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安定したアウトドアの仕事★山を歩き、データで未来を描く。林業における現場管理職員の仕事とは

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2025/11/17

「興味ある」が押されました!

2025/11/02

こんにちは!福井県地域おこしネットワーク所属、現役の南越前町地域おこし協力隊 古田崚(ふるたりょう)ともうします。

先日公開した記事(https://smout.jp/plans/23915)を見ていただけましたでしょうか? 林業×IT、林業×移住、林業×DIY、さまざまな半林半Xの可能性を感じていただけたかと思います。

今回は、その中でも現場を支える「現場管理職員」のリアルに迫ります!

GPSやドローンなどのICTを駆使しながら、山と人、そして地域をつなぐーー。 そんな林業の最前線で働く、南条郡森林組合の川端さんに管理職員の仕事や暮らしについて、インタビューをしました。

林業の世界に入ったきっかけと今の働き方

ー 林業の世界に入ったきっかけは何でしたか?  地元の工業高校を卒業した後、隣町の森林組合に入りました。初めは近隣の市役所を受けたんですが、その市に住んでいないこともあって落ちてしまって…しかも、合否がわかったのが3月半ばで、どうしようと思っていた時に紹介してもらったのが、林業の仕事だったんです。

ー 最初は他の森林組合で働かれていたのですね。南条郡森林組合に入ったきっかけはなんですか?  これもほんとにたまたまなんです。最初の組合で10年働いた後、製造業で5年働いたのですが、業績が落ちてきて早期退職者を募ったんです。それで退職して、最初の組合に出戻りました、ただ人間関係が結構キツくて、お世話になった先輩が辞めるタイミングで2年で退職しました。その後、石屋さんに転職したのですが、毎日同じことの繰り返しで辛くなってしまって…そんな時、子どもが通っているサッカークラブのパパ友さんに紹介してもらって南条郡森林組合に転職しました。ここにきて8年になります。

ー 1日のスケジュールはどんな感じですか?  現場作業は踏査や測量が主です。踏査は山中につける作業用の道のルートを確認する作業です。 測量は、山を歩いて、GPS機器を使って山林の境界線を明確にする作業ですね。 ともに道なき道を歩いて調査する仕事なので、慣れないうちは大変です。私もこの仕事を始めた当初、60代の先輩と一緒に山を歩いたのですが、全くついていけなくてショックでしたね。 今では山歩きにも慣れました。おかげさまで、同年代と比べても確実に体力はあると思います。笑

 山を歩いて取得したデータを整理するのも、私たちの仕事です。取得したデータをGISソフト(Geographic Information Systemの略、地理情報を扱うソフトウェア)に入力します。このデータを元に森林管理計画を作成したり、報告書の作成も行います。  他には、県やその他補助団体が、定期的に林業に関する制度や技術的なことに関する勉強会を開催してくれるので、積極的に参加するようにしています。

ー 結構忙しそうですね。  やることは多いですが、1つの現場を裁量を持って進められるので、自分のペースでやれています。体調や気分に合わせて、午前は山でデータ収集、午後はオフィスでデスクワークというように頭と体のバランスをとりながら働いています。毎日遅くても19時には帰ってますね。家族との時間も取れるしいいですよ〜!

ー 安全対策はどのように変化していますか?  業界全体で安全への意識が高まっているのを感じます。私の仕事で想定される危険としては、熊との遭遇、蜂やダニなどの被害、山中での転倒や斜面からの滑落などがあります。  熊については撃退スプレーや熊避け鈴が、蜂やダニについては吸引式のポイズンリムーバーが支給されます。また、最近は夏の暑さが過酷なので、空調服も支給されました。山中での転倒や滑落は、山歩きへの慣れや、危ない場所に対する勘なども大事ですが、自分のコンディションと相談しながら無理しないことが一番大事かと思います。なんでもそうですが、仕事を始めて気が張っているときよりも、2〜3年して慣れてきた時が一番危ないですね。

川端さん(右)と筆者(左)、気さくで頼れる方です!
川端さん(右)と筆者(左)、気さくで頼れる方です!
現在施業中の山林、ここが職場です
現在施業中の山林、ここが職場です

ITの活用、暮らしと地域のリアル

ー IT技術は現場でどのように役に立っていますか?  GPSが導入されたときは、2人体制でやっていた境界の測量が1人でできるようになりました。これは本当に革命だと思いましたね。  最近は、ドローンを使った林分調査(木の本数や太さ、高さ、樹種などの調査)などがはじまっていて、今後は山歩きよりITのスキルが求められるようになってくると感じています。  とはいえ、ドローンで取ったデータを見てみると、手作業で測ったものとの誤差がまだまだ大きいです。ので、当分は山歩きも必要になりそうですね。笑 

ー やりがいを感じる瞬間は?  やはり、担当した山林がきれいになった時ですね。それを山主さん(山の所有者のこと)に見ていただいた時に、「きれいになったな〜!」と言われると、さらに嬉しいですね!  管理職員は山主さんへの提案、打合せ、見積、施業の計画、納品、アフターフォローまで全てを担います。  山に関する知識がないと的確な提案はできません。山を見て大体の作業工数がわかり、木の状態と数からいくらで売れるのかがわからないと見積も出せません。施業は作業班にお願いすることになるので、彼らとの信頼関係も大事です。さらに補助金などの制度を把握して提案の幅を広げていくことも重要です。  やることはたくさんありますが、一つ一つ学んでいき、できることが増えるのが楽しいですね。最近は技術の進歩や獣害の深刻化から補助制度の見直しが進むなど、新しく学ぶことがどんどん出てきています。大変だなと思う時もありますが、他の職員と情報を共有するなどして、助け合いながら進めています。   ー 林業の仕事と家庭は両立しやすいですか?また、南越前町で暮らす魅力はなんだと思いますか?  仕事と家庭は両立しやすいと思います。遅くとも19時までには帰っているので、夕食は毎日家族と食べています。妻も働いているのですが、保育所は生後6ヶ月から受け入れてくれて、とても助かりました。子どもの医療費は18歳まで無料ですし、地元の人も気にかけてくれるので、子育てはとてもしやすいですね。安心感があります。  穏やかで優しい人が多い街だなというのは、この仕事をしていて改めて感じます。すごくいい環境で仕事をさせてもらっていると思いますね。

ー 地域に馴染むきっかけはどんな場面で生まれますか?  山主さんは高齢の方が多いんですが、みんな喋りたいんですよね。笑  お話をうんうんって聞いていると、顔を覚えてもらえて、仕事がしやすくなります。雑談の中で仕事に繋がるような話が出たり、連絡の取れなかった山主さんの情報がわかったりするので、とても重要です。…って考えると、一番大事かも。笑  移住者の方なら、最初は賃貸で家を借りつつ、町内を回って気に入った場所を探し、空き家を教えてもらって借りる。なんて、やり方もいいかもしれませんね。  空き家の賃貸は安いですし、うちの組合では県外から来られた方には家賃補助も出しているので、住居費はかなり抑えられると思いますよ。

ー 5年、10年後、南越前町の林業はどうなっていてほしいですか?  南越前町の面積がおよそ350㎢、そのうち91%が山林です。これに対して、人員が圧倒的に足りていないんですよね。裏を返せば、それだけ仕事はたくさんあるし、可能性があると思っています。町内の山林には、戦後すぐに植林され、大きく成長した良い木がたくさんあります。これらをうまく計画して、切り出し、植林して、新しい循環を生み出していきたいですね。

GPSを使った測量の様子
GPSを使った測量の様子
取得したデータを使って計画を作成します
取得したデータを使って計画を作成します

林業体験企画 募集中です!

いかがでしたか?ITを駆使しながら、山を歩き、頭も体もフルに使う管理職員のお仕事。  多岐にわたる仕事をこなしながらも、家族との時間もしっかり確保でき、日々楽しんでお仕事をされていることが伝わってきました。    そして!現在南越前町では、今回ご紹介した現場管理職員のお仕事を体験できる、2泊3日の林業体験の参加者を募集しております!  日中は山に入って林業を体験し、夜は地元のゲストハウスに宿泊して、地域の人との交流を通じて、南越前町での暮らしのリアルを体感いただける企画です。

 以下の記事にて、詳しくご紹介しております。  https://smout.jp/plans/24973

 川端さんのインタビューを読んで“やってみたい”と感じた方は、ぜひ体験にお越しください。  山の中で過ごす2泊3日が、これからの生き方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

最後に川端さんから一言! 「一緒に頑張りましょう!サポートします!」

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文・写真 福井県地域おこしネットワーク所属 福井県南越前町地域おこし協力隊 古田崚

このプロジェクトの地域

福井県

南越前町

人口 0.92万人

南越前町

福井県地域おこしネットワークが紹介する南越前町ってこんなところ!

#人口が少ない のが強み なぜなら、福井県民はだいたい「友人の友人」でつながる

#目立ってないのが強み なぜなら、目立つような新しいことをやっている人が少ないので、今からでも目立つことができる

#実はチャレンジ精神旺盛 なぜなら、ものづくりで生きてきた地域だから。常にイノベーションに取り組んできた

そんな「面白みのある」福井県に足を運んでみませんか?

このプロジェクトの作成者

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福井県内の地域おこし協力隊OB・現役が集まったネットワーク。”協力隊”と言っても、活動範囲は幅広く、それぞれが持っているスキルやアイデアを活かして活動し、連携すると掛け算の効果があるときに連携しています。

私たちはプロジェクトとして、福井県地域おこしネットワークのメンバーが関わるイベント・プロジェクトを紹介していきます^^

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