八重瀬町発!地域を彩った2人の協力隊の3年間と卒業後の挑戦

八重瀬町は、沖縄県本島の南に位置し、那覇空港から八重瀬町役場までは車での所要時間は35分と近く、平成18年1月1日、東風平町(こちんだちょう)と具志頭村(ぐしかみそん)が合併し「八重瀬町」として生まれ変わりました。メイン画像の富盛の石彫大獅子は沖縄県最大・最古といわれる石獅子があります。火除けのため、フィーザン(火山)といわれる八重瀬岳に向いて座る石獅子です。

そんな八重瀬町で初めての地域おこし協力隊として、3年間活動されてきた森脇夕月さんと川口望美さんが、満期卒業を目前に控え、これまでの活動を振り返ります。八重瀬町に来るまでの経緯から、着任直後の「南の駅 やえせ」のリニューアルオープン準備、そして今後の展望まで、率直な思いを伺いました。

八重瀬町との出会いと活動開始

なぜ八重瀬町の協力隊を選んだのか? お二人それぞれが、これまでのキャリアと地域おこし協力隊との出会いを語ってくださいました。

森脇:もともと東京のデザイン会社で働いていました。会社が参加した空き家活性化プロジェクトで、山梨県の飲食店に1年半勤務することになったんです。その飲食店が閉まることになり、転職を考えたのがきっかけでした。地域おこし協力隊の存在を山梨県にいたときに知っていたので、何度も訪れていた沖縄での活動を視野に入れ、求人を探し始めました。 当初は粟国島や伊江島の協力隊に興味があったのですが、急な離島暮らしに不安も感じていました。そんな時、観光で訪れたことのある八重瀬町の観光ミッションの求人を見つけ、“これだ!”と思って応募を決意しました。採用が決まってから着任までの2ヶ月間は、引っ越し準備で本当にバタバタでしたね。

川口:京都で5年間ブライダルの仕事をしていました。結婚を機にリゾートウェディングを手がける会社に転職し、仕事で沖縄には何度も来ていました。コロナ禍でブライダルの仕事が減ってしまい、保育部門へ異動した時に保育士資格も取得したんですけど、やっぱりブライダルの仕事への思いが募りました。 以前、沖縄のイベントでの恩納村の地域おこし協力隊の話を思い出し、検索してみたんです。その時、ちょうど八重瀬町の協力隊の求人が出ていました。沖縄には何度も来ていたんですけど、八重瀬町は訪れたことがなかったので少し迷いながらも、応募を決意しました。森脇さんと同じく、私も採用から着任まで2ヶ月しかなく、引っ越し準備が大変でしたね。

お二人とも引っ越しの時間が限られていて、慣れない土地での新生活に不安もありましたが、役場の担当者の方から手厚いサポートがあったと振り返ります。

2023年4月に着任したお二人は、役場から観光物産協会に出向しており、その出向先の運営する「南の駅 やえせ」が1ヶ月後にリニューアルオープンを控えていました。

川口:着任後ですが、オープン準備にバタバタと追われる日々でした。知らない土地で人間関係もまだ築けていない状況でしたが、みんなで一致団結して準備を進める毎日が、とても充実していました。

森脇:まるで高校の文化祭前のような雰囲気でした。差し入れでいただいた魚の天ぷらが美味しく、天ぷらが差し入れとして登場することにも沖縄らしさをすごく感じて感動しました。

南の駅やえせ(外観)
南の駅やえせ(外観)
南の駅やえせ(内観) 提供:八重瀬地域おこし協力隊
南の駅やえせ(内観) 提供:八重瀬地域おこし協力隊

印象的な活動と地域への貢献

3年間はどんな活動だったのか? たくさんの経験をさせてもらったので一つに絞れないと語りますが、特に印象に残っているエピソードを伺います。

沖縄の伝統行事「ハーリー」への参加 航海の安全や豊漁を祈願し、サバニと呼ばれる伝統漁船で競漕を行うハーリー。1日に2回船を漕ぎ、翌日は全身筋肉痛になりましたが、なかなかできない貴重な経験ができました。

ユニークな商品開発 〇オクラめんたいちゅるっともずく 規格外のオクラとモズク、明太子を組み合わせ東風平小学校4年生とのコラボ商品の開発に携わりました。 〇ごーなっつ スーパーサイエンスハイスクールに指定されている向陽高校のチームとコラボし、ドーナツの商品開発に挑戦。さし草屋さんやドーナツ屋さんの協力も得て、捨てるはずのゴーヤーのワタを使ったドーナツ「ごーなっつ」を協力隊企画のイベントで販売。沖縄タイムスにも取り上げられました。

八重瀬町のPR活動 様々な場所で開催される物産展に出展。特に印象的だったのは、大阪の南港で開催されたツーリズムEXPOに南城市八重瀬町地域間連携体と一緒に参加し、八重瀬町の魅力をPRしました。そして、全国の協力隊に呼びかけ、「南の駅やえせ」で物産展を企画開催。同じ活動をしている協力隊と繋がる機会が少ないことからこの企画を考案し、おきなわタイムスや参加した各地域の新聞社からも注目され、取材を受けました。

川口さんによる協力隊員の結婚式プロデュース 2年目には、川口さんの前職ブライダルの経験を活かし、沖縄県内で活動する協力隊員の結婚式を八重瀬町の公民館でプロデュース。森脇さんもスタッフとして参加し、観光物産協会の方々の尽力もあり、無事に素敵な結婚式を執り行うことができました。

森脇さんによる「ゴジラ70周年記念切手」デザイン 限られた活動費の中で森脇さんはどのような活動ができるか試行錯誤する中、切手の制作を企画。郵便局に直談判するも断られましたが、郵便局員の方の計らいで、ゴジラ70周年を記念し、ゴジラシリーズに登場する怪獣「キングシーサー」のモデルになったとされる八重瀬町の富盛の石彫大獅子とのコラボ企画が実現。森脇さんが切手のデザインを手がけ、販売されました(現在は販売終了)。

ミッションの深化と八重瀬町への貢献 森脇さんは観光・情報発信、川口さんは観光というミッションを担い着任しましたが、2年目以降はそれぞれ特化した分野に注力していきます。

森脇さんは、「南の駅 やえせ」での料理教室や、「まんちゃーまんちゃー(まぜこぜ)」というイベントの企画、自身の経験を活かしたデザイン依頼などをメインに活動。 川口さんは、2年目の結婚式企画運営が転機となり、八重瀬町でのブライダル事業により注力。さらに、イベントに出展するキッチンカーもスタートさせ、活動の幅を広げました。

川口さんプロデュース八重瀬町の公民館での結婚式 提供:川口望美さん
川口さんプロデュース八重瀬町の公民館での結婚式 提供:川口望美さん
ゴジラ70周年記念切手贈呈式 提供:森脇夕月さん
ゴジラ70周年記念切手贈呈式 提供:森脇夕月さん

卒業、そして新たな未来へ

3年間の協力隊活動を終えて今思うこと お二人とも八重瀬町で協力隊として活動を始めた当初は、“なんでも協力してくれるイベントのお助け役”と思われることもあり、あらゆるイベントや行事に声がかかることもあったといいます。しかし、普段の業務もあるため、役割について丁寧に説明しながら理解を広げていきました。たくさんのイベントに参加する中で顔を覚えてもらい、町とのつながりができたと実感。当時は毎日忙しく大変なこともありましたが、その経験が今に繋がっています。充実した日々、役場の方々も手厚く気にかけてくれたので頑張ることができたと語ります。 先日開催された第19回やえせ桜まつりの取材でも、来場者の方々が森脇さんと川口さんに気さくに声をかける姿が見られ、これまでの活動を通じた繋がりや温かい人柄がうかがえました。

卒業後について 森脇: 今後、自身のさらなる成長のため東京に戻り勉強する予定です。八重瀬町で過ごした3年間はとても濃く、楽しすぎた日々でした。離れるのはとても寂しいですが、”第二のふるさと”として、また勉強して帰ってこられたらと思います。

川口: 今後も八重瀬町を拠点に活動を続ける予定です。キッチンカーの営業を続けながら、2月にリニューアルオープンする町内の美容室の一部をレンタルして、前職の経験を活かしたブライダル事業にも取り組む予定です。

森脇・川口:長いようで短いようで長い、とても充実した3年間でした!

取材を通じて 3年間の活動を共に振り返る森脇さんと川口さんの様子は、とても輝いていました。 そんな3年間を過ごせたのは、職場の方々をはじめ、関わってくださった多くの方々のおかげだと語っていました。八重瀬町をPRしたいという熱い思いで3年間活動してきた森脇さんと川口さんの今後の活躍を、私も心から応援したいと思います。

取材日:2026年1月29日(山田)

第19回やえせ桜まつり(八重瀬公園の寒緋桜) 提供:八重瀬地域おこし協力隊
第19回やえせ桜まつり(八重瀬公園の寒緋桜) 提供:八重瀬地域おこし協力隊
左:川口望美さん 右:森脇夕月さん
左:川口望美さん 右:森脇夕月さん

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