協力隊OB紹介vol.2:中田さん「人が集い、地域の魅力を発信するカフェをオープン」
募集終了

こんにちは!長門市まちの編集者いとうです。

移住をする際の選択肢の一つとして、地域おこし協力隊がありますが、地域おこし協力隊退任後、どのように暮らしを営んでいったらいいのか気になる方も多いのではないでしょうか?

長門市地域おこし協力隊OB紹介の2人目は、2017年から3年間、長門市地域おこし協力隊として仙崎地区の地域活性をミッションに活動していた田中さんです。退任後も仙崎に残り、現在では、観光客からも地元の方々からも愛される、人が集い、地域の魅力を発信するカフェ「SNOW DRIP COFFEE」を営んでいます。

移住のきっかけ、協力隊時代の活動内容、念願だったカフェのオープン、協力隊に興味がある方へのメッセージなどをお話ししていただきました。

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山口県長門市へ地域おこし協力隊で移住

 移住前は山口県の瀬戸内海側の市町で会社員として働いていたのですが、コーヒーが好きなことから休日はカフェ巡りを楽しんでいました。日に日に「カフェを自分で始めることができたら素敵だろうな」という気持ちが強くなり、カフェ開業を目標に山口県主催のソーシャルビジネスコンテストに応募しました。そこで偶然、長門市の地域おこし協力隊の方と出会い、“地域おこし協力隊”という制度の存在を知るとともに、長門市仙崎地区で地域活性をミッションとする協力隊員を募集しているということを知りました。面白そうな取り組みだなと興味を持ち、さっそく仙崎を訪れたところ、海に囲まれたまちの雰囲気に一目惚れ。そのとき「ここに住んでみたい!将来的にこの場所でカフェを開業できたらいいな」という気持ちを抱きました。

 協力隊という制度を通じて3年間、仕事として地域の活性化に携わりながら、夢の実現に向けてチャレンジできることに魅力を感じ、家族会議を重ね、妻が「やってみたら?」と背中を押してくれたこともあり、協力隊にチャレンジすることを決めました。当時、妻も仕事をしており、子ども達もまだ小さく、一気に環境が変わってしまうことはリスクが大きいと感じたので、最初は家族を残して一人で長門市に移住しました。

 協力隊として活動し始めて1年くらい経った頃、自分の中では将来的にもずっとここに住みたいという思いが強くなりました。家族に自分の本気度が伝わったのか、妻が「私もやりたい仕事が見つかれば仙崎に住むよ」と言ってくれ、自分が移住して2年目に妻と子どもも仙崎に移住してきました。
 家族での移住は一人で移住するのとは違い、本当にさまざまな要素が関わってきます。家族を仙崎に呼ぶにあたり、どういう保育施設や学校があるのか、子育て環境は整っているのかなど、本当にここに家族で住めるのかといった視点でいろいろと調べました。人それぞれ移住したい目的や住みたい土地など希望の条件は違うので、この場所がみんなにとって良いとは一概に言えないですが、僕達家族にとってはこの仙崎という土地が合っていました。

インタビュー中、地元の方がイカを差し入れにいらっしゃいました。

インタビュー中、地元の方がイカを差し入れにいらっしゃいました。

協力隊時代は、賑わい交流拠点「おはと」を拠点に活動

協力隊時代は、賑わい交流拠点「おはと」を拠点に活動

協力隊活動を経て、古民家カフェ「SNOW DRIP COFFEE」をオープン

 地域おこし協力隊時代は、地域のニーズに応えながらも、自分の夢に向けて割と自由に活動させてもらいました。担当の市役所職員さんとの定期ミーティングや協力隊合同ミーティングなど、サポートも充実していると思いました。また長門市は協力隊退任後、定住された先輩協力隊員が多く、皆さん本当に良くしてくれました。人脈があり、指針になるような人、アドバイスをくれる先輩の存在は大きかったですね。

 活動内容は幅広く、主に「みすゞ通りの活性化」「交流人口の促進」「定住促進」「情報発信」など仙崎地区の地域活性につながる活動に取り組みました。
 みすゞ通りの空き家や空き地を活用した「仙崎軒先ツバメMARKET」というグルメとハンドメイドのイベントを開催したり、仙崎の昔の風景、リヤカーの行商からインスピレーションを得て、みすゞ通りの軒先にリヤカー屋台を設置して、青海島の温泉水で淹れたコーヒーと地元の食材を使ったホットサンドを販売しました。他には、金子みすゞの詩に登場する絶景スポットをレンタサイクルで巡るツアー「仙崎チャリ旅~仙崎八景と廃校カフェ~」や、仙崎の海や景色の魅力を伝える目的でSUPのマリンスポーツイベントを実施したり、地域の方のご協力を得ながら、空き家情報を収集して、空き家所有者と居住希望者とのマッチングなどを行ったりしました。

 協力隊活動の集大成としては、主にグルメ情報を掲載した仙崎周遊ガイドブック「グルメぐり-仙崎-」を制作しました。完成したガイドブックは市内の観光施設など約140ヶ所に設置しました。ガイドブック片手に町を周遊する観光客を見かけたときは、仙崎を楽しんでいただくきっかけになれたのではと感じ、嬉しかったですね。

 3年の任期を経て協力隊を退任後、金子みすゞ記念館近くの空き家を改修し、夢だったカフェをオープンすることができました。元々あった畳を活用した小上がりを設置するなど、観光客だけでなく、地元の人が気軽に足を運べるようなアットホームなお店になるように心がけました。仙崎は観光地でもあるので、観光客メインのコンセプトも考えましたが、コロナ禍に一番気にかけてくださったのが、地元の方だったので、まずは地元の人が立ち寄りやすい場所、雰囲気作りを意識しました。
 もちろん仙崎に遊びに来てくださる観光客の方々に対しても、少しでも「仙崎に来てよかったな」と思って帰って欲しいという思いもあり、お店の入り口のドアに仙崎の町案内の地図を設置するなど、観光客の方へ向けては町案内的な役目も果たす外装にしました。仙崎のまちの雰囲気を感じて帰ってもらえたら嬉しいです。
 仙崎は漁師町として栄えた歴史があり、商店街が栄えていたころは、地元住民と観光客の会話が日常的に行われていたみたいなのですが、今は閉鎖してしまった店舗も多く交流が減る中で、少しでもまちに賑わいが生まれ、地域の輪を広げるきっかけの場所となるように今後も活動していきたいと思います。

リヤカー屋台でカフェをオープン

リヤカー屋台でカフェをオープン

「仙崎チャリ旅~仙崎八景と廃校カフェ~」

「仙崎チャリ旅~仙崎八景と廃校カフェ~」

地域おこし協力隊を検討している方へのメッセージ

 私の場合は、地域の方々や先輩協力隊員のサポートに恵まれ、3年間の活動を行うことができました。協力隊活動中に行ったさまざまな活動が今の暮らしに活きています。協力隊として、自分のスキルや特技を生かしつつ、地域の方々との関係づくりを行うことで、地域が少しずつ楽しくなっていく実感が湧いたり、自分自身の夢に近づくきっかけを作ることができると確信をしています。一歩前に出ると、見える景色も違ってきます。興味のある人はぜひ応募してほしいと思います。

どんな人が協力隊員に向いていると思いますか?
・ある程度コミュニケーション能力があり、人が好きで、自分の想いもありながらフットワークの軽い人。
・バランス感覚があり、自分のやりたいことが地域の為になっているかどうか考えながら行動できる人。
・地域の為の活動が、最終的には自分に返ってくると思うので、そういうことを積み上げられる人。
・本気で活動を楽しめる人。

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中田さんの詳しいインタビュー記事は長門市定住支援サイトに掲載中です→
https://www.nagatoteiju.com/topics/entry17958.html
(興味あるボタンを押してからクリックしていただけると嬉しいです。)

─お店情報─
「SNOW DRIP COFFEE」
住所:山口県長門市仙崎1428-1
営業時間:9:00~17:00
定休日:水・日
お店のInstagram:https://www.instagram.com/yatai_snowdrip/

お店「SNOW DRIP COFFEE」の外観

お店「SNOW DRIP COFFEE」の外観

店内の様子。自然と地元の方と観光客の談笑が始まります。

店内の様子。自然と地元の方と観光客の談笑が始まります。

(文)長門市まちの編集者 いとうみか
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いとうみかが紹介する長門市ってこんなところ!

長門市は、人口が約3万人、本州最北西部に位置する、温暖な気候と海や山などの豊かな自然環境に恵まれたまちです。日本海に面する海岸は、全域が北長門海岸国定公園に指定されていて、きれいな海がどこまでも広がります。自然が豊かで、食もおいしく、人も温かい。ブランド地鶏「長州黒かしわ」の“やきとり”が有名です。また、市内に5つの温泉郷があり、温泉も楽しめます。
 「みんなちがって、みんないい」童謡詩人 金子みすゞさんの故郷でもあります。

まちの雰囲気はこんな感じ→https://www.youtube.com/watch?v=C0wA46Infxk
長門市定住支援サイトはこちら→https://www.nagatoteiju.com/

いとうみか
長門市地域おこし協力隊「まちの編集者」
山口県長門市在住。 現在は、長門市の魅力を発信していく地域おこし協力隊「まちの編集者」として活動しています。
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