サバニの復興と地域資源の活用、伊平屋島を愛する男の挑戦

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2025/11/29

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2025/11/13

沖縄県の最北端に位置する伊平屋島は、約40kmの周囲を美しいサンゴ礁に囲まれた小さな島で、那覇市から北方に117km、フェリーが発着する今帰仁村運天港より41.1kmの距離にあります。人口は1173人(2025年7月現在)、のどかな自然と伝統文化が残る場所です。 この島に移住し、地域おこし協力隊として活躍する大友洋一さんは、島の宝であるサバニを通して、伊平屋島の魅力を発信し、地域活性化に貢献しています。かつて漁師の重要な道具であったサバニは、今ではその数が減少していますが、大友さんは伝統的なサバニを修理し、体験型観光ツアーを企画することで、島の文化や歴史を後世に伝えています。

脱サラからの伊平屋ライフ

伊平屋村地域おこし協力隊の大友さんは、23年間旅行会社でアウトバンド事業のツアー企画に携わってきました。海外を飛び回る日々を送る中で、漠然と田舎暮らしへの憧れを抱き、このまま会社の歯車として生きていくことに疑問を感じた大友さんは、IT関連の仕事を経て、2023年に移住を決意します。約30年前に初めて伊平屋村を訪れていた大友さんは、仕事柄多くの海外を見てきましたが、伊平屋島の自然の美しさに心を奪われました。特に、田名地区の豊年祭では、島独自の伝統文化に感銘を受け、この島で暮らしたいと強く思うようになったそうです。 地域の人々から「大友さんが来てから、以前に増して観光が元気になっていると感じる。とても真面目な人で、地域に認められている」「いつも本当に一生懸命働いているよ」と、その活動ぶりを高く評価されています。 大友さんの活動は多岐に渡り、1年目は空き家活用というミッションのもと、島内の古民家調査を行いました。しかし、なかなか貸してくれる人は見つからず、苦労されたそうです。その後は、共同売店へのレジシステムの導入や民泊事業者への予約システムなど、地域全体のDX化にも貢献されました。

高台から島の南を望む
高台から島の南を望む
幅広い知識で島を案内してくれる大友氏
幅広い知識で島を案内してくれる大友氏

サバニを通して島の文化と歴史を伝える

赴任2年目からは、県の補助事業を活用し、サバニの修理と体験アクティビティのコンテンツ化に取り組みました。サバニの減少について、戦後間もない頃は漁師がバイクのエンジンを改造してスクリューをつけ、サバニを自動化した時代もあったそうです。しかし、1950~60年代にはプラスチック製の船が主流となり、サバニの需要は激減していきました。1980~90年代には、世界的に古いものの見直しが進む中で、沖縄の伝統文化としてのサバニが注目され、先人の知恵の体験や経験を求める需要が生まれたとのことです。

大友さんが所有するサバニは、糸満市の船大工である大城清さんが作ったものです。大城さんは、糸満を中心に八重山までサバニの文化継承に取り組んでおり、現在も現役で活躍されています。大友さんのサバニは、伊平屋村の漁協に寄贈されたもので、フェリーターミナルのディスプレイとして使われていましたが、大友さんがその歴史と文化を継承しようと、体験アクティビティに活用しています。

大友さん案内の元、サバニに乗船させてもらうことに。参加者で4人乗りのサバニに帆を差し込んだり、ボトルでアウトリガー*を固定する作業などを終え、いざ海へ!手漕ぎで進めながら、海が開けてくると帆を立てます。風をとらえて、エーク(パドル)で舵を取りながら、サンゴ礁の綺麗なスポットを目指していきます。目的地につくと、海中にはテーブルサンゴと魚の大群が出迎えてくれました。息を吞む風景とはこのこと。サバニを拠点にシュノーケリングを楽しめます。

*船本体の横に突き出した浮力材

海に出て帆で走ると、自然の力と人の知恵に感動
海に出て帆で走ると、自然の力と人の知恵に感動
シュノーケルの海中からサバニを見上げる
シュノーケルの海中からサバニを見上げる

伝統漁法「追い込み漁」を体験できるツアー

大友さんのサバニ体験は、単なる船遊びではありません。島の伝統漁法である「追い込み漁」を体験できるツアーも企画しています。追い込み漁は、ワリと呼ばれるサンゴ礁の溝に網を仕掛け、浜から魚を追い込み、網にかける伝統的な漁法です。大友さんは、この伝統漁法を現代に伝えるため、様々な試行錯誤を重ねています。 最初は、ダイバーがタンクを背負って魚を追い込む方法を試みましたが、海上からでは水中の様子がよく見えませんでした。そこで、参加者がより近くで体験できるよう、浅場でタンクを使わない方法を研究中です。また、漁業権の問題や、資源管理の観点から、適切な時期や方法で実施できるよう、地元の漁師さんと連携し、安全で持続可能な体験を目指しています。 大友さんは、サバニを通して島の文化や歴史を伝え、地域の人々に愛される観光資源に育てたいと意気込んでいます。サバニは島の歴史、文化、自然、そして人々の暮らしを象徴する存在です。これからも、島の宝であるサバニを通して、地域の魅力を発信し、多くの人に伊平屋島を訪れてもらいたいと願っています。興味のある方は、IHEYA SMILEで検索してみてください。

取材日:2025年8月17日

現物を使ってサバニの歴史や構造を解説
現物を使ってサバニの歴史や構造を解説
追い込み漁の様子(提供:IHEYA SMILE)
追い込み漁の様子(提供:IHEYA SMILE)

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沖縄県

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人口 146.82万人

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エメラルドブルーの海に囲まれ、ゆったりとした時間が流れる沖縄。那覇の街歩きや国際通りのにぎわいもあれば、少し足を延ばすと集落の古民家や赤瓦屋根が残り、地域ごとの暮らしの営みが息づいています。島ごとに異なる伝統芸能や食文化が受け継がれ、祭りや行事を通して地域の人とのつながりを感じられるのも魅力です。観光地として知られる一方で、日常には市場での買い物や浜辺の散歩、庭先での交流など、温かな人との触れ合いが広がっています。都会の便利さと島ならではの自然、そして多様な文化が共存する沖縄は、暮らす人にとっても発見と喜びにあふれた場所です。

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