
吉野林業を学んで“森づくり”に活かしたい、地域おこし協力隊を募集します。
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「興味ある」が押されました!
2025/12/13奈良県の南東部、紀伊半島の山脈が連なる中に、人口約1200人が暮らす「川上村」があります。吉野川・紀ノ川の源流部にあたるこの場所では、室町時代から林業が営まれています。
日本は、国土の森林面積が全体の約7割を占め、豊かな土壌と気候を背景に木材の産地もたくさんあります。その中でも、川上村の山々は「日本三大人工美林」の一つとして知られており、杉や檜を育んでいる“吉野林業”が行われています。
この度、川上村では**“ 吉野林業 ”を継承する地域おこし協力隊**を募集します。 (最後に、暮らしや森を見る見学ツアーの日程を告知していますので、ご興味ある方はお気軽にご応募してくださいね。)
---- 木は、どのようにして届けられる?
ところで、皆さんの周りにある木の製品が、どのようにして手元に届くかご存知ですか?
木材の産地では、どの地域でもある程度の森の手入れはされると思うのですが、吉野林業では**「撫育(ぶいく)」**という言葉を体現するように、撫でるようにゆっくり丁寧に森を育てることをしてきました。
一般的な林業は約50-60年のサイクルで森づくりをしていますが、吉野林業は「密植・多間伐・長伐期」の言葉が表すように100年200年のサイクルで森を育てていく林業をしています。通常より木を密に植えて、人の手により適度に木を間引きながら森を育てているのです。
100年200年の森になるまでには、何世代にも渡って森がバトンのように受け継がれ、面倒を見られているのです。「山主さん(山の持ち主)」から山を任された「山守さん(森のコンサル)」が、実際に山の中に入って施業や細かな情報を把握し、森づくりの方向性を定めています。森づくり、造林という言葉が先にあり、その過程の先に製品になる木があるという認識をしています。
吉野の木はそのような精神性により、ゆっくり丁寧に育てられ、最終的に皆さんの元へ製品として届いています。そしてこの製品というのは、時代によって形を変えています。
林業は産業の中で生産のスパンが一番長いと言われています。1日2日で変化が生まれるものではありません。しかし、ふと振り返ると自分たちが面倒を見た山があり、次に間伐に訪れたときにその変化を知ることができます。その時間感覚で、光景に感動したり、反省をしたりするところが面白いところだと思います。
基礎を積み重ねる3年間にしてほしい。
---- 川上村が考える、「基礎」とは
前章では、吉野林業の概要や大きなことを語りましたが、地域おこし協力隊の期間では林業の基礎を積み重ねる3年間にしてほしいと考えています。
協力隊期間は、山の中に道をつける作業(「奈良型作業道」の開設/講師:岡橋清隆さん)やOJT研修(村内の事業者さんのもとで研修)をメインとした、様々な角度からの森づくりを学んでいただきます。
専門機器や重機操作の資格取得や現場作業による技術習得はもちろんですが、わたしたちが考える“基礎”の中には当然「安全に対する心構え」も含まれます。
林業は全産業の中でも、労働災害が多いといわれています。どれだけ機械が発達し、技術が向上したとしても、天候や現場状況など様々な要因から危険を伴う仕事に変わりはないのです。 自身がケガをしないように安全に作業を行うことも大事ですが、それに加えて共に作業を行う**「メンバーの安全を確認し合うこと」**が重要です。
例えば奈良型作業道の開設では、計画された道の上にある木を切ったり、切った木を組んで斜面を整えたり、根を取り除いて整地・転圧する作業があります。
役割を分けてそれぞれが作業を行っていく中で、木を切ろうとしている時にもし近くに作業をしている仲間がいたら危ないですよね。自分の作業の順序を事前に伝えたり、決定的な作業の前に合図し確かめるといった仲間とのコミュニケーションがあって、安全に作業をすることができるのです。
---- 状況によってさまざまな、林業
また、OJT研修では、事業者へ研修に行く機会を設けています。事業者は作業の内容・作業地・メンバーがそれぞれ異なります。違いはあれど、“役割に分かれて安全確保しながら作業する”ことをベースに、少しステップアップして異なる作業地での経験を積み重ねていただきます。
また、木をうまく倒せる、機械を巧みに使うといった技術よりも、まずは安全に仕事ができるように自分の癖や一緒に仕事をしていく仲間を知っていき、基礎的な機械操作やそれぞれの作業地での経験を積むことで吉野林業の仕事の流れを知っていただく3年間にしてほしいと考えています。
また、川上村の人だけでなく他の地域の林業に携わる人とも連携する機会があると思います。林業地なこともあり、いろんな人が師匠になると思います。土地柄、目の前の人との繋がりを大事にしている人がとても多いですので、お互いにそのような気持ちで接することができると気持ち良い関係が生まれると思いますよ。
歴史深いゆえに、時に違う考えにぶつかることもあるかもしれません。林業のあり方も時代とともに変化しており、一朝一夕で答えが出るとも限りません。活動を通じて、いろんな情報を知り、長い時間をかけて情報を蓄えることで、従来の考え方と新たな考え方が融合した林業のあり方を模索することも必要かもしれませんね。


森を“観る”視点が養われます。
---- 林業の募集でよくある質問をまとめてみました
Q1.3年間で学べることはなんですか? キャリア面、林業・森林一般、計画・管理技術、作業技術の4つの側面から座学・実地を通して林業従事者としての基礎を身につけることができます。
◎キャリア面…キャリアの検討/収入構造の把握/契約形態の理解/資格の取得 ◎林業・森林一般…一般的林業の理解/吉野林業の理解 ◎計画・管理技術…作業計画の策定/作業量の把握/情報の取得と活用/補助制度の理解 ◎作業技術…伐採・測量・造材の理解と技術習得/作業道の設計と技術習得/搬出・運搬に関する知識
Q2.協力隊期間中にどのような資格取得をするのでしょうか? 協力隊1年目に少なくとも、以下の6つの資格を取得できるように研修に行っていただきます。また、必要に応じて専門的な講座を受けることも可能です。
不整地運搬車/車両系建設機械運転/走行集材機械運転業務/伐採等機械運転業務/チェーンソー作業従事者/刈払機作業
Q3.協力隊卒業後の進路について いろいろな可能性があると思いますし、決まった進路先はありません。このように言うと不安に思う方もいるかもしれません。しかし、やってみないとわからない向き不向きや試行錯誤がある3年間になると思います。ですので、この3年間でどのように林業をしていきたいかを考えていただき、ご自身にあった林業のある暮らしを考えてみてはいかがでしょうか。
〈参考までに:過去の事例を紹介〉 川上村ではこれまで7名の応募があり、卒業をしている3名のうち1名は個人事業主としての山行きとして活動し、もう1名は既存の林業事業者への就業を予定しております。
地元に住む人も考えられないようなアイデアで起業をすることや、川上村に林業で集まってくる人を束ねて事業体を作ることも、もしかしたらあり得るお話だと思います。
---- 森を“観”て、暮らしていく。
人が生きているスピードと比べると森の変化はわかりづらいかもしれませんが、山は変わらないように見えて少しずつ変わっていっています。
ふと振り返ったら、自分たちが作業をした山がある。
どんな仕事でも、あの時いい仕事ができたかというのは後になってわかることがたくさんあるように思います。その結果が出るのが、林業は人一倍長いかもしれません。
しかし、すぐには分からないからこそ気長に待つ楽しさがあり、その間に先人の知恵を頼りに、いまの時代でできることや自分にできることを地道に取り組むことができるのではないでしょうか。
温暖化など地球の自然環境、地域の中にある産業や文化の危機を感じる“いま”だから、細くても長く踏ん張って林業を続けていきたいと考えています。そして、あなたのタイミングの**「“いま”だから、やってみたい」**という方と出会いたいと思っています。
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ここまで読んでくださりありがとうございました。吉野林業の協力隊に興味がある方は、ぜひ【興味ある】ボタンを押してください! 森の仕事や川上村を見学するツアーを企画していますので、見学ツアーにぜひきてみてくださいね。(【興味ある】ボタンを押した方に見学ツアーの申し込みフォームをお送りします。)


募集要項
※募集者 / 主催者に連絡を取りたい場合、まずは「応募したい」ボタンを押してメッセージを送ってください。
協力隊期間は、山の中に道をつける作業(「奈良型作業道」の開設/講師:岡橋清隆さん)やOJT研修(村内の事業者さんのもとで研修)をメインとし、林業の基礎を積み重ねる3年間にしてほしいと考えています。
■ 次の⑴~⑽を全て満たす方が対象です。 (1)心身ともに健康かつ、関係者や地域住民と協力して活動に取り組める方 (2)自身の提案事業に責任をもち、計画的に活動を遂行できる意思をもった方 (3)川上村に住所を移し、居住できる方 ※応募前に、「地域おこし協力隊及び地域プロジェクトマネージャーの特別交付税措置に係る地域要件確認表」をご確認いただき、地域要件に該当するか必ず確認ください。 (4)20歳以上の方 (5)普通自動車運転免許を取得している方 (6)パソコンの操作ができる方(ワード・エクセルなど) (7) 地域おこし協力隊としての活動期間終了後も起業又は就業して川上村に定住しようとする意欲も持つ方 (8)活動に関して法令等を遵守し、職務命令等に従うことができる方 (9)地方公務員法第16条に規定する欠格事項に該当しない方 (10)川上村地域おこし協力隊見学ツアーに参加された方 ※他のツアーへの参加等で来村経験がある方は、免除の可能性があります。
・たわいもないコミュニケーションを楽しめるかた ・田舎暮らしを楽しんでやろう!と思う意欲のあるかた ・自分で考えて行動することを楽しめるかた
⑴ 報酬月額174,000円。期末手当・勤勉手当あり ⑵ 社会保険(厚生年金)、健康保険、雇用保険 ⑶ 有給休暇あり ⑷ 副業可(要相談) ■ 待遇・福利厚生 ⑴ 住居は、村で確保した住宅に入居いただきます。住宅の家賃、修繕は村が負担。(生活用品や光熱水費等は自己負担) ⑵ 引っ越しに必要な経費については、隊員負担とします。 ⑶ 隊員の活動に係る費用は、「川上村地域おこし協力隊活動支援金支出規定」 により年間100万円まで村が負担します。 ⑷ 隊員卒業後も定着を考える隊員には、採用3年目ないし卒業1年目に「川上村地域おこし協力隊起業支援補助金」を活用することができるほか、地域資源を活用した商品の開発や起業、既存商店のリニューアル等に対し補助する「川上村産業振興支援補助金」などさまざまな支援を行います。
■ パートタイムの会計年度任用職員に該当 ■ 勤務日数:1か月あたり16日(原則として週4日勤務) ■ 勤務時間:原則として8時30分から17時15分(1日あたり7時間45分) ※時間外の業務が発生する場合もあります。その場合は、振替対応となります。
住所
連絡先
オンライン座談会や見学ツアーに参加して話を聞いてみたいという方は、「応募したい」ボタンを押してください! ちょっと気になる!という方や、素敵な活動だけど応募できないという方は「興味ある」ボタンを押して応援していただけると嬉しいです。 ● Facebookを日々更新しています👀 https://www.facebook.com/kawakamon/?locale=ja_JP ● かわかもんの手引書(協力隊の生活など)を公開しています✨ https://kawakamon.notion.site/35c69bf2f33643a49c92025600b5f359?pvs=74
奈良県川上村
このプロジェクトの地域

川上村
人口 0.08万人

奈良県 川上村が紹介する川上村ってこんなところ!
水が生まれる、奈良県川上村。物語は全て”水”から始まります。500年以上昔から人々の手で紡がれた産業・吉野林業。川でつながる地域と流域で文化が生まれ、今があります。人口は1200人と少ないけれど、ここで暮らす人たち同士でお互いを気にかけながら一緒に暮らしていく。そんな空気があります。 山の中を切り開いたような場所に暮らすところがあります。自然に歯向かわない、自然とともに生きる暮らしがあります。
このプロジェクトの作成者
つなぐ・つづける 「水源地の村づくり」 1313人の村がめざす 住まい心地を整えることと 恵みを共感できる流域連携による 持続可能な地域づくり。 そこには、ぶれない精神がある!
【公式HP】http://www.kawakaming.jp/ 【森と水の源流館】http://www.genryuu.or.jp/ 【かわかみらいふ】http://kawakamilife.com/


















