あいちの山里 豊田市の先輩移住者 ~現場合わせで広がる暮らし~

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公開日:2025/04/10 02:17

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「あいちの山里」とは、岡崎市(額田地区)、豊田市(旭、足助、稲武、小原、下山、藤岡の各地区)、新城市、設楽町、東栄町、豊根村の6つの市町村にまたがる山村地域の総称です。豊かな自然ときれいな星空、さまざまな活動が活発なこのエリアの魅力です。  今回は、豊田市旭地区で株式会社M-easy代表を務める戸田友介さんへのインタビューです。戸田友介さんは、妻と二人で移住。旭地区は山間部に位置し、廃校を活用した地域拠点「つくラッセル」を中心に活動しています。

何をするかより誰とするか、地域のニーズに応える移住

――戸田さんは色々な顔をもたれていますので、まず、自己紹介をお願いします。 戸田:豊田市旭地区で、株式会社M-easyの代表を務めている戸田友介です。2010年に妻と二人で旭地区に移住し、今年で15年目になります。その後、子どもが4人産まれ、今は私と妻と子どもたちの6人と犬1匹、鶏1羽で暮らしています。旭地区は、豊田市の中でも山村地域が広がる場所で、廃校になった小学校を活用した地域拠点「つくラッセル」を中心に、様々な活動をしています。また、「おいでん・さんそんセンター」の代表も務めており、都市と山村をつなぎ、豊かで持続可能な地域づくりに向けた中間支援、例えば、山村部への移住希望者向けのサポートや、企業と山村部との連携、都市部と山村部の交流促進などに取り組んでいます。

――戸田さんが豊田市旭地区に移住を決めた理由やきっかけを教えてください。 戸田:学生時代に農業に興味を持ち、地域活性化にも関心を持つようになりました。そんな中で「日本再発進!若者よ田舎をめざそうプロジェクト」に参加したことが大きな転機になりました。もともと過疎化や農業の課題には関心がありましたが、このプロジェクトを通じて「自分も現場で関わりながら何かできないか」と考えるようになったんです。 ちょうどその頃、結婚を考えていた妻とも話をし、「二人で新しい暮らしをつくっていくなら、都市部ではなく、地域に根ざした暮らしの方がいいのでは?」という話になりました。妻も農山村の暮らしに理解があり、そこで初めて本格的に移住を意識しました。 そんな折に旭地区とのご縁が生まれました。実際に訪れてみると、地域の人々が温かく迎えてくれ、「ここならやっていけるかもしれない」と思いました。そして、結婚とほぼ同時にIターンで旭地区へ移住しました。

移住してみて

――旭地区を選んだ最大の魅力は? 戸田:プロジェクトを通して、旭地区には昔ながらのコミュニティの温かさがあり、移住者を受け入れてくれる土壌があると感じました。何より、地域の方々が、私たちを「よそ者」ではなく「仲間」として迎え入れてくれたことが、とても心強かったですね。僕がここに来られたのは、地域の皆さんが受け入れて頂いたからですけれども、移住してからは、地域の人から頼まれたことや、「こんなことができたら良いな」という話をしているうちに、色々な活動に関わるようになりました。何かこれをしたいというよりは、地域の人から頼まれ、こんなことやれたら良いなみたいな話があって、話をしていたらどんどん増えてきちゃったみたいな感じですね。

――実際に住んでみてどのように感じていますか?地域の方々との関係は? 戸田:地域の方々がとても親切で、何かと声をかけてくれました。最初は地域の人たちの暮らしを知ることから始め、そこからつながりができました。地域の方々と話しているうちに、「これをやってみたら?」という提案が次々と出てきて、自然と役割が広がっていきました。例えば、地域の新聞屋さんが廃業するということで、「誰かやらないか」という話が持ち上がり、私が引き継ぐことになりました。その後、牛乳屋さんも廃業する話が出て、2023年4月から引き継いでいます。こうした仕事も、「これをやろう」と決めたわけではなく、地域の中で必要なことを手伝ううちに、自然と関わるようになったものです。

――生活の中で不便に感じることはありますか? 戸田:都市部と比べると、医療や交通の面では不便な部分がありますが、日常生活には大きな支障はありません。買い物は車があれば問題なく、地域の助け合いの仕組みがあるので、困ったときは互いに協力し合えます。実際、地域の方々は「困ったら声をかけろ」と気にかけてくれますし、お互い様の精神が根付いているので、助け合いながら暮らしています。

縁を持って、出会って、一緒に飯を食う

――地域での仕事や活動について教えてください。 戸田:つくラッセルでは、様々な取り組みが生まれています。例えば、「竹々木々工房」というプロジェクトは、移住してきた女性が立ち上げたもので、彼女は竹林整備をしたいという思いから、メンマを作り始めました。ただ、本人は食品販売よりも竹林整備そのものにやりがいを感じていて、地域資源の活用方法の一例になっています。 また、つくラッセルのコワーキングスペースでは、名古屋の企業が地域の女性をスタッフとして採用し、テレワークを推進する形で運営しています。地域の皆さんに講師になってもらい、体験事業を展開することも増えてきました。こうした取り組みも、最初から決めていたわけではなく、地域の中で話し合う中で形になっていったものです。

――これから移住を考えている方へのアドバイスをお願いします。 戸田:移住するときは、「何をするか」より「誰とするか」が大事です。やりたいことを一方的に持ち込むのではなく、地域の人たちと一緒に考えながら動くことで、暮らしが楽しくなります。また、山村ごとに文化ややり方が違うので、あまり前もって「こうだ」と決めつけすぎないことも大切です。 豊田市では、空き家情報バンクを通じて面談をしてから移住する仕組みになっているので、事前に地域の情報を得て、地域の人々とコミュニケーションを取ることが、移住後の定着に大きく影響すると思います。 例えば、獣害対策も、移住者が関心を持つテーマの一つだと思います。私自身、つい先週も猪が騒いでいて、「ワンちゃんのエサはどうしようか」と考えたとき、一番オーガニックなのは猪か鹿だなと思い、実際にそれを餌にしようと(笑)。こういったことも、地域での暮らしの一コマです。ただ、実際に獣害対策で罠を仕掛けたりするとなると、地域の方々の了解を得て、一緒にやっていく必要があります。移住者が「獣害対策をやりたい!」と意気込んでも、地域のルールや事情を知らずに進めてしまうと、トラブルになることもあります。「やりたいこと」と「地域で求められていること」をうまく繋げていくことが大切で、そのためには、やはり地域の方々とのコミュニケーションが欠かせません。 やっぱり最後は、縁を持って、出会って、一緒に飯を食う。これが大切なんです。

このプロジェクトの地域

愛知県

愛知県

人口 745.56万人

愛知県

愛知県庁が紹介する愛知県ってこんなところ!

日本列島のまんなかに位置する“愛知県” は、自動車産業をはじめとしたモノづくりが有名ですが、実は、山里や離島など豊かな自然に恵まれたところなんです。 愛知県の東に位置する三河山間地域には、さまざまな伝統を育んできた山里があり、知多半島と渥美半島に抱かれた三河湾のほぼ真ん中には、3つの個性的な離島があります。

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愛知県にはあなたが想う田舎があります。愛知県は産業県としてイメージされる方が多い県ですが、都市地域から近い山間地や離島があります。ぜひ、あなたの知らない愛知県の魅力に触れてみませんか。

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