無人島へ渡り、罠を仕掛け、川に浸かり……世界遺産の自然を守る、20代職員の小笠原ライフ
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2026/09/11「興味ある」が押されました!
2026/09/11東京から南へ約1,000km。船で24時間かけてたどり着く小笠原諸島は、一度も大陸と陸続きになったことがなく、独自の進化を遂げた生きものが数多く暮らす島です。2011年には、その固有の生態系などが評価され、世界自然遺産に登録されました。
そんな小笠原の自然を守るため、這いつくばって外来種のカタツムリを探したり、無人島へ渡ってネズミ駆除の罠を仕掛けたり、草を刈ったり、ときには腰まで川に浸かったり――。
これらを仕事として行っているのが、小笠原村役場・環境課で働く半田文さんです。
学生時代にダイビングで小笠原諸島を訪れ、海の美しさと人のあたたかさに魅了されたという半田さん。
その後、進学した大学院で「世界遺産学」を学び、研究と小笠原村役場でのインターンを経て父島に移住しました。現在は村役場の環境課で、小笠原の貴重な自然環境を守る仕事をしています。
「小笠原の自然と暮らしを守る力になりたい」と語る半田さんに、この島で働くことを選んだ理由から、自然を守る現場の泥臭い日常、島での暮らしや人との距離感、小笠原に来て変わった自身の考え方まで。憧れていた小笠原で自然を守る仕事に就いた今、何を感じながら島で暮らしているのかを聞きました。
▼半田さんが登壇するオンラインイベント(9/15)の詳細はこちら! https://smout.jp/plans/31182
泥まみれになりながら、固有種と生きる。自然を守る現場のリアル
私と小笠原との出会いは、大学2年生のとき。ダイビングサークルで初めて父島を訪れたのがきっかけです。
海の美しさや夜空の星のきらめき、何より人のあたたかさに魅了され、「この島に貢献できる生き方をしたい」と、大学時代にはもう小笠原への移住を決意していました。
小笠原の自然を守る仕事に携わりたいという思いから、大学院では「世界遺産学」というめずらしい分野を専攻し、なぜ自然や文化を守るべきなのか、地域の人々がどう関わっていくべきなのかを学びました。
大学院1年目の夏には役場の環境課でインターンシップとして業務を体験させてもらいました。2年目には役場に入庁し、社会人1年目の仕事をしながら修士論文を書き上げ、無事に卒業。小笠原で働くという夢が叶ったときは、本当にうれしかったです。
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今私が所属している環境課には、「生活環境係」と「自然環境係」があります。入庁して最初の3年間は生活環境係で、ごみやリサイクル、シロアリ対策などを担当し、4年目の今年から自然環境係へ異動しました。
現在は、外来種対策や村民と協力した固有樹種の森づくりを行うなど、小笠原固有の生態系を守る仕事を担当しています。
役場の仕事というとデスクワークをイメージする方もいらっしゃると思いますが、意外と外に出て動くことが多いんです。
ネズミ駆除のトラップを仕掛けに行ったり草刈りをしたり、外来種駆除のために無人島(弟島や聟島など)へ渡ることも。ときには道すらないような険しい崖を登らなければいけないんです。
私はもともと登山経験があまりなかったので、ネットで「疲れない歩き方」を調べたんですが……「途中で適度に休みましょう」なんて書いてあって、「いやいや、こんな崖の途中で休めるわけないでしょ!」って心の中で突っ込みました(笑)「小笠原に来る前に、ちゃんと登山を経験しておけばよかった……」とよく思います。
体力的にハードなこともありますが、その分だけ胸が熱くなるような感動もあります。
先日の台風のあと、川に倒木が詰まってしまい、そこに生息する固有種のカニ「オガサワラベニシオマネキ」のすみかが危うくなる出来事があって。みんなで川に入り、腰までヘドロや葉っぱに浸かりながら、必死に木を切り出して川の流れを戻したんです。
作業が終わってドロドロの状態で引き上げようとしたとき、ふと川に目をやると、たくさんのベニシオマネキが一斉に穴から顔を出して「ありがとう」と見送ってくれているようだったんです。その光景を見て「この仕事をしていてよかった」と心からの達成感と喜びを感じました。
ちなみに仕事のあとは、海沿いの遊歩道を散歩したり、友達と飲みに行ったりして過ごしています。残業はほとんどないので、特に予定がない日は22時頃に寝るというかなり健康的な生活をしています(笑)
休みの日は、好きなラーメン屋に行ったり、カフェでテイクアウトしたコーヒーを浜辺で飲んだり、山に遊びに行ったり夕日を見たり。だいたいのんびり過ごしていますね。
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旅行やインターンで何度も訪れていた小笠原ですが、実際に「住む」となるとまた違った景色が見えてきます。
少し大変だなと感じるギャップは、やはり物流と自然環境です。たとえば生鮮食品が入荷するタイミングは船のスケジュールに左右されるので、欲しいものが欲しいときにすぐ手に入らないストレスは、最初のころ少し感じました。
それから、台風をはじめとする自然災害の規模も内地とは比べものになりません。直撃すると本当に災害級の暴風雨になるので、その厳しさを身をもって実感しました。
「私はこう思う」と言えるように。島で見つけた自分らしい生き方
でも、先に述べた大変さを遥かに上回る魅力がここにはあります。
まず、11月中旬くらいまで半袖で過ごせる温暖な気候。寒さがないだけで、精神的にすごく穏やかでいられます。そして何より、目と鼻の先に海があること。仕事で悩んだり疲れたりしたときも、海の近くにたたずんでいるだけで心が浄化されていく感覚があります。
都会に住んでいた頃は、何でも自由に選べることが当たり前でした。でも小笠原に来て半年ほど経つと、選択肢が適度に絞られている不便さのほうが、かえって心地よく感じるようになったんです。選択肢がありすぎると、逆に疲れてしまいますから。不便だからこそ、今あるものや目の前の時間を大切にできるようになったと感じます。
移住する前は「濃密すぎる人間関係の中でやっていけるかな」という不安もありましたが、人との距離感は自分次第で調節することができます。
深く付き合いたいと思えばいくらでも親密になれますし、程よい距離感を保ちたいと思っていれば、みんなそれを尊重してくれます。「どんなに気が合う相手でも会う頻度を増やしすぎない」とか、自分の中での線引きのルールを決めておくといいんじゃないかな。
踏み込みすぎず、でも困ったときは支え合う。そのバランスさえ掴めれば、きっと快適に過ごせるはずです。
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小笠原に来て私自身が一番変わったのは「自分の考えを物怖じせずに言えるようになったこと」です。
都会で大勢の一人として埋もれていた頃は、周りに意見を委ねたり、人の目を気にして疲れてしまうことがありました。でも人間関係の距離が近く人口が少ない小笠原では、嫌でも一人ひとりの「個」が際立ちます。
自分自身にフォーカスが当たる機会が増えたことで良い意味で度胸がつき、「私はこう思う」と意思表示ができるようになりました。自分らしく生きられている感覚があり、私にとっては人生観が変わるほどの変化でした。
ちなみに、小笠原に来る人は本当に個性的でおもしろい人ばかり。中には恋愛で大失敗をして「とにかく遠くに行きたい!」と衝動的にやってくる若者もいたりして(笑)。みんな何かしらのドラマを持ってこの島にたどり着いています。
でも、小笠原で働くことや暮らすことに興味を持っている方に伝えたいのは「島へ行くこと」を過剰に重く捉えすぎないでほしい、ということ。
「人生をかけた大冒険」みたいに気負う必要はまったくありません。「ちょっと楽しそうだから行ってみようかな」くらいの、軽やかな気持ちで十分です。
ときどき「島暮らしはコミュニケーション能力が高くて明るい”陽キャ”じゃないと馴染めないのでは?」と言われるのですが、全然そんなことはありません。受け身になりすぎず「何事も前向きに取り組む姿勢」と「自分という人間を少しだけ開示してみる素直さ」があれば、きっとこの島でやっていけると思います。
小笠原に来て4年目。今後は与えられた仕事だけでなく、自身で企画を立て、地域の人たちや関係機関を巻き込みながらプロジェクトを動かしていける存在になりたいです。それから、実は「小笠原の村長になる!」という野望も持っています(笑)
島を離れていく人たちも何人も見てきましたが、私はこれからも島に根を張り、小笠原の自然と暮らしを守る力になりたい。学生時代から変わらない「この島に恩返しがしたい」という気持ちで、現場を走り続けていきたいです。
募集要項
※募集者 / 主催者に連絡を取りたい場合、まずは「応募したい」ボタンを押してメッセージを送ってください。
(環境課)
◾️島の生活環境を守る ・ゴミ回収、リサイクル ・シロアリ対策 など
◾️島の自然環境を守る ・ペットの正しい飼い方の推進 ・外来種対策 ・地球温暖化対策の推進 ・世界遺産登録15周年にまつわる活動(島民向けの視察会、講演会、広報活動など)
特になし
※採用試験の際、受験資格として年齢制限と地方公務員法で定められた条件があります
◾️大卒初任給:月給232,000円〜
《モデル年収》 ・大卒入社3年目/25歳:年収474万円 ・大卒入社8年目/30歳:年収496万円 ※残業代含まず
正職員 勤務時間 8:00〜17:15(うち休憩1.5時間)
(1日のスケジュールの例) 8:00 出勤 書類作成、外での作業、関連業者とのやりとり 12:00 家に帰って昼食、昼寝 13:30 役場に戻り、仕事の続き 17:15 退勤 退勤後は友達と飲みに行くことも
◎昼休みは1.5時間と長く、一度帰宅して昼食を取るのが島のスタンダードです ◎まとまった休暇を取りやすく、年に一度、2〜3週間の休暇を取る職員も多くいます
住所
連絡先
【宿泊費無料】5泊6日 小笠原暮らし・仕事体験ツアーを11月に開催します!
小笠原で働く人や暮らす人と出会い、島での仕事や暮らしを具体的にイメージするための少人数・選考制のツアーです。
ぜひ、半田さんや島の方に会いにいきませんか? 詳細はこちら→https://smout.jp/plans/30483
9月15日(火)にはオンラインイベントも開催! 詳細はこちらの記事へ→https://smout.jp/plans/31182
移住体験ツアー、オンラインイベントに参加ご希望の方は「応募したい」ボタンを押してください。
小笠原村役場 総務課 / Bricoleuse合同会社
このプロジェクトの地域
小笠原村
人口 0.28万人
小笠原移住定住窓口が紹介する小笠原村ってこんなところ!
東京から南へ約1,000km。小笠原諸島は、東京都に属しながら空港がなく、東京・竹芝桟橋から定期船で約24時間かけてたどり着く島です。
父島約2,000人、母島約400人が暮らし、行政や観光、農業、漁業、医療、教育など、多様な仕事が島の暮らしを支えています。2011年には世界自然遺産に登録され、一度も大陸と陸続きになったことのない「海洋島」ならではの豊かな自然が残されています。
小笠原での暮らしは、都会のような便利さがあるわけではありません。船の運航に合わせて買い物をしたり、人との助け合いの中で生活したりと、島ならではの工夫があります。その一方で、休日には海へ出かけたり、夕日を眺めたり、満天の星空を見上げたりと、自然がすぐそばにある暮らしを日常として楽しむことができます。
また、小笠原にはさまざまな地域や国にルーツを持つ人々が暮らしてきた歴史があり、現在も本土からの移住者や転勤者など、多様な人が地域を支えています。外から来た人を受け入れる風土が根づいていることも、この島の大きな魅力の一つです。
このページでは、小笠原で暮らし、働く人たちのストーリーや仕事、島での日常を通して、「暮らす場所」としての小笠原の魅力をお届けしていきます。
このプロジェクトの作成者
小笠原村の移住・定住窓口です。 小笠原村は、東京から南へ約1,000kmの太平洋上に位置し、現在は父島に約2,000人、母島に約500人が暮らしています。
一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島で、独自の生態系と多くの固有種・希少種が育まれてきました。その豊かな自然が評価され、2011年には世界自然遺産に登録されています。
ボニンブルーと呼ばれる海にはイルカやクジラが暮らし、年間を通して比較的温暖な気候も特徴です。
また、さまざまなルーツを持つ人々がともに暮らしてきた歴史があり、現在も本土から移り住んだ人が多く暮らしています。