「とりあえず1年」でもいい。新卒で島へ飛び込んだ24歳、小笠原の日常
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2026/09/04「興味ある」が押されました!
2026/09/04「人生で一度くらい、島で暮らしてみたい」
そう思っても、東京から船で24時間、しかも定期船は週1便という小笠原への移住。「どんな仕事があるのか」「どんな人たちが暮らしているのか」といったリアルな生活を想像することも難しく、ハードルがあることも確かです。
今回登場する谷口璃青さんは、小笠原を一度も訪れたことがないまま、新卒で父島へ移住した一人です。現在は父島に暮らし、村役場の建設水道課で島のインフラを支える仕事をしています。
島暮らしに強い憧れがあったわけではありません。「人生で一度くらい、思い切ったことをしてみたい」。そんな気持ちで飛び込んだのが小笠原でした。
東京都・豊洲という都会に生まれ、「親の期待に答える堅実な選択ばかりしてきた」という谷口さんが、思い切って移住を決めたきっかけとは?
仕事の話はもちろん、買い物のこと、友達づくり、休日の過ごし方、そして「島に来て自分自身がどう変わったか」まで、父島での生活のリアルを聞きました。
「離島で働く」とはどのようなことか、その空気が少しでも伝わればうれしいです。
「人生で一度くらい、思い切ってみたい」で決めた小笠原行き
これまでを振り返ると、教育熱心な親の期待に応えようと「親が喜びそう」な堅実な選択をしてきた人生だったと思います。
そんな僕が小笠原村に移住を決めたのは、「人生で一度くらい、思い切ったことをやってみてもいいんじゃないか」と思ったから。
地方公務員として働く希望はもともとあり、「都会を離れて自然が多いところで暮らしてみたい」と考えていました。群馬や滋賀などさまざまな自治体にエントリーし、その中で最初に合格通知をくれたのが小笠原村でした。
小笠原といえば、世界自然遺産であり、いわゆる「秘境」と呼ばれるような場所です。そんな場所で働くなんて、人生でそう経験できることではありません。「これは恵まれた機会かもしれない」と感じました。これまで慎重な生き方をしてましたが、この時ばかりは少しの勢いと思い切りで、小笠原へ行くことを決めました。
でも、出発が近づくにつれて「本当に大丈夫かな……」と不安がこみ上げてきたのも事実です。地図で見ると途方もなく遠い太平洋の孤島ですし、それまでに一度も小笠原に行ったことがありませんでしたから。
その不安を和らげてくれたのが、着任までの間に得られたリアルな情報でした。役場の方とメールで定期的に連絡を取り合ったり、お台場で開催されていた島嶼部のイベントに足を運び、小笠原で暮らす役場職員の方に話を聞いたりして、漠然とした「不便さ」に対する不安はかなり解消されました。そして令和6年の2月、晴れて小笠原村の住民になりました。
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島で暮らしはじめてからも、まず安心感を覚えたのは、人とのつながりのあたたかさでした。
父島には「タメ会」と呼ばれる同世代の集まりがあり、数ヶ月に一度のペースで開催されています。移住者も小笠原出身者も混じり合い、漁師、建設業、海上保安庁、東京都や国の職員……と参加者のバックグラウンドが本当に多彩でおもしろいんです。
狭いコミュニティだからこそ、新しい人が島に来ると「最近、同い年の子が来たらしいよ」と噂が広がり、顔が広い誰かが声をかけて歓迎会を開くんです。このネットワークのおかげで、知り合いや友達がどんどん増えていきました。
もちろん、島に来て戸惑ったこともあります。最初に予想とのギャップを感じたのは、実は「思ったよりも寒かったこと」。長袖があれば十分だろうと踏んでいましたが、2月の小笠原はコートが欲しくなるくらい冷え込みます。「南国なのに暖房を入れる日があるんだ!」というのは意外でした。
買い物や食料確保に関しても、島ならではの洗礼を受けました。小笠原には定期船「おがさわら丸」が週に1便しか来ません。「船がついた日かその翌日までに買い物をしないと食材がなくなるよ」と聞いてはいたのですが、最初の頃はうっかり買い忘れをしてしまい、家に食べものがなくなるというピンチを経験しました。(自動販売機のカロリーメイトで空腹をしのいだ日も……)
一方で「思った以上に暮らしやすい!」と感じた部分もたくさんあります。その筆頭が、外食環境の充実度と街のコンパクトさです。
観光地ということもあって、居酒屋や定食屋などの飲食店が想像以上にしっかり揃っています。仕事はだいたい定時(17時15分)に終わるので、終業後に友達と飲みに行き、二軒目に深夜まで開いているバーへ足を伸ばしたりも。カメ煮やカメ刺しなど、島グルメを食べるのも楽しいです。
さらに、父島は中心部に飲食店やスーパーなどがキュッと集まっていて、生活に必要な場所のほとんどが徒歩5分から10分圏内。自転車や原付が1台あれば、日常の移動は問題ないです。
「こんなことまで?」意外な仕事内容と、島で見つけた新しい自分
役場の仕事についても、少しお話しさせてください。
今は小笠原村役場の建設水道課で主に水道を担当していて、上下水道施設の維持管理や、水道管・下水管といったインフラ整備の設計・監督業務を行っています。
水道という命に直結するインフラを扱っているため、島の生活に直接関わっている実感を持てることは多いです。
最近台風が直撃したときは、機械設備の被害を食い止めるために浄水場に泊まり込んで、徹夜で対応にあたりました。今も天気予報で台風のニュースを見ると「こっちに来ないでくれ〜」とドキドキします(笑)
また、早朝4時に「水が漏れている」と連絡が入って現場へ急行したことも。道が整備されていない山をロッククライミングのように登って設備確認をしたこともあり、そのときは「仕事でこんなこともやるんだなあ」とびっくりしました。島での印象深い仕事のひとつです。
大変なこともありますが、古くなった水道管を取り替える工事が無事に終わったり、漏水を止めて住民の方から「ありがとう」と感謝されたりしたときは、自分も少しは島の人たちの役に立てているのかな、と感じられます。
役場に入るまで、水道に関する知識や経験はゼロでした。それでも、現場では経験豊富な上司がサポートしてくれますし、過去の膨大な資料や手順を参考にしながら少しずつできることも増えていきました。今では一通りの仕事の流れが掴め、一人で任せてもらえる部分も出てきて成長を実感しています。
緊急対応で島の業者の方に手伝っていただくことも多いので、いざというときに協力してもらえるようにしっかり関係を築いていっているつもりです。
ちなみに、小笠原ならではの仕事の難しさといえば「資材のタイムラグ」。本土の業者に注文した工事資材や書類の発送は、船の運航スケジュールに左右されるため、手元に届くまでに早くて1週間から1週間半ほどかかります。発注ミスをすれば工事がその間完全にストップしてしまうため、常に先を見越したスケジュール管理と、万が一の際の応急処置や柔軟な対応力が身についたと思います。
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島での暮らしを経験して、自分の中で変わったなと思うことは「行動力」でしょうか。
豊洲にいた頃は、交通の便もよく周囲になんでも揃っていたがゆえに、何事も「いつでもできるしな」「そのうち行けばいいか」と考えてしまい、行動を起こさないことが多かったんです。
でも小笠原に移り住んだことで、感覚が一変しました。24時間の船旅に比べたら、本土での移動距離なんてどこも「すぐ近く」に感じられるようになったんです。この前、休暇で内地に帰ったときは、大阪に住む友人に「今日ひま?」と連絡し、そのまま車を走らせて名古屋で別の友人を拾い、大阪まで遊びに行ってしまいました。昔の自分なら絶対にあり得なかったことです。
もし今、「島で暮らしてみたい」と思いながらも一歩踏み出すのをためらっている方がいるなら、「まずは勢いで一回来てみたらいいんじゃないかな」と伝えたいです。
今の時代、一度決めた場所に一生縛られる必要はありません。「とりあえず3年」「期間を決めて1年」といった気持ちでも全然いいと思うんです。飛び込んでしまえば意外となんとかなりますし、何事も「まあいっか」と大らかに受け流せる柔軟性があれば、島での生活や仕事は十分に楽しめます。
僕自身も、勢いで小笠原へ飛び込んだことで、見たことのない景色に出会い、仲間と出会い、フットワークの軽い新しい自分を見つけることができました。
人生で一度くらい、「島で暮らす」という特別な経験をしてみるのも悪くないですよ。
募集要項
※募集者 / 主催者に連絡を取りたい場合、まずは「応募したい」ボタンを押してメッセージを送ってください。
(建設水道課) ◼️ 島の「水」を守る ダムや浄水場の維持管理、水道管・下水管の管理・修繕など、島の生活に欠かせない水道・下水道を支えます。
◼️ 道路や公共交通など、島のインフラを整える 島内の道路や橋など、日々の生活や交通を支える公共施設の改修・維持管理に携わります。
◼️ 工事の設計・発注・現場監督 必要な工事を計画して業者へ発注し、現場にも足を運びます。工事が計画通り安全に進んでいるかを確認するのも仕事です。
◼️ 台風や災害時に安全を守る 台風通過後にはインフラを点検し、倒木や道路被害などが発生した場合には復旧対応にあたります。
特になし
※採用試験の際、受験資格として年齢制限と地方公務員法で定められた条件があります
◾️大卒初任給:月給232,000円〜
《モデル年収》 ・大卒入社3年目/25歳:年収474万円 ・大卒入社8年目/30歳:年収496万円 ※残業代含まず
正職員 勤務時間 8:00〜17:15(うち休憩1.5時間)
(1日のスケジュールの例) 8:00 出勤 浄水場へ行く、書類作成、工事関連のやりとり 12:00 家に帰って昼食、昼寝 13:30 役場に戻り、仕事の続き 17:15 退勤 退勤後は友達と飲みに行くことも
◎昼休みは1.5時間と長く、一度帰宅して昼食を取るのが島のスタンダードです ◎まとまった休暇を取りやすく、年に一度、2〜3週間の休暇を取る職員も多くいます
住所
連絡先
【宿泊費無料】5泊6日 小笠原暮らし・仕事体験ツアーを11月に開催します!
小笠原で働く人や暮らす人と出会い、島での仕事や暮らしを具体的にイメージするための少人数・選考制のツアーです。
ぜひ、谷口さんや島の方に会いにいきませんか? 詳細はこちら→https://smout.jp/plans/30483
9月15日(火)にはオンラインイベントも開催! 詳細はこちらの募集要項で→https://smout.jp/plans/30742
移住体験ツアー、オンラインイベントに参加ご希望の方は「応募したい」ボタンを押してください。
小笠原村役場 総務課 / Bricoleuse合同会社
このプロジェクトの地域
小笠原村
人口 0.28万人
小笠原移住定住窓口が紹介する小笠原村ってこんなところ!
東京から南へ約1,000km。小笠原諸島は、東京都に属しながら空港がなく、東京・竹芝桟橋から定期船で約24時間かけてたどり着く島です。
父島約2,000人、母島約400人が暮らし、行政や観光、農業、漁業、医療、教育など、多様な仕事が島の暮らしを支えています。2011年には世界自然遺産に登録され、一度も大陸と陸続きになったことのない「海洋島」ならではの豊かな自然が残されています。
小笠原での暮らしは、都会のような便利さがあるわけではありません。船の運航に合わせて買い物をしたり、人との助け合いの中で生活したりと、島ならではの工夫があります。その一方で、休日には海へ出かけたり、夕日を眺めたり、満天の星空を見上げたりと、自然がすぐそばにある暮らしを日常として楽しむことができます。
また、小笠原にはさまざまな地域や国にルーツを持つ人々が暮らしてきた歴史があり、現在も本土からの移住者や転勤者など、多様な人が地域を支えています。外から来た人を受け入れる風土が根づいていることも、この島の大きな魅力の一つです。
このページでは、小笠原で暮らし、働く人たちのストーリーや仕事、島での日常を通して、「暮らす場所」としての小笠原の魅力をお届けしていきます。
このプロジェクトの作成者
小笠原村の移住・定住窓口です。 小笠原村は、東京から南へ約1,000kmの太平洋上に位置し、現在は父島に約2,000人、母島に約500人が暮らしています。
一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島で、独自の生態系と多くの固有種・希少種が育まれてきました。その豊かな自然が評価され、2011年には世界自然遺産に登録されています。
ボニンブルーと呼ばれる海にはイルカやクジラが暮らし、年間を通して比較的温暖な気候も特徴です。
また、さまざまなルーツを持つ人々がともに暮らしてきた歴史があり、現在も本土から移り住んだ人が多く暮らしています。