滋賀の「なんかいい」をカタチに ―鉄砲屋5代目が描く狩猟文化とまちづくりの未来―

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2025/10/06

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2025/07/25

大正時代から続く鉄砲屋「濵﨑銃砲火薬店」の5代目、濵﨑航平さん。東京でのCM制作会社勤務を経て、滋賀県大津市にUターンした濵﨑さんは、狩猟文化を軸に、「銃砲店がまちづくり」という斬新なコンセプトを掲げ、滋賀ならではの体験型事業を仕掛けようとしています。故郷を愛し、その「なんかいい」魅力を多くの人に伝えたいと願う、濵﨑さんにお話をうかがいました。

自分らしいライフスタイルを求めて

―長砂:まずは、Uターンのきっかけから教えてください。

濵﨑:大阪の大学に通っていた頃、滋賀の田舎っぽさをからかわれることがありました。地元には魅力がたくさんあるのに、それをうまく伝えられなかったことが悔しくて。「どうすれば良さを伝えられるんだろう?」と考えるようになったんです。

「魅力を伝えるプロ」が集まるテレビCM業界に入れば何かヒントがあるのではと思い、東京の制作会社に就職しました。でも2年働いたあとに体調を崩してしまって。もともとは5年働いてから滋賀に戻るつもりだったのですが、予定より早く帰ってくることになりました。

―長砂:東京での暮らしと、滋賀への想いに変化はありましたか?

濵﨑:東京では仕事に追われてお金はあっても幸せを感じられなかったんです。その反動で、「お金よりライフスタイルを大事にしたい」「滋賀に帰って、自分らしい生き方をしたい」と強く思うようになりました。 帰ってきた当初は「プー太郎」みたいな生活(笑)。やりたいことが見つからなかったんですが、親に言われて家業を手伝い始めたことが転機になりました。

実家のある仰木の里の風景写真
実家のある仰木の里の風景写真

新しいスタイルの銃砲店

―長砂:実家は鉄砲屋さんとのことですが、最初から継ぐ気はあったのでしょうか?

濵﨑:全然なかったです。むしろ「絶対継がない」と思っていました。儲からない仕事だし、父も「継がなくていい」と言っていましたから。でも実際に手伝ってみたら、意外と面白かったんですよ。クレー射撃とかやってみると、これがすごく楽しくて。「この店を起点に、滋賀の魅力を発信することができるかもしれない」と思うようになったんです。銃を身近に感じてもらうために、オリジナルTシャツやパーカーなどのアパレルを販売したり、クレー射撃を体験できる「クレーシューティングシュミレーター」を導入したり、エンタメとして楽しんでもらえるような仕掛けをしています。

―長砂:「銃砲店がまちづくり」というコンセプトがユニークですね。

濵﨑:家業という土台があることで、ゼロから始めるよりも動きやすいですし、銃砲店だからこそできる「狩猟文化を軸とした地域づくり」があると思うんです。 狩猟というと銃のイメージが強いかもしれませんが、僕にとってはもっと広い概念で、例えばブラックバス釣りも含まれる。「滋賀らしい狩猟」を通して、まちの魅力を伝えていきたいと考えています。

濵﨑銃砲火薬店の外観写真
濵﨑銃砲火薬店の外観写真

滋賀の魅力を体験で伝えたい

―長砂:滋賀や大津の魅力はどんなところですか?

濵﨑:いちばんはやっぱり、自然との距離が近いところですね。 都会ほど人が多くなくて、時間の流れもゆったりしている。気軽にぼーっとできる場所も多いし、なんかいいんですよ。 あと、商店街とか昔ながらの風景がちゃんと残っているのもいいところ。子どもの頃に見た景色が、まだそこにあるっていうのは、すごく安心感がありますし、残していきたいなって思える理由でもあります。今は人通りも減ってしまって、寂しい部分もありますが、だからこそ何とかしたいという気持ちが強いです。

―長砂:これからチャレンジしたいことについても教えてください。

濵﨑:「あったら面白いな」と思ったことは、とりあえずやってみたいんですよね。今考えているのは小学生向けに山でのサバイバル体験、狩猟体験やジビエレザーでのクラフトづくりなどを提供するものです。 僕自身も、ものづくりが好きになった原点は、子ども時代の体験だったので、子どもたちにも「本物」に触れてほしい。滋賀は自然が豊かで、体験できる場所も多いからこそ、地元の人にも改めてその魅力に気づいてほしいと思っています。

ほかにも、地元スーパーでジビエを販売したり、食料自給自足型のグランピングをつくったり。釣り、畑仕事、狩猟体験、解体まで含めたプログラムで、命の大切さを伝えられたらと思っています。

―長砂:鉄砲の魅力を伝えるとき、滋賀の「なんかいい」を話すときの濵﨑さんはとてもワクワクしていて、聞いている私も楽しくなってきました。鉄砲に興味を持ってもらうために、クレーシュミレーターだけでなく、アパレルも作成しています。私自身も、商店街周辺を歩いているときに「かわいいデザイン!」と店頭に並んだTシャツやスウェットが目に飛び込んできたのが濵﨑銃砲火薬店との出会いでした。これからの鉄砲の裾野を広げる活動も楽しみです。

鉄砲屋さんの仕事の様子
鉄砲屋さんの仕事の様子
オリジナルアパレル
オリジナルアパレル

このプロジェクトの地域

滋賀県

大津市

人口 34.06万人

大津市

大津市企画調整課が紹介する大津市ってこんなところ!

ローカルライター 長砂伸也 滋賀県湖南市で私設公民館mameCo-を設立・運営中。週1度、旧大津公会堂に勤務するときに浜大津周辺をぶらぶらするのが好き。

このプロジェクトの作成者

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滋賀県大津市は、転入者数が転出者数を上回る社会増を続ける“選ばれているまち”です。 都会派、田舎派どちらのくらしも叶えられるのが滋賀県大津市です。 【大津市を示すデータ】 ・2016年から社会増を続けています。 ・最も多い転入者は、子育て世帯 【大津市が選ばれる理由】 ・抜群の利便性 (JR京都駅に9分、JR大阪駅に40分) ・住宅が取得しやすい ・びわ湖と山のいやしを感じるくらし

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