粟国島で島人生活体験と農業ボランティアに参加して

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2025/10/05

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2025/09/29

“ナビィの恋”という沖縄を舞台にした映画を観たことがありますか。 東京から沖縄の小さな離島に里帰りした主人公と、祖母であるナビィおばあと島の人たちが繰り広げる映画です。その映画の舞台となったのが、粟国島。 那覇市泊港から沖合に60㎞、フェリーに2時間揺られると小さな島が見えてきます。 今回は、そんな粟国島で「粟国島のんびり島じかんと農作業ボランティアを体験する旅」というツアーがあると聞き、取材に行ってきました。

~1日目~島の案内人は地域おこし協力隊

「今回のツアーで、農業という日常の営みや、ハーリーという地域行事などを通して、島の生活を体験してもらい、粟国島ファンになってもらえたら嬉しいです」 そう話すのは、今回の企画の立役者である粟国島移住2年目の佐々木克佳さん。粟国村で地域おこし協力隊として観光協会の事務局長を務め、島の発展に尽力しています。「僕のツアーは日程がぎっしりやから、疲れたら無理せず各自で休んでくださいね~」という言葉の通り、ツアーの名前にあるような「粟国のんびり島時間」とは裏腹に、緻密に日程が組まれていました。

~島の産業を見学~ 今回参加したのは大学生3名、社会人4名の7名。簡単な自己紹介を終えて、さっそく島の中を見学することに。車を走らすこと15分、人里離れた場所にコンクリートの建物が見えてきました。粟国の塩の工場です。1日3回11時、14時、16時であれば、ガイドの方が案内してくれるということで、塩の製造風景を見せてもらいました(予約制)。 海からくみ上げた海水が、天井から吊るされた竹の枝をつたって、途中で海風に当たり水分が抜けていくことで塩の濃度が高まり、その後火にかけて濃縮されていきます。現在、建物の建て替えを予定しているそうですが、離島ということで資材の到着遅れにより工期は後ろ倒しになっているとのことでした。工場の横に事務所があり、そこでお土産も買うことができます。その他にも、ヤヒジャ海岸、マハナ展望台、鍾乳洞等、島の見どころを案内してもらいました。

~農業体験①~ 島内の観光を終えた後、農作業をするため畑へ行くと、既に数名のハルサー(沖縄の言葉で農家の意)の姿が。ドラゴンフルーツの定植をするということで、幅を図りながら植え付けていきます。「深く差しすぎると根が腐るから、深く入れないでね」というアドバイスを聞きながら、軽く置くように植えていきます。見た目はサボテンのようですが、ここから1~2年かけてドラゴンフルーツの果実が収穫できるそうです。 続いて、土づくりのお手伝いをするということで、他の畑へ移動。広い畑の入り口に、薄茶色のサトウキビの搾りかすが積まれていました。この搾りかす”ハーガラー”と呼ばれるもので、サトウキビの葉が枯れて巻き付き、その葉を落としたものです。このハーガラーを畑に撒くと、畑の土壌環境の改善に大きく役立つそうです。日も落ち始めて、疲れを感じながらも皆で協力して畑をサトウキビで埋め尽くしていきます。今回案内してもらった畑は、化学肥料を使用せず、土に微生物が混ぜ合わされていました。微生物のお陰で土はフカフカに柔らかくなっていたのが印象的でした。定植したドラゴンフルーツと、サトウキビを散布した畑が今後どうなるのか、成長や変化が気になります。

~沖縄の離島で日本蕎麦を打つ~ 日中の予定が終わると、夜の食事の時間が近づいてきたので、観光協会の事務所へ出向くと、こね鉢と白い粉がテーブルの上に置かれていました。佐々木さんの「じゃあ、日本蕎麦を打ちます。各テーブルにある蕎麦粉と小麦粉を混ぜてください」という言葉と共に、各自佐々木さんの指導の元、そばを作っていきます。出来上がった手打ち蕎麦、らっきょと長命草の天ぷらを島の人と一緒に食べて、一日目のスケジュールは終了。思い思いに打たれて蕎麦は蕎麦の風味がほんのり感じられ、揚げたてのてんぷらと相性が抜群。筆者は、生まれて初めての蕎麦打ちの場所が、粟国島という貴重な機会になりました。

ドラゴンフルーツの定植
ドラゴンフルーツの定植
塩をかき混ぜながら煮込む作業
塩をかき混ぜながら煮込む作業

~2日目~土と海を感じる

~農業体験②~ 朝食を済ませると、島らっきょと、赤紫色のらっきょの植え付けのため、早速畑に出向きます。赤紫のらっきょは、前日に天ぷらで食べたものと同じ種類ということで、植える手にも力が入ります。照りつく朝日の元、自然の暑さを感じながら、作業に励みました。日頃から雨の日も風の日も畑で汗を流している農家の人を考えると、食べ物を大切にしないといけないという思いと、農家への畏敬の念が芽生えてきました。この日は午後からハーリーが予定されていたので、近くの浜で汗を流して、船を漕ぐために体力を温存しておくことに。

~ハーリー大会~ 午後は漁港に集まると、3隻の木製ボートが見えてきました。ハーリーとは、旧暦の5月に豊漁祈願や航海の安全を目的に行われる年中行事です。サバニと呼ばれる木製ボートに、漕ぎ手と操縦士が乗り込み、タイムを競い合います。粟国ハーリーは職域部門と、字対抗部門とがあり、今回は字対抗に参加させてもらうことになりました。ハーリーに向けて練習をしたチームもあったそうで、日頃の成果を発揮しながらタイムを刻んでいきます。観覧席からは子どもからお年寄りまで、島の人たちで賑わい、行事ならではの会場の一体感を味わうことができました。我々のチームは惜しくも上位に入ることはできませんでしたが、ほぼ全員が初めての船漕ぎという中でも好タイムでゴールまでたどり着くことができました。

ふかふかの土の上でポーズ!
ふかふかの土の上でポーズ!
ハーリーではチームごとにタイムを競い合う
ハーリーではチームごとにタイムを競い合う

~3日目~

~農業体験③~ 最終日、流石に連日の疲れもでてきてバテ気味な人もチラホラ。畑に着くと初日の作業と同様に、畑にハーガラーを撒いていきます。サトウキビの搾りかすといえばバガスが有名ですが、ハーガラーはバガスに比べると葉の部分は少なく茎の部分が多いのが特徴だそうです。島の方から譲ってもらったそうで、「このハーガラーは、沖縄本島ではお金を払ってでも欲しい人がいるよ」と農家さんは言っていました。ハーガラーを余すことなく敷き詰めて、土が分解することで土地の栄養となる。モノの巡回を大切にしている習慣が、これからの島の生活を支えてくれる一因になってくれることを願いながら、最終日の農作業が終わりました。

~島の活性化を下支えする地域おこし協力隊~ 粟国村には641人が暮らしていますが(2025年7月現在)、明治時代後期には約5000人の人が島に住んでいたそうです。しかし、戦後から人口が減り始め、1960年代には2000名程度になり、その後人口減少が加速していきました。島には中学校までしかないため、子どもたちは高校の進学を機に島を出ないといけません。そういったことも相まって、島民の数が減っていることは大きな地域課題となっています。

今回企画をしてくれた地域おこし協力隊として観光協会事務局長を務める佐々木さんは、「島に住む人は少なくても、“また粟国に来たい”と言ってくれる人を増やしていきたい。信頼関係を築ける人たちに島のファンになってもらい、その人がまた信頼できる人を紹介してくれる。そんな人の繋がりから生まれる人の輪の大切さに気が付きました。今回参加してくれている人は、ほぼみんなリピーターなんです。島の人は、“人を迎える心”を持っている優しい人たちが多いですからね。」と語ってくれました。 印象的だったのは、佐々木さんと島の中を移動していると、島民の方とすれ違う度に挨拶をしていたことでした。島での暮らしは1年足らずにも関わらず、多くの人と繋がりがあり、笑顔で話しかける社交的な佐々木さんの人柄に、島の人も信頼を寄せているのだと感じました。

また、漁港の近くに構える特産品直売店とび吉で食料品の提供と商品開発に取り組んでいる地域おこし協力隊の方が2人、役場の経済課で山羊を使った特産品開発に励んでいる協力隊が1人、そしてこの企画をしてくれた観光協会の佐々木さん、今粟国村には4名の地域おこし協力隊が活動をしています。島に暮らし、ひたむきに活動をする隊員の生活や想いについて、今後取材をしていきたいと思います。

取材日:2025年7月4日

ハガラーを畑に撒く様子
ハガラーを畑に撒く様子
参加者と島人と一緒に記念写真(写真中央下:佐々木氏)
参加者と島人と一緒に記念写真(写真中央下:佐々木氏)

このプロジェクトの地域

沖縄県

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人口 146.82万人

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エメラルドブルーの海に囲まれ、ゆったりとした時間が流れる沖縄。那覇の街歩きや国際通りのにぎわいもあれば、少し足を延ばすと集落の古民家や赤瓦屋根が残り、地域ごとの暮らしの営みが息づいています。島ごとに異なる伝統芸能や食文化が受け継がれ、祭りや行事を通して地域の人とのつながりを感じられるのも魅力です。観光地として知られる一方で、日常には市場での買い物や浜辺の散歩、庭先での交流など、温かな人との触れ合いが広がっています。都会の便利さと島ならではの自然、そして多様な文化が共存する沖縄は、暮らす人にとっても発見と喜びにあふれた場所です。

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