
【前編】連載:大津な想い人 #05 清水健司さん(まちづくり大津・事務局長)
公開日:2025/10/29 06:08
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2025/11/02「興味ある」が押されました!
2025/10/30滋賀・大津。ここは、ヒトがまちに恋し恋され、自分なりの愛情でまちと歩む「恋するまち」。本シリーズでは、縁あって大津に出会い、それぞれのやり方で大津に携わる「大津な想い人」へのインタビューをお届けする。
今回は、行政・民間・地域住民の協働によるまちづくりを使命とするか株式会社まちづくり大津・事務局長の清水健司さんにお話を伺った。大津というまちを、誰よりも近くで見つめてきた清水さん。その胸にある「まちへの想い」と、これからの大津の姿に迫る。
まちを支え、まちと歩む——株式会社まちづくり大津
行政・民間・地域住民の協働によるまちづくりを使命とする株式会社まちづくり大津。今回は、事務局長の清水健司さんにお話を伺った。大津というまちを誰よりも近くで見つめてきた清水さん。その胸にある「まちへの想い」と、これからの大津の姿に迫る。
――まちなかを歩いていると、旧大津公会堂やなぎさのテラス、商店街など、いろんな場所で「まちづくり大津」の名前を目にします。実際にどんな事業を通して大津のまちを支えているのでしょうか。
清水:4つの事業を行っています。「テナントミックス事業」「まちなか回遊性向上事業」「公共空間活用事業」「地域に根差したまちづくり事業」です。以前は観光客向けの「着地型観光試行事業」を行っていましたが、現在はより地域に寄り添う形で取り組んでいます。
まず「テナントミックス事業」では、旧大津公会堂やなぎさのテラスの管理を通して、魅力ある施設から賑わいを生み出しています。なぎさのテラスでは4つの区画をつくり、入居する店舗の募集から関わりました。各店舗からの家賃収入は、市への支払いを除き、地域へ還元しています。
「まちなか回遊性向上事業」では、朝市やまち歩きなど、人がまちを回りたくなるきっかけを創出。「公共空間活用事業」では道路や公園を活用し、子どもたちが主役の「習い事フェスタ」などを開催しています。 そして「地域に根差したまちづくり事業」では、事務所を丸屋町商店街へ移転し、地域密着の活動や情報発信を進めています。
――お仕事の中で印象に残っていることはありますか。
清水:単なる業務を超えて地域の方と直接関わる機会が多く、まちの未来づくりに携わっているという実感があります。事務所だけでなく、まち全体が職場のような感覚です。イベントが終わるたびに「よかったな」と感じますし、人とのつながりが増えるのがやりがいですね。
――株式会社まちづくり大津はどのように生まれたのでしょうか。
清水:2008年1月の設立です。きっかけは、昭和9年から続く旧大津公会堂の存続をめぐる議論でした。耐震の問題から取り壊しの話が出た際、地域の方々が「残して活用できないか」と市に提案したんです。その後、大津市が中心市街地の基本計画に「公会堂の保存・活用」を盛り込み、実行するための組織として誕生しました。
その後、公会堂のレストラン(2010年)や、なぎさのテラス(2009年)をオープン。これらは会社の収益の柱であり、まちの賑わいを生む存在でもあります。2023年3月に公会堂の指定管理が終了し、4月から商店街に事務所を移しました。
さらに2018年には、大津市から「都市再生推進法人」に指定されました。これにより市との連携がより密になり、まちづくりの“まとめ役”としての役割を担っています。設立当初はノウハウもない中で、約150人の出資者が集まりました。地域の方々も「公会堂を残したい」という想いで参加し、まさに“まちのファンクラブ”のような熱意が会社を支えたんです。
――最後に、清水さんにとって「まちづくり」とは。
清水:人との関わりの中で生まれる温度のある仕事だと思います。私たちは施設を運営するだけでなく、地域と一緒に“まちを育てていく”存在でありたいですね。


このプロジェクトの地域

大津市
人口 34.06万人

特定非営利活動法人BRAHart.が紹介する大津市ってこんなところ!
大津市は、比良・比叡の山並みとびわ湖に代表される自然と、様々な歴史の舞台となった豊かな文化財を有する歴史と文化に彩られた都市です。 滋賀県の県都として、市外の方からも評価をいただき、現在も転入超過※を続けている「選ばれるまち」です。
このプロジェクトの作成者
「障がいがあろうとなかろうと、好きなこと得意なことを仕事にして精一杯生きる」をモットー2014年設立。大津市瀬田地域を中心に、「社会を楽しくするのが福祉のミッションだろ!」を合言葉に、近江國一之宮建部大社の朝市や、石山寺縁日の運営に携わったり、近隣の子ども達への学習支援ブレイクスくール、滋賀の食材とアーティストを応援するcafe&galleryspoonsの経営など、社会から支援される側から、支援する側にまわる活動を続けている。
















