
宮古島=海? いいえ、馬です。
公開日:2025/10/01 06:43
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2025/11/10「興味ある」が押されました!
2025/11/01青く澄んだ“宮古ブルー”の海に囲まれた宮古島。那覇空港から約1時間、羽田空港から約3時間と飛行機の便も多く好アクセス。大小6つの島(宮古島、池間島、来間島、伊良部島、下地島、大神島)で構成されています。 人口の大部分は平良地区に集中しており、島全体がおおむね平坦で、低い台地状を呈し、山岳部は少なく、大きな河川もなく、生活用水等のほとんどを地下水で賄っています。 そして、この島で大切に受け継がれてきた存在が“宮古馬”。小柄でおだやかな在来馬は、島人の暮らしや文化と深くつながり、地域の象徴として息づいています。ただ海や自然の美しさに触れるだけでなく、こうした人と文化、そして動物が調和する宮古島と地域おこし協力隊の3年間を紹介をしたいと思います。
地域おこし協力隊・前田真由美さんの挑戦
「宮古に住む」と決めて移住を考えていたときに、たまたま協力隊の募集を見つけた—— そう話すのは、地域おこし協力隊として3年間宮古島で活動してきた前田真由美さん。 初めて宮古島を訪れたときに心をつかまれたのは、透き通るような海の美しさ。「ここに住みたい」と強く思ったそうです。その想いが今の活動につながっています。
前田さんが関わったのは、宮古島に古くから生息する「宮古馬」。 着任当初は、人に慣れていない馬にエサをあげたり、健康に成長できるように日々寄り添うことから始まりました。少しずつ人と心を通わせられるようになった今では、牧場と協力して学校へ出向き、子どもたちに馬と触れ合えるイベントを開催できるまでに。 「子どもたちが喜ぶ姿を見られた瞬間、『やってよかった』と心から思えました」と前田さん。 馬と人をつなげる取り組みが、地域との新しい関わりを生み出していきました。
実は前田さん、「市民総合文化祭写真コンクール」*に協力隊としてではなく個人で応募。前田さんの撮影した写真が、昨年は市長賞を、2023年は文化協会賞を受賞した経験も。宮古での暮らしが、新しい挑戦や成果にもつながっていったのです。
*『創造する市民の文化』をテーマに毎年実施されている写真展


宮古馬の魅力を伝える協力隊
宮古馬は日本在来馬8種のひとつ。体高およそ120cm以下と小柄ながら、丈夫で持久力に優れ、温厚な性格が特徴です。 かつて農業振興に役立てられ各家に1頭は飼育されていたという宮古馬は、農業の機械化の影響で数が7頭にまで減少し絶滅危機に陥りましたが、荷川取牧場や宮古馬保存会の尽力により今の頭数まで回復。現在は48頭が登録され、1991年には沖縄県の天然記念物にも指定されました。 現在は学校教育でのふれあいイベントや、長年宮古馬についての研究を続けている長濱幸男さんとタッグを組んだトークイベントの企画、昔ながらの製糖場(シートーヤ)の再現などで、その魅力を伝える取り組みも行っています。 「宮古島の人でも宮古馬のことを知らない方がまだ多いんです。だからこそ、触れ合いや写真展などを通して知ってもらえるきっかけをつくっていきたい」と語ります。
今年の9月で任期を終える前田さん。 「宮古馬とともに様々な企画を実施してきましたが、後任がいないことは少し心残りです。私が携わったイベントを、これからも続けてほしいと思っています」と率直な思いを語ってくれました。
今後の活動は未定ですが、「ここで学んだ馬との関わりは、また活かせるタイミングがあればぜひつなげたい」と未来への前向きな希望も口にしました。


まとめ 〜宮古馬がつないだご縁〜
取材を終えて—— 筆者自身、何度も訪れたことのある宮古島に、日本在来馬の宮古馬がいることを、この取材で初めて知りました。知識ゼロの状態から飛び込み、知り合いもいない土地で、3年間宮古馬を広めたいという思いで取り組んできた前田さん。 一歩ずつ馬に寄り添い、人とつなぎ、輪を広げてきた姿に強い感銘を受けました。前田さんの誠実な取り組みがあったからこそ、協力してくださる牧場や地域の方々が集まったのだと思います。 宮古馬がつないだご縁と、前田さんの歩みはこれからも誰かに届いていくはず。 新しい一歩を踏み出す前田さんを、心から応援しています。
取材日:2025年8月20日


このプロジェクトの地域

沖縄県
人口 146.82万人

おきなわ島ぐらしが紹介する沖縄県ってこんなところ!
エメラルドブルーの海に囲まれ、ゆったりとした時間が流れる沖縄。那覇の街歩きや国際通りのにぎわいもあれば、少し足を延ばすと集落の古民家や赤瓦屋根が残り、地域ごとの暮らしの営みが息づいています。島ごとに異なる伝統芸能や食文化が受け継がれ、祭りや行事を通して地域の人とのつながりを感じられるのも魅力です。観光地として知られる一方で、日常には市場での買い物や浜辺の散歩、庭先での交流など、温かな人との触れ合いが広がっています。都会の便利さと島ならではの自然、そして多様な文化が共存する沖縄は、暮らす人にとっても発見と喜びにあふれた場所です。
このプロジェクトの関連地域

宮古島市
人口 4.83万人
このプロジェクトの作成者
沖縄県では、沖縄県移住応援サイト「おきなわ島ぐらし」において、沖縄移住・沖縄暮らしの「今」を発信しています。移住相談会や移住体験ツアーなどの開催案内をはじめ、『住む』『働く』『支援』『子育て』『医療』5つのカテゴリー別に支援機関などの紹介を行っているほか、市町村の生活環境や移住定住に活用できる支援制度の情報など、沖縄移住の情報収集に役立つ情報を掲載しています。
















