【沖島ぐらし2年目】湖上の通船船長が届ける、自然の美しさと島民の温かさ
2025年4月から滋賀県近江八幡市の沖島で地域おこし協力隊に着任した平尾友里です。 沖島は日本で唯一、淡水湖に浮かぶ有人島です。人口は200人程度で、島民のほとんどが漁師さん。 車も走っておらず静かで昭和レトロな町並みとゆったりとした時間が流れています。
ちなみに、私は沖島と本土を結ぶ「おきしま通船」で運航業務に携わりながら、島の魅力発信を行っています。 1年間、沖島で過ごしたことを少しお話ししようと思います。
通船船長としての乗務のこと
通船は、1日12便(日祝は10便)運航しています。 私は、午前・午後の2交代制のシフトで週3回程度で乗務しています。 朝6時30分ごろ、沖島漁港に係留している船へ出勤。出発前の点検や運航日誌、天候や風向きの確認、船内の清掃などを行い、1便目に備えます。昨年の冬は雪が積もる日が数日あり、そんな日は船長総出で桟橋や船の雪かきからスタートです。 私が住んできた地域では雪が積もるなんてことはほぼ皆無なので最初はうきうきしましたが、実際は雪かきをしてもすぐ積もり…滑りやすく危険で、もしこれが毎日となると辛いなと思いました。
定期運航の間に給油があったり、平日は島内にある沖島小学校の給食を運んだりと慌ただしく過ぎていきます。夜になると、真っ暗で港の灯かりを目指して走ります。
船は風や波、天候など自然の影響がかなり大きく影響します。視界については、霧や雪の日はとても悪い。普段なら堀切港から見える沖島が見えなくなることも。初めてその状況になったとき「こんなにも見えないものか!」と驚きました。そんなときはレーダーが頼りです。日ごろから船長が「天気のいい日でもレーダーを見ておきなさい。そうじゃないといざというとき見ても何もわからないですよ。」と教えてくれていたことが身に沁みました。 着岸時には風で桟橋から離されてロープが取れず、やり直すこともしばしば… 琵琶湖は穏やかなイメージがありましたが、「え?こんなに波するの?」とびっくりする日も多々あり、完全にイメージが覆りました。船長や島の漁師さんから波の受け方や走り方を教えてもらいましたが、なかなか会得するには難しく、「琵琶湖よ穏やかであれ!」と願ってしまいます。
ただ、運転席から見える景色は特別です。湖面にかかる虹、夕日で染まっていく空、モヤにかかった幻想的な風景など、目の前に広がる景色のキレイさに驚かされます。
片道約10分ですが、人の命を乗せているという責任を持って日々励んでいます。最終便から帰ってくると、いつも「今日も無事に終われてよかった」と胸をなでおろしています。これからも経験を積み重ねながら、安全に安心して利用できるように頑張っていきます。
島ぐらし
家の前で長年の夢だった畑を借りました。島の女性は野菜を育てるプロです。季節に合わせてさまざまな野菜を育てています。みなさん漁から帰ってきたら畑作業をしています。なんてパワフル! どうすればいいか何もわからない私に、土づくりから畝の立て方、肥料や水やりのタイミング、収穫時期まで、それはもうすべて教えてもらいながら野菜を育てています。私よりも野菜の成長を気にかけてくれていると言っても過言ではないくらいです。
それだけではなく、とれたての野菜や魚、おかずのおすそ分けをいただくこともあります。「ゆりちゃーん、いる?」と玄関先から声をかけてもらったり、道ですれ違ったときにもいただいたりと、以前の暮らしでは経験したことのないような出来事が、日常になりました。
食材や日用品のお買い物は週に1~2回ほど島外へ出ます。買い忘れがないよう、メモをとることが習慣化しました。 燃えるゴミは週1回、燃えないゴミや段ボール、ペットボトル、ビン・カンなどは月1回、船に積み込み、対岸まで運びます。琵琶湖の水位が下がるとその分持ち上げないといけないのでかなりの力仕事です。70~80歳の島民の方が行っており、私もゴミ出しに参加して身をもって知りましたが、本当に大変な作業です。しかし、鉄クズの売却は自治会の貴重な収入となっているそうです。
島では人と人との距離が近く、困ったときには自然と誰かが気にかけてくれます。便利さでは街にかなわない部分もありますが、その分、人とのつながりや温かさや安心感が、私にはとても心地よいです。当たり前のように交わされる声掛けや助け合いに、日々感謝です。
きっとこれからも初めましてな出来事がたくさんあるはず。島での暮らしは自然の厳しさ・美しさ、人の温かさ…便利さだけでは測れないことだらけ。 それが日常的に感じれるありがたさを大切にして、これからも沖島で過ごしていきたいと思います。
このプロジェクトの地域
近江八幡市
人口 7.87万人
近江八幡市が紹介する近江八幡市ってこんなところ!
本市は、湖上の交通路と陸上交通路の要衝地として発展し、各時代の重層的で多様な歴史文化が現在のまちの趣や品格を形成しています。 戦国時代に楽市楽座令が布かれた地域として、古くから商人の往来があり、本市は、外から多くの人々を受け入れてきた長い歴史と、各地からの物資や情報が集積する地としての性格を有しています。また、本市は、外から人・物・情報を受け入れるだけではなく、江戸時代から他国で商いを行う(行商、出店)、旅行者としての長い歴史も有しています。 本市には、琵琶湖の豊かな水及び土壌のもとで長年受け継がれてきた伝統野菜や湖魚を使った伝統的な郷土料理、市内各地で様々に発展してきた集落の生活文化、火祭りをはじめとした特色ある祭礼及び年中行事、内湖、湖上交通等に支えられたヨシ製品などの産業・生業が、暮らしの中に脈々と息づいています。 また、八幡商人の倫理及び道徳をはじめ、ウィリアム・メレル・ヴォ-リズの活動にも見られる「社会貢献」の精神風土が現在も大切に受け継がれています。
このプロジェクトの作成者
近江八幡市といえば、多くの映画ロケ地にもなる「八幡堀」、織田信長の居城であった「安土城址」、風情ある西の湖の水郷景観に、琵琶湖唯一の有人島である「沖島」など、歴史と文化、そして自然が調和したとても風光明媚なまちです。 ですが、近江八幡の本当の魅力はそこで暮らす、関わる「人」にあります。「三方よし」で知られる八幡商人(近江商人)や、名誉市民第1号でもあるウィリアム・メレル・ヴォーリズの社会貢献の精神は脈々と受け継がれ、今なお市民活動がとても盛んな地域です。 とても熱意のある、とてもおもしろい人たちがこのまちにはいます。そんな人たちと一緒になってまちを盛り上げる仲間に加わってもらえませんか!?