【会社員から炭焼き職人に】地域おこし協力隊インタビューVol.4前田さんご夫妻(三谷地区)

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2025/12/01

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2025/11/13

歴史と伝統、そして文化が息づく北陸最大の都市、石川県金沢市。 そんな金沢市で、現在7人の地域おこし協力隊が、それぞれ想いを胸に活動しています。 彼らの活動内容や喜び、苦労などを、隊員本人たちにざっくばらんに聞いていく連続企画「私が地域おこし協力隊になった理由」。

第4回は、2024年4月から地域おこし協力隊として、東京から金沢市の山間部「三谷地区東原町」に夫婦で移住した、前田由紀雄さん・理沙さんご夫妻へのインタビューです。

金沢で叶える炭焼き職人の夢

―地域おこし協力隊に興味を持ったきっかけについて教えてください。

【由紀雄さん】元々地域おこし協力隊について詳しく知っていたわけではなく、炭焼きを仕事にしたいという気持ちがあり、それを実現できる場所を探していました。そんな中、東京で行われた移住相談会で金沢市のブースを訪れた際に、今住んでいる東原町の地域おこし協力隊の募集があるということを知りました。

-理沙さんは、移住に当初から賛成だったんですか?

【理沙さん】びっくりはしましたけど、炭焼きについてしっかりと調べていて、移住にかける熱意は感じていました。とはいえ人生を大きく変えることなので、自分たちが納得できるような場所が見つかるまで、じっくり時間をかけて決めようと思っていましたし、夫にもそう伝えていました。ただ、いざ探し始めると2か月くらいで決まってしまいました(笑)。本当にあっという間でしたね。

-多くの自治体がある中で、どうして金沢を選ばれたのですか?

【由紀雄さん】いくつかの自治体のオンラインセミナーにも参加しましたが、今の東原町が、私たちの求める条件にぴったりだったんですよね。炭焼き小屋があって、周りには炭に適している木がたくさんあって、林業を学ぶための林業大学校にも通える。協力隊なので月々お給料もいただける。サポートを受けながら自分の夢に挑戦できるベストな環境だと思いました。

-実際に決めるまでに東原町には来られましたか?

【理沙さん】一度来させていただいて、のどかな里山だなという印象を持ちました。山間部なんですけど、車で20分ほどで街に出られるので、思ったほど利便性は悪くなく、ここより良い条件のところはないんじゃないかと思うようになりました。

-協力隊としての現在の活動内容を教えてください。

【由紀雄さん】今は炭焼きの修行がひと段落して、自分の炭窯を建てるための準備を進めています。それ以外にも、集落の中で野菜やきのこを育てたり、東原町で開催される朝市に地域の方と一緒に参加したりしています。

-活動の中でやりがいを感じることはありますか?

【由紀雄さん】林業や狩猟の活動を通じて地域の里山を守ったり、豊かな自然環境に貢献している実感が持てることが大きなやりがいです。お金のことを考えると会社員時代の方がよかったかもしれませんが、地域の環境やコミュニティに貢献できている今の生活がとても充実しています。

-大変だったことはありますか?

【由紀雄さん】集落の中の古民家を借りて住んでいるのですが、住居に慣れるのが一番大変でした。古民家というと、おしゃれなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際は夏は暑く、冬は寒く、虫も部屋に入ってくるなど、都会では経験したことのない問題に直面しました。 【理沙さん】今までDIYの経験もほとんどなかったため、自分で修理するスキルがないと大変だと感じました。

-人間関係はどうですか?

【由紀雄さん】この町の方々は、町全体で地域を盛り上げようという一体感があり、とても良い町だと思います。協力隊OBの方や移住者の方もいることもあってか、町の人々は外に対してとてもウェルカムな雰囲気で、外部の人が入りやすい環境だと感じています。 【理沙さん】新しいことを始めることにも寛容で、積極的に協力してくれる人が多いです。昨年、新たな試みとして集落にピザ窯を作ったんですけど、その時も多くの人が協力してくれました。今年は原木舞茸の栽培にチャレンジしています。

自宅裏庭で栽培しているキノコの「ほだ木」
自宅裏庭で栽培しているキノコの「ほだ木」

東京にはない「人とのつながり」

-以前住んでいた東京と、今住んでいる東原町の違いを教えてください。 【由紀雄さん】ご近所づきあいが一番違いを感じます。東京に住んでた頃は隣がどんな方かも分かりませんでしたが、ここでは近所の方に野菜をたくさんいただいたり、畑仕事をしていても声をかけてくださったりするので、人の繋がりの強さを感じます。

-今後の目標や、協力隊として取り組んでいきたいことはありますか? 【由紀雄さん】まず炭焼き職人として生活を安定させることが第一です。炭焼きの仕事に関連して、薪の販売や原木キノコ栽培などもやっていきたいと思っています。 将来的には、炭焼きやキノコ収穫の体験を行い、地域の魅力を多くの人に知ってもらいたいと考えています。林業を通じて、多くの人がこの東原町を訪れるような取り組みができたらいいなと思っています。

-最後に、地域おこし協力隊を検討している人たちへ、メッセージをお願いします。 【由紀雄さん】実際に住む場所になるので、応募する前に一度でも足を運んで、町の様子や雰囲気を肌で感じてから決めることをおすすめします。私も実際に東原町を訪れてから協力隊になることを決めました。協力隊に限らず、移住を成功させる秘訣だと思います。

集落内の畑で愛犬と
集落内の畑で愛犬と

このプロジェクトの地域

石川県

金沢市

人口 46.53万人

金沢市地域力再生課が紹介する金沢市ってこんなところ!

金沢市は石川県の中心部にある人口約46万人の「歴史と文化のまち」です。 金沢城や兼六園などの歴史的な名所から、現代アートのメッカである21世紀美術館まで、多彩な観光スポットが点在しています。 加賀百万石の城下町として栄えた時代から今日まで、400年以上にわたって戦争や大災害を免れたため古くからの建物が多く残り、江戸から令和までの建物が1つのまちに立ち並んでいる風景は金沢の大きな特徴です。 また、金箔工芸や加賀友禅などに代表される多様な伝統工芸・文化は行政だけでなく、企業・地域コミュニティなど様々な組織・人々によって歴史を超えて守り伝えられており、そのような人々こそが金沢の最大の魅力だと思います。

このプロジェクトの作成者

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【中の人】 金沢生まれ、金沢育ちの30代男性。 首都圏の大学を卒業後、地元に戻り市役所に入庁しはや十余年。 妻とともに3人の子育てに奮闘中。 趣味はハンドボールと居酒屋巡り。

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