
湖南市役所職員に聞く、多文化共生社会の課題と展望ー外国人市民との共生を支える仕事!(前編)
公開日:2025/09/29 00:18
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2025/10/13「興味ある」が押されました!
2025/10/01平成20年度に滋賀県湖南市役所入庁後、現在は人権擁護課 多文化共生・男女共同参画推進係の職員として働く堀田 剛史さんに、前編では、入庁のきっかけやこれまでのお仕事内容について、詳しくお話を伺いました。
市役所へ入庁したきっかけ
—はじめに、これまでの経歴を簡単にご紹介ください。
堀田:入庁の経緯は、学校卒業後に3年ほど湖南市役所で臨時職員としてポルトガル語の通訳を勤め、そこから平成20年度に正規職員として入庁しました。
ポルトガル語は、高校のときにブラジルに留学したことをきっかけに学びはじめました。いくつかの選択肢から偶然ブラジルが留学先となり、現地での経験を通してブラジルを好きになっていったんですね。
そこから大学でもポルトガル語を専攻して、もう一度留学も経験し、さらに知見を深めていきました。
—なぜ湖南市役所を選ばれたのですか?
堀田:もともと私は出身が岐阜県で京都の学校に通ってはいたので、湖南市とは縁がなかったです。そんな中で、ポルトガル語を使える仕事として通訳の仕事を知り湖南市の臨時職員へ応募しました。
—湖南市はポルトガル語を使う国籍の方が多く住んでいるのですね。
堀田:はい、工業団地があり日系ブラジル人を中心にだいたい30年前から増え始めたという経緯があり、現在約1,500人のブラジル人の方が住まれています。 滋賀県以外にも、岐阜県や愛知県なども同様の傾向があるようです。やはり職を求めて来られる方が多い中で、地域に住むことになるのでどのように日本の中に溶け込んで行くかという難しさがある中、通訳の仕事が求められているのかなと思います。
—臨時職員としてポルトガル語の通訳として仕事をする中で、いつ頃から「正規職員を目指そう」と思われたのでしょうか。
堀田:その後自身のライフプランを考える中で、正規職員として働けた方が良いなと考えたことと、湖南市役所でブラジルの方と接する中でも「自分にできることはさらにあるな」と思ったので、それなら正規職員になるのが良いのかなと思い入庁することにしました。
正規職員後の業務について
—正規職員になられてからの業務を教えて下さい。
堀田:まずは市民課に配属されました。それまではポルトガル語通訳としてポルトガル語圏の方とのやりとりが主だったのですが、市民課に所属してからはもちろん日本の方をはじめ窓口対応として市民の皆さんとのやりとりが増えました。
その後企画・まちづくり課に異動し、そこでは多文化共生推進担当として従事していました。外国人施策の総合的な方針を決めたり、翻訳を行ったりということを経験しました。
次の教育委員会でも学校教育課で日系ブラジル人の子どもたちの就学支援や不就学児童を減らす活動、保護者対応などを中心に業務を担当していました。 その次の生活環境課では環境保全のためにごみや公害、火葬場の管理が主な業務ですので外国人施策関連には唯一対応していないですね。
—そしてもう一度市民課に戻られた後に、現在は人権擁護課に在籍されているとのことですが、どのようなお仕事をされていますか?
堀田:人権擁護課には3つの係がありますが、私は多文化共生・男女共同参画推進係に所属しています。多文化共生推進の仕事は外国人市民の方とともに暮らす街づくりのための啓発と、過去に配属された企画・まちづくり課での仕事に近いものになりますね。
私は啓発のための取組や、翻訳なども担当しています。たとえば、日本人の住民の方向けの多文化共生理解についてのイベントやフォーラムを開催したり、外国籍の方に向けて情報伝達を行うために広報誌や公的書類などの翻訳を行ったりしています。 最近ではベトナムやインドネシアなどアジア系の方も移住されているのですが、やはり多いのはブラジルの方ですね。
なのでポルトガル語以外の言語にも対応するために、翻訳という道だけではなく、たとえばひらがなやふりがななどを用いた「やさしい日本語」を使ったり、市民対応でも自動翻訳機を使って対応したりなどより合理的な方法を模索している最中です。 また、人権擁護課ということもあり、外国人の人権に関する啓発についても担っています。
—人権擁護課の構成についてお伺いします。現在課の人数はどれくらいですか?
堀田:人権擁護課は会計年度任用職員を合わせて10名です。私のようにポルトガル語の通訳や翻訳ができる職員は、私の他に会計年度任用職員でもう1名います。 ただ先ほどもお話したアジア系の言語や英語が堪能な職員はいないので、そのあたりはやさしい日本語や翻訳機を使うなどして対応しています。
次回は、職場環境をはじめ育休取得時の状況など、堀田さんのお仕事を深堀します!お楽しみに!

このプロジェクトの地域

湖南市
人口 5.26万人
湖南市役所企画調整課が紹介する湖南市ってこんなところ!
都会でのライフスタイルを変えずに、「田舎過ぎない田舎暮らし」ができるまちが湖南市の最大の魅力です✨✨
移住に関する情報はこちらから↓ 【湖南市移住定住特設サイト】https://www.city.shiga-konan.lg.jp/iju_konan/index.html
湖南市は滋賀県南部にあり、大阪・名古屋から100㎞圏内にあり、車や電車でも京都までは約30分、大阪までは約60分とアクセスがよく通勤通学も可能です。 豊かな自然に囲まれながら、穏やかな気候でとても住みやすい街です。雪が積もるのは、年に1,2回ほどで雪下ろしをするほど降りません。 市内にはイオンタウンやスーパー、コンビニ、病院などもたくさんあり、普段の生活では一切不便を感じさせません。 ぜひ湖南市に遊びに来てくださいね✨
このプロジェクトの作成者
湖南市は滋賀県南部に位置し、大阪、名古屋から100キロ圏内にあり、近畿圏と中部圏をつなぐ広域交流拠点に位置し、人口約55,000人のまちです。自然環境(野洲川、天然記念物ウツクシマツの自生地など)、歴史観光資源(天台宗の古刹「長寿寺」「善水寺」「常楽寺」の3つの国宝の総称である「湖南三山」など)が豊富なまちで、交通ネットワーク、工業団地の整備により発展してきました。
外国人移住者も多く、外国人比率は県内で最も高く、多様な文化が育まれています。また、湖南市は災害が比較的少なく、安心して暮らすことができます。子育てにおいては、多様なニーズに応え、質の高い幼児教育や保育を受けることができます。近年では、滋賀県南部地域初となる乳幼児から中学生までの医療費無償化を2021年9月から実施し、先駆的な取組みを行っています。また、2020年7月17日には、SDGs達成のため積極的に取り組む都市として内閣総理大臣から認定を受ける「SDGs未来都市」に県内市町で初めて選定されました。
このような自然豊かで多文化共生を認め合い、持続可能な未来都市湖南市にぜひ住んでみませんか!

















