式捕鯨を体感するイベントはおそらく山口県長門市にしかないでしょう。「通くじら祭り」は来年も7月中旬頃に開催予定です。次はあなたもぜひ参加してみませんか。
捕った鯨を陸へ引き上げる
来年も7月に開催予定
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長門市は、人口が約3万人、本州最北西部に位置する、温暖な気候と海や山などの豊かな自然環境に恵まれたまちです。日本海に面する海岸は、全域が北長門海岸国定公園に指定されていて、きれいな海がどこまでも広がります。自然が豊かで、食もおいしく、人も温かい。ブランド地鶏「長州黒かしわ」の“やきとり”が有名です。また、市内に5つの温泉郷があり、温泉も楽しめます。
「みんなちがって、みんないい」童謡詩人 金子みすゞさんの故郷でもあります。
まちの雰囲気はこんな感じ→https://www.youtube.com/watch?v=C0wA46Infxk
長門市定住支援サイトはこちら→https://www.nagatoteiju.com/
人口約3万3千人の長門市は、東西南部を山々に囲まれ、北部は日本海に面する自然豊かな町で、昔から漁業や農畜産業が盛んで、5つの温泉地を持ち、観光業も盛んな町です。
近年、123基の赤い鳥居が連なる景色が素晴らしいと、アメリカCNNの「日本の最も美しい場所31選」に選ばれたことにより、観光客数が倍増し、時機がよいことに、長門湯本温泉観光まちづくりにより温泉街が新たに生まれ変わったり、長門初の道の駅センザキッチンがオープンしたことにより、多くの観光客が訪れる町になりました。
長門市の認知度が向上すると、この町の魅力に惹かれて、移住者も増えるようになり、各地域で色々と面白い活動が行われています。
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