【後編】連載:大津な想い人 #05 清水健司さん(まちづくり大津・事務局長)

読みもの

公開日:2025/10/30 00:27

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2025/11/02

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旧大津公会堂X立命館大学です。 企画前回に引き続き、株式会社まちづくり大津・事務局長の清水健司さんにお話を伺い、現場から見つめる“まちづくりの本質”に迫る。

◇数字では測れない、“賑わい”のかたち◇

―― まちづくり大津のキーワードのひとつに「賑わいの創出」がありますが、「賑わい」とはどのように捉えておられますか?

清水:正直、「賑わい」というのは少し“ふわっとした言葉”なんです。何をもって「賑わいがある」と言えるのか、明確な基準はありません。イベントで100人来た、売上が上がったというのも指標の一つですが、僕は数字よりも「なんか楽しい」「また来たい」と感じてもらえる空間をつくることが、本当の“賑わい”だと思っています。人の心に残る体験が、まちの魅力を高めていくんです。

―― そうした“賑わい”を実感するのはどんな瞬間ですか?

清水:駅前広場でイベントをしていると、別の場所で「駅前で何かやっているらしいね」と話しているのを耳にします。自分のまちで人が楽しそうにしている様子を見聞きして、「なんか賑わってるな」と感じてもらえる。その感覚が次の会話や行動につながり、また別の賑わいを生む。そんな小さな連鎖の積み重ねこそが、まちを温めていくんだと思います。

◇話しながら、まちは動いていく◇ ―― 行政や民間など、さまざまな人と協働する中で、スピード感や価値観の違いを感じることはありますか?

清水:ありますね。民間だとその場で「やる・やらない」を判断できますが、行政や企業は手続きや合意形成が必要です。スピード感は違いますが、それも理解して調整しています。

―― 連携をスムーズに進めるために意識していることは?

清水:日頃のコミュニケーションです。普段から関係をつくっておくと、改まった会議を開かなくても、日常の会話の延長で合意形成ができます。まちづくりは信頼の積み重ねだと思います。

―― 妥協とこだわりの線引きは?

清水:妥協は……いっぱいしています(笑)。法や安全面は譲れませんが、まちづくりは一人で突き進むものではないので、みんなで“丸いもの”をつくる感覚に近いです。「前例がない」と言われたときは、「実証実験」として挑戦します。“実験”なら失敗を恐れず、新しい視点を取り入れられます。

◇“横のつながり”が、まちを動かす◇ ―― 今後の理想的な官民連携のかたちは?

清水:市役所の中でも部や課が多く、横のつながりが取りづらいのが現状です。市と県の関係でも「ここは市」「ここは県」と分かれていて、一体的に活用しにくい。行政同士の連携がもっと進めば、まちは変わると思います。商店街の活性化でも、商工、文化、観光など複数の部署が関わります。どの部署も最終的な目的は「まちを良くしたい」。だからこそ、専門性を生かしつつ、誰もが理解できる“共通言語”が必要です。

―― 「この分野ならこの人に聞けばいい」という“ハブ”のような仕組みがあると良さそうですね。

清水:そうですね。個人のつながりだけでなく、組織として関係を築ける体制が必要です。人が変わっても協働が続く“仕組みの連携”ができれば、地域全体の力になります。

◇京都に近くて、京都とは違うまち◇ ―― 「大津らしさ」とは何でしょうか?

清水:京都に近いけれど、京都とは違う魅力があるまちです。何より琵琶湖があり、そのまわりに歴史や文化が息づいている。昔は東海道の宿場町として栄え、今もJRや京阪、名神高速など交通の要衝。湖のそばに都会の機能があるまちは珍しい。“水と歴史と交通”がつくるバランスが大津らしさ。都会にも近いけれど、穏やかで少し田舎っぽい。そんな“ちょうどいい”空気感が、大津の魅力です

まちづくり大津通信No.02
まちづくり大津通信No.02
まちづくり大津通信No.04
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このプロジェクトの地域

滋賀県

大津市

人口 34.06万人

大津市

特定非営利活動法人BRAHart.が紹介する大津市ってこんなところ!

大津市は、比良・比叡の山並みとびわ湖に代表される自然と、様々な歴史の舞台となった豊かな文化財を有する歴史と文化に彩られた都市です。  滋賀県の県都として、市外の方からも評価をいただき、現在も転入超過※を続けている「選ばれるまち」です。

このプロジェクトの作成者

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「障がいがあろうとなかろうと、好きなこと得意なことを仕事にして精一杯生きる」をモットー2014年設立。大津市瀬田地域を中心に、「社会を楽しくするのが福祉のミッションだろ!」を合言葉に、近江國一之宮建部大社の朝市や、石山寺縁日の運営に携わったり、近隣の子ども達への学習支援ブレイクスくール、滋賀の食材とアーティストを応援するcafe&galleryspoonsの経営など、社会から支援される側から、支援する側にまわる活動を続けている。

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