【絵画で描く地域の魅力】地域おこし協力隊インタビュー Vol.5 小泉範剛さん(大野地区)

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2025/12/01

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2025/11/13

歴史と伝統、そして文化が息づく北陸最大の都市、石川県金沢市。 そんな金沢市で、現在7人の地域おこし協力隊が、それぞれ想いを胸に活動しています。 彼らの活動内容や喜び、苦労などを、隊員本人たちにざっくばらんに聞いていく連続企画「私が地域おこし協力隊になった理由」。

第5回は、2024年9月から、醤油のまちとして知られる「大野地区」でアニメーションデザイナーの夢を叶えるために頑張る小泉範剛さんへのインタビューです。

「絵」でつむぐ、大野町の豊かな表情

-小泉さんはどちらの出身ですか?

私は生まれも育ちも北海道札幌市で、高校卒業までは札幌に住んでいました。高校卒業後、アニメーションの仕事を目指して金沢に一度移り住みました。その後、事情があって実家のある札幌に戻ったのですが、今回の地域おこし協力隊の募集を機に再び金沢に戻りました。

―地域おこし協力隊に興味を持ったきっかけについて教えてください。

高校生の頃から「人々に気づきを与えられるようなアニメーション映画のデザイナーになる」という夢を持っていて、高校卒業後は独学で技術を磨いてきました。その夢を実現するため、絵の力を活かして地域に貢献できる場所を探していたところ、地域おこし協力隊という制度に出会いました。

-多くの自治体がある中で、どうして金沢を選ばれたのですか?

活動する場所を選ぶにあたっては、自分の専門である絵を活かせる場所かどうかを大切に考えていました。大野町は、古くからからくり細工の伝統があることもあってか、芸術的な活動が盛んな場所です。有名な漫画家の出身地だったり、近年では積極的にアートを取り入れたイベントなども開催されていたりと、芸術に対して温かい街だと感じました。さらに、同じ市内にアニメーションスタジオである「トンコハウス」があることも魅力的でした。これらの魅力が詰まった大野町で、地域おこし協力隊として活動してみようと思い、この地を選びました。

ー協力隊としての現在の活動内容を教えてください。

「絵で表現する大野町の豊かな表情」という企画を進めています。大野町は、季節や天気、時間帯によって、全く違う表情を見せてくれます。その変化を絵で表現し、地域の様々な場所に飾る企画です。この企画には2つの目的があります。1つは、地元の方々に、普段見慣れた風景の中の隠れた魅力を再発見していただくこと。もう1つは、観光客の方々に、絵を通して大野町を巡りたくなるような魅力を発信することです。 将来的には絵を地域の様々なお店に飾っていただき、絵を起点に色んな方が大野町を回遊するようになればいいなと思っています。

-活動の中でやりがいを感じることはありますか?

現在、地域のコミュニティスペースで完成した4枚の絵を展示しているのですが、その絵を見た方から「大野町を巡りたくなった」という声をいただきます。自分の活動が大野町への関心を高めている実感を得られ、やりがいを感じますね。

-大変だったことはありますか?

他の仕事やイベントとバランスを取りながら、2ヶ月に1枚のペースで作品づくりに取り組むのは、正直大変な面もあります。でも、自分のペースで絵を描いていく過程は、とても楽しく、やりがいを感じています。あと、任期が終わった後にどうするかは、常に考えているところです。まずは今の活動を通じて絵の技術を磨き、色々な可能性を探りながら、将来は金沢に定住できるような道を見つけていきたいと思っています。

「絵で表現する大野町の豊かな表情」 大野町からみた金沢港(冬の朝)
「絵で表現する大野町の豊かな表情」 大野町からみた金沢港(冬の朝)
同じ場所を描いた絵。季節・時間によって大野町は全く違う表情を見せる。
同じ場所を描いた絵。季節・時間によって大野町は全く違う表情を見せる。

醤油の香りがする町で

-人間関係はどうですか?

大野の人たちは本当に温かくて、すごく心強いです。何か困ったことがあれば、すぐに相談に乗ってくれるし、私が「こんなことをやってみたい」と話すたびに温かくアドバイスをいただいてます。特に受け入れ団体である大野町商工振興会の松下さんには、引っ越しのお手伝いから日常生活のサポートまでしていただき、本当に感謝しています。制作活動に集中できるのも、大野の人たちとの良好な関係のおかげだと感じています。

-小泉さんが感じる大野町の魅力を教えてください。

大野町に初めて来た時、最初に感じたのが、醤油のいい香りだったんですよね。大野町が醤油で有名なのは金沢のガイドマップなら必ず載っていますし、有名だと思うんですが、匂いが第一印象になる町はなかなかないと思うので、大野町の唯一無二の魅力だと思います。 もう一つは、美しい風景と街並みです。大野町は昔ながらのまちなみが残っているので、自分が生まれた北海道にはない魅力を感じています。天気や季節によって違った表情を見せてくれるので、何度歩いても新しい発見ができて楽しいですね。 今進めている「絵で表現する大野町の豊かな表情」も、そういった大野町の魅力を皆さんに知ってもらいたい、という気持ちから始まっています。

-今後の目標や、協力隊として取り組んでいきたいことはありますか? 今の活動を通じて絵の技術を磨いていき、将来的には金沢にあるトンコハウスで働き、この町で暮らしたいと思っています。 最終的には、多くの人に感動を与えられるようなアニメーション映画を作ることが私の目標です。

-最後に、地域おこし協力隊を検討している人たちへ、メッセージをお願いします。

「自分のやりたいことを明確にすること」と「事前にしっかりと情報収集をすること」が大切だと思います。私の場合は、移住前に実際に町を訪れ、地域の方や行政の方とお話しすることで、その場所への理解が深まりました。地域おこし協力隊は簡単な道ではありませんが、自分自身の成長に繋がる貴重な経験になるはずです。もし、金沢市で協力隊になることがあれば、一緒に地域を盛り上げていけたらうれしいですね。

このプロジェクトの地域

石川県

金沢市

人口 46.53万人

金沢市地域力再生課が紹介する金沢市ってこんなところ!

金沢市は石川県の中心部にある人口約46万人の「歴史と文化のまち」です。 金沢城や兼六園などの歴史的な名所から、現代アートのメッカである21世紀美術館まで、多彩な観光スポットが点在しています。 加賀百万石の城下町として栄えた時代から今日まで、400年以上にわたって戦争や大災害を免れたため古くからの建物が多く残り、江戸から令和までの建物が1つのまちに立ち並んでいる風景は金沢の大きな特徴です。 また、金箔工芸や加賀友禅などに代表される多様な伝統工芸・文化は行政だけでなく、企業・地域コミュニティなど様々な組織・人々によって歴史を超えて守り伝えられており、そのような人々こそが金沢の最大の魅力だと思います。

このプロジェクトの作成者

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【中の人】 金沢生まれ、金沢育ちの30代男性。 首都圏の大学を卒業後、地元に戻り市役所に入庁しはや十余年。 妻とともに3人の子育てに奮闘中。 趣味はハンドボールと居酒屋巡り。

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