琵琶湖に浮かぶ沖島に移住して地域おこし協力隊になった話 -地域おこし協力隊 Part 5-

最新情報

「興味ある」が押されました!

2026/01/28

「興味ある」が押されました!

2026/01/09

滋賀県近江八幡市の堀切港から定期船に乗って10分。 そこに沖島という離島があります。沖島は日本で唯一、淡水湖に人が住む島。世界でも珍しい離島です。 ですが、そこはみんながどこか懐かしい、帰ってきた、と感じるような空気が流れている、不思議な島なのです。

私は、2023年の5月から沖島に移住して地域おこし協力隊として活動しています。 活動も3年目です。終盤に入ってきて沖島に住んで感じたこと、協力隊として地域に根ざすことについて、私なりの視点でお話ししたいと思います。

「空き家を活用した民泊の管理人」に胸が高鳴った朝

 首都圏で働いていた私は、漠然と地元の関西で田舎暮らししたい、何か面白いことをしてみたい、という気持ちで日々スマウトの記事を読んだり地域おこし協力隊の募集を探したりしていました。  ある朝の通勤中、その日もスマウトの記事をぼんやりと眺めていると「琵琶湖に浮かぶ離島で空き家を活用した民泊の管理人を募集!」という記事が目に入りました。直感で面白いことができそう!と思った私は、その週末に開催された「アイランダー」という島の祭典に沖島も出展すると知り、会場である池袋に足を運びました。そこで沖島の方達と連絡先を交換し、善は急げ!と2週間後には沖島を訪れ、当時の現役協力隊の女性に島内を案内してもらいました。広大な琵琶湖の景色と、目の前で水揚げをしている漁師さん、元気一杯の島のお母さんたちの声。私にとっては目に映る全てが新鮮でとても興味深いものばかりでした。  この島で民泊の管理人をしながら訪れる人たちと島の人たちの交流の場を作る、なんて面白そうな仕事なんだろう、とすぐに移住を決めたのでした。

初来島記念写真。
初来島記念写真。
沖島での初めての食事。湖魚も初めて食べる。
沖島での初めての食事。湖魚も初めて食べる。

手探りの民泊運営と空き家活用の悩みから始まった「沖島蚤の市」

 1年目は民泊「沖島民泊湖心 koko」の営業活動を中心に行い、施設内の設備やサービスの改善などに努めました。HPリニューアルも行い、予約のしやすさや館内の情報のわかりやすさを改善しました。  接客業の経験はありましたが、宿泊業は初めてで分からないことも多くとにかく調べながら活動する日々。すぐできる改善策はなるべく1年目に取り組みました。他にも取り組みたいサービス拡充案は無数にありましたが、継続的に独りでできるものでなくてはいけない、と慎重に検討することも。とにかく自分が続けられない運営では元も子もないと言い聞かせながら、無理をせず継続してできるサービス拡充を目指しました。自分が落ち着いて暮らしてこそ、お客さんにも沖島ならではのくつろぎの時間を提供できると考え、活動していました。  「おばあちゃんの家」のようなコンセプトで宿づくりを行い、1年目で前年の約2倍の利用客増となり、3年目の今もたくさんの方にご利用いただいています。2年目からは滋賀県のおためし移住ツアーの宿泊先としても定期的に利用があるなど、地域のさまざまな取り組みと連携しています。    島で生活していると、様々な課題を目の当たりにするようになりました。年々減り続ける人口、島内自治会や祭りの担い手不足など、島の皆さんとの日々の会話の中にもこういった話題がポツポツと出てくるようになってきました。多様な課題がある中でも根本的に解決しなければならない目下の課題が「空き家問題」です。  島内の家は複雑な状況が重なり合っています。未登記物件や相続手続きができていない家、空き家にそのまま残った荷物、お仏壇だけ残った空き家、など。空き家の年数が長ければ長いほど大掛かりな手直しが必要になり、重機やトラックを入れるために台船を使わなければならない離島では改修費用は1.5〜2倍と言われています。  空き家問題で一番大切なのは、家の持ち主が主体的になって動くことです。周りの行政や私たち協力隊がいくら「お手伝いします!」とはりきっても持ち主のやる気や手続き費用を出す余裕がないと何も進まないのが現状です。

 そこで、まずは「空き家や今住んでいる家やモノを次世代に引き継ぐ」という意識を島民に持ってもらうことから始めてみようと考え、2年目から「沖島蚤の市」という活動を始めました。もともと古道具や中古品に興味があったのもあり、1年目の頃から沖島のお爺さんお婆さんが子供の頃のお話を聞きながら、不用品をいただいたり倉庫の片付けを少し手伝ったりしていました。その中でも印象的だったお話があります。お家に残る食器の多くには底に名前や家紋のようなマークが描かれていました。そのワケを島の人に話を聞くと面白いお話がありました。

 沖島では昔、家を建てるときは、土壁造りから島民総出で行っていたそうです。藁と土を混ぜて醗酵させるところから壁の中に入れる竹の骨組みまで。そして、家が完成した時には手伝ってくれた島民を新しい家に招きみんなでおかずを持ち寄って宴会です。100人単位のその宴会では持ち寄ったお皿が持ち主に戻るよう、お皿の底には必ず屋号や名前を書き込みます。  こうやって大事に使ってきたモノから見える島の生活や助け合いの姿。こんなお話も含めてこれからの世代に沖島を引き継ぎたい、という思いで沖島のお家から預かった古道具やお皿を販売する活動を続けています。(売り上げは全て沖島町離島振興推進協議会に寄付します。)

宿泊客との交流は毎回新鮮です。
宿泊客との交流は毎回新鮮です。
ユーモア溢れる船の形の「西居」さん。
ユーモア溢れる船の形の「西居」さん。

私のサードプレイスとなった沖島

 活動も3年目に入り、卒業まであと4ヶ月となりました。港を歩けば「おかえり」「ただいま」「どこ行きや?」「今日はちょっとぬくいなぁ」「ちょっと野菜もらっていき〜」と、会う人会う人と会話が生まれる生活は、私にとってかけがえのない場所となりました。ここに来れば誰かが迎えてくれる。そんな場所ができたことは人生の宝物です。

 卒業後も「沖島蚤の市」はのんびり継続します。1年ほど前から、近江八幡市の観光分野の地域おこし協力隊の方たちと協力して、月に一回「ホンマチピクニックハウス」という場を開いています。観光地からは少しだけ外れた場所ですが、誰でも集ってのんびりと交流できる場、やりたいことができる場です。そこでも沖島の古道具を販売しており、ゆっくりとですが沖島の中と外を繋ぐ場所にもなっていると感じます。今後は島内でも定期的に沖島蚤の市を開催したいと考えています。

 また、沖島の生活文化を継承したいという観点から沖島の今を記録するZINEづくりにも取り組んでいます。沖島の何気ない日々を切り取った写真と共に、沖島の今と昔をこれからの未来に引き継ぐ"記録"です。  これからも沖島の人口は確実に減っていきます。移住促進や空き家対策への取り組みももちろん必要ですが、まだなんとか残っている沖島の生活文化や祭りなどの今の景色を形にして記録していくということもとても大事なことではないのかな、と個人的には考えています。

 沖島の行く末を一移住者として見届けたい、見守りたい。

おきしまるしぇ出店の様子。
おきしまるしぇ出店の様子。
沖島左義長の準備。未来に残したい風景。
沖島左義長の準備。未来に残したい風景。

このプロジェクトの地域

滋賀県

近江八幡市

人口 7.87万人

近江八幡市

地域おこし協力隊 橋本花菜子が紹介する近江八幡市ってこんなところ!

琵琶湖に浮かぶ島であり、日本唯一の淡水湖にある有人島、それが沖島です。 沖島は琵琶湖のちょうど真ん中に位置している周囲6.8kmの小さな島です。近江八幡駅から車で20分ほどの港から定期船に乗ること10分。島内には車も信号もコンビニもありません。琵琶湖のさざなみの音、船のエンジン音、トンビが飛びかう空、島民のたわいない笑い声。 いつもより少しゆっくりと時間が過ぎていくような、不思議と懐かしい気持ちになる島の生活をすぐそこに感じることができます。 島の一番の魅力は、何といっても素敵な島民の方々。島で生まれ育った人も移住してきた人も、声をかけあい助け合いながら暮らす、昔の暮らしが色濃く残っています。島民の約6割の方が漁業に従事されており、島の人たちにとって琵琶湖や湖魚は切っても切れない大切な存在。湖魚を使った佃煮や滋賀名物「ふなずし」は島民自慢の名産品です。

春は島に咲き誇る桜、夏は澄んだ琵琶湖で湖水浴、秋は山へハイキング、冬は島最大の伝統の祭り「沖島左義長」など、1年を通して湖上の暮らしのさまざまな楽しみ方があります。 また、滋賀周りの各県への交通アクセスもとても良い離島で、離島暮らしをしてみたいけど、街にお出かけしたり地元に帰省もしたい、という方でも気軽に移住しやすいのも沖島の魅力です。ぜひ1度、沖島に訪れて「沖島時間」を感じてみてください。

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

琵琶湖に浮かぶ有人島、沖島で地域おこし協力隊をしています。兼民泊湖心kokoの管理人です。

「興味ある」しました

プロジェクトに興味を持っていただきありがとうございます。

あなたが「興味ある」ことを「地域おこし協力隊 橋本花菜子」にお伝えいたします!

「興味ある」を押したプロジェクトは、マイページから確認することができます。

詳細プロフィールを設定することで、スカウトを受けやすくなります。プロフィールはマイページから編集することができます。

メッセージを送信します

あなたが「応募したい」ことを「地域おこし協力隊 橋本花菜子」にお伝えいたします!

この後、プロジェクトの担当者とコミュニケーションを取れるようにチャットルームを作成するので、知りたいことがあればたずねてみましょう。

「興味ある」も同時に入力され、地域ユーザーからスカウトを受けやすくなります。

ユーザー登録すると
「」ができます。