あいちの山里　新城市・岡崎市の二拠点の暮らし

－山本悠司さんの自己紹介をお願いします。 自立したくなって豊田市・岡崎市へ移住し、18年間働きました。父が他界してから岡崎市と作手の二拠点生活に。地域貢献したい気持ちと物置になっていた建屋の活用を考えて、飲食店経験の長かった妻のアドバイスからカフェを始めました。

－二拠点生活を選んだ理由 山本： もともと作手村（現・新城市作手）の出身で、実家は江戸時代から続く家系です。26歳までここで育ち、高校時代から地元のボランティア団体や青年団、消防団など、4つのコミュニティに所属していました。一度外の世界を知りたくて岡崎市に移り住みましたが、本家の長男として、いずれは戻るつもりでした。父の他界をきっかけに、岡崎市との二拠点生活を始めました。

－作手を活動拠点に選んだ理由 山本： Uターンなので、他の地域は検討していません。作手は、昔から移住者が多く、新しい人を受け入れる土壌があります。また、交通の便も比較的良く、名古屋や岡崎へのアクセスも悪くありません。

－住まいと地域の暮らし 山本： 実家は、江戸時代から続く家で、物置だった場所を改装してカフェにしました。瓦も作手で作られたもので、古民家の良さを活かしつつ、あえて現代アートを取り入れることで、地域のランドマークになるような、他にない空間を目指しました。 私は子どもの頃からこの地域で育ち、多くの人と顔なじみです。それが二拠点生活での活動の大きな強みになっています。地域の繋がりは、良くも悪くも距離が近いですが、知り合いばかりなので、何かとスムーズに進むことが多いです。 ご近所付き合いは、皆さんとても親切です。草刈りを手伝ってくれたり、お互いにビールを贈り合ったり。ただ、昔ながらの慣習も残っていて、例えば、近所の方のお葬式に参列する、組念仏という地域独自の供養を行うなど、都会とは違う文化があります。 生活面でのデメリットは、学校がいつなくなるか分からないこと、インフラが後回しにされがちなこと、病院が遠いことです。ただ、作手はまだ恵まれている方で、もっと家が少ない地域だと、いつインフラが途絶えるか分からないという不安があります。

－作手での仕事と暮らし 山本： 私は岡崎市から通っていますが、作手には仕事が少ないので、車で30分圏内、場合によってはもっと遠くまで通勤する人もいます。ただ、農業に関しては、新規就農の支援も手厚く、有機栽培で生計を立てている人もいます。 飲食店は、うちができてから2軒増えて2軒減りました。標高500mなので、雪の影響も比較的少なく、冬季休業せずに営業できます。

－これから移住や二拠点生活を考える人へ 山本： 作手で移住や二拠点生活を考えているなら、地元の不動産屋「作手ライフ」に相談するのがおすすめです。代表のごんちゃんは、元農協職員で、地域のことを知り尽くしています。顔つなぎまでしてくれるので、移住後のトラブル回避にもなります。作手での生活をスムーズに始めるためには、ごんちゃんのような、地域に深く根ざしたキーパーソンとの出会いが重要と言えるでしょう。 　ごんちゃんは、区長さんとの顔つなぎをしてくれたり、農業をやりたい人には、土地の水はけなど、農業経験者ならではのアドバイスをくれます。ごんちゃんのような人は貴重です。作手を考えるなら、ご紹介します！ 田舎は、都会のようにゆっくり過ごせません。良くも悪くも干渉が多く、お節介を焼かれることもあります。でも、それは心配してくれているからこそ。困ったことがあれば、誰かが必ず助けてくれます。 移住してくる人に、元々あるルールを押し付けるつもりはありません。合わないルールは、変えていけばいい。作手の人たちは、新しい人を歓迎しています。

★恋して！宇宙少年ＣＡFE 作手高原にあるスパイスカレーが人気のカフェ。世界的な人気アーティストyoshi47の壁画のインパクトが大きい店舗は地域のランドマークに。店名の由来は所属するバンドでリリースした曲名から。 イベントを行うのが大好きで、”ダイレクトに人が喜ぶ場をつくりたい” という山本さん。相談したい方は忙しいランチ時間を外すのがおすすめ。