島への想いを一粒の塩に込めて、塩職人が描く恩返しのカタチ。

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公開日:2025/01/21 02:55

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2025/01/23

2019年、地域おこし協力隊として高知県宿毛市の離島「沖の島」に移住された中垣さん。地域おこし協力隊を卒業され、現在は「土佐沖の島塩業」として起業し、全国に販路を拡大されています。今回は、そんな中垣さんの地域おこし協力隊任期中のお話や現在の活動についてご紹介します!

■プロフィール ・お名前 :中垣 慶祐(なかがき けいすけ)さん ・移住時期:2019年3月 ・出身地 :愛知県名古屋市

宿毛市地域おこし協力隊OBの中垣さんにお話を伺いました!

■沖の島に移住されたきっかけを教えてください。 移住前は、愛知県豊田市の自動車メーカーに11年間勤めていたのですが、名古屋という大都市で多忙な日々を送っているなかで、ふと“地方移住”という選択が頭をよぎりました。元々、趣味の登山で地方に行く機会が多かったこともあり、都会の喧騒から離れて自然のなかで生きていきたいという気持ちが芽生え始めたんです。 その気持ちが固まってからは早かったですね。「移住するなら地域おこし協力隊」と決めて移住先を探していたのですが、そんなときにたまたま沖の島の存在を知りました。沖の島町は、人口約120人の高知県唯一の有人離島です。当時、他の移住候補先もあったのですが、「新しい人生を歩むとしたら、いっそのこと人口が一番少ない離島に行ってみよう」と思い切って移住を決心しました。

■地域おこし協力隊としては、どのような活動をされていたのですか? 離島振興のミッションに取り組んでいました。沖の島には、「沖の島集落活動センター妹背家(いもせけ)」という地域団体組織があります。言わば、島の暮らしを維持するための柱となるものです。任期中は、主にこの集落活動センターの事務局として島民との連絡調整やSNSなどを活用した情報発信、その他地域イベントの運営など、さまざまな業務を担当していました。

■そこから、塩産業で起業されるまでにはどのような経緯があったのですか? 地域おこし協力隊1年目のときから、生業づくりを常に意識していました。「何だったらやっていけるのか」「何が島のためになるのか」を宿毛市の職員と一緒に考え、たどり着いたのが”塩産業“です。塩は競合が少なく成長産業と言われていて、島の魅力である海を活かすことができます。20代の頃、都会で疲弊していた自分を癒やしてくれて、等身大で生きることを教えてくれた島に恩返しするためには、塩しかないと思いました。それからというもの、休日に同じ高知県内で塩づくりをしている事業者さんへ視察に行ったり、泊まり込みで教わったり、塩作りについてとにかく必死に勉強しました。

■1年目から着実に準備されていたのですね…現在の活動についても詳しく教えてください。 2023年に製塩施設を建設し、現在は「土佐沖の島塩業」という屋号で塩を作っています。離島で起業するとなると、地理的不利な環境もあって想像以上に時間とコストがかかります。構想から含めて5年かけた計画を、昨年やっと形にすることができました。 現在は「天日製法」といって、海水を引き込み、太陽熱と風によって水分を蒸発させ、結晶化させる方法で塩を作っています。塩が結晶化するまでには、天候と作り手の技量が大きく影響します。毎日、定期的に手作業で撹拌(かくはん)しないと、カルシウムが底に固着し結晶化を阻害してしまうんです。また、このカルシウムが塩の味に関係していて、過剰に残っていると苦味や渋みを与えてしまいます。そういった意味では、塩作りは化学的な面もあり、奥深くてとても面白いですよ。

■最後に、中垣さんの今後の目標を教えてください! 塩作りの根底にあるのは「沖の島を知ってほしい」という想いです。現在は、高知県内だけでなく、関東や関西の事業者様とも取り引きさせていただき、コラボ商品も開発中です。これからも少しずつ販路を拡大していき、ゆくゆくは47都道府県、海外にも進出することが目標です!

製塩施設
製塩施設
手作業で撹拌(かくはん)
手作業で撹拌(かくはん)

中垣さんの話をもう少し聞きたい!宿毛市の離島や協力隊が気になるという方へ

宿毛市職員とのオンラインカジュアル面談を実施中です!少しでもご興味がありましたら、ぜひ「興味ある」ボタンを押してくださいね★

インタビュー中の中垣さんの様子
インタビュー中の中垣さんの様子
沖の島名所【白岩岬】
沖の島名所【白岩岬】

宿毛市

このプロジェクトの地域

高知県

宿毛市

人口 1.76万人

宿毛市

宿毛市が紹介する宿毛市ってこんなところ!

宿毛市は、人口約18,000人。 四国の西南地域に位置し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、一年を通じてとても暮らしやすいところです!市の主な産業である農業は、この立地条件や気候を生かして、オクラやブロッコリーなどの露地栽培、土佐文旦や小夏などの特産果樹を展開してきました。 さらに近年は、ミョウガ、イチゴなどの施設園芸等の導入も推進しています。また、森林率84%を誇る市の山林は、銘木と名高い土佐ヒノキの一大産地であり、宿毛湾の沖合に浮かぶ沖の島の周辺には国内有数のダイビングスポットがあります!

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四国西南端に位置する宿毛市は、1年を通して温暖な気候で過ごしやすく山、川、海、島が揃う自然豊かな街です。 自然の中でのサイクリングや、川遊び、透明度の高い海でのスキューバダイビングなどのアクティビティを楽しむこともできます。