【前編】’26年、1人ひとりの夢を叶えるオールインワン高校へ進化!『福島県立船引高等学校』

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2025/10/30

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2025/10/29

福島県立船引高等学校(以下、船引高校または船高)は、田村市内に唯一ある高等学校です。それぞれの進路実現に向けた学びの環境整備はもちろん、生徒自身の興味を出発点とした自己主体的な活動にも力を入れています。令和8年4月からは、隣接する小野町にある小野高等学校と統合し、「福島県立あぶくま柏鵬(はくほう)高等学校」として新しいスタートを切ります。

統合校にも引き継がれるユニークな学びのカリキュラムや、学校の雰囲気、そして11月に行われる最後の文化祭について、在学中の生徒さんや勤務する先生方にお話を伺いました!

<お話を伺った皆さん> 松井 暢彦 先生(教務主任)、芳賀 崇宏 先生(生徒会担当)、富塚 凌 さん(3年生)、斎藤 りん さん(2年生)

―――後編はこちら↓のURLからお読みいただけます――― https://smout.jp/plans/25337/

夢を実現する学びが、田村で完結!統合後のカリキュラム

―あぶくま柏鵬高校では、どんなことが学べるのでしょう?―

松井先生: 船引高校は、進学・デュアル・ビジネスの3コースを持つ普通科高校ですが、統合後は大きく変わり、総合学科の高校となります。総合学科では、農業や工業、情報技術、福祉系といった専門学科の内容も含めて学びます。1年生では全員同じ授業を受け、2年生に上がる際、進路希望に応じて2つの系列から選択します。1つが文理探究系列で、5教科の学習を中心に、国公立大学などの上級学校への進学を目指します。もう1つがプロフェッショナル系列で、「食農・6次化」、商業関連を学ぶ「ビジネス」、プログラミングなど工業系に近い「情報技術」、「福祉・保育分野」の4分野に分かれ、専門的な内容を学びます。

松井先生: 進学から就職まで、生徒の進路希望は多岐に渡っていますが、統合校でも1人ずつの希望を踏まえた丁寧な進路指導を行います。生徒数が比較的少なく、きめ細かい指導ができる環境が整っています。令和6年度は、進学コースから4人が国公立大学に合格しました。また田村地域は優良企業が多く、国を代表する企業も工場を置く中、卒業生の地元就職率は非常に高いです。面接指導には全教員が関わり、何回も徹底して個別指導を行っています。

松井先生: 船引高校ではたむら支援学校と校舎を共用しており、行事など日常生活の一部で一緒に活動しています。インクルーシブ教育は、今すごく大事な観点なので、校舎の共用は環境として大変良いです。統合校でも、たむら支援学校との交流をもっと進めていきたいと考えています。

―良質な学びの環境がさらに整うのですね。あぶくま柏鵬高校の特徴は何でしょうか?―

松井先生:なんといっても、オールインワン高校であることです。あぶくま柏鵬高校に進学することで、郡山市などの都市部へ出て行かずとも、国公立大学や専門学校への進学ができますし、商業高校や工業高校に行かずとも、田村市の中で専門分野の学びが可能です。田村の子たちにとって、希望する進路の実現が可能な学校が地元にあるということが、魅力だと思います。

富塚さん: 総合学科になるので、普通科ではできないさまざまな体験ができる点です。部活動が増えることも良いなと思います。船引高校と小野高校とで、例えば陸上部など、片方にしかない部活があります。新しい部活が増えることで、より活発な学校になってくれたら嬉しいです。

斎藤さん: 将来の夢がみんなバラバラなのですが、それぞれに特化した系列があるので、今後を見据え、力になるようなことがたくさん学べる学校になるところです。

教務主任の松井暢彦先生
教務主任の松井暢彦先生
校長先生自ら、学校のさまざまな活動の様子を広報するプリントを作成
校長先生自ら、学校のさまざまな活動の様子を広報するプリントを作成

就業実習、探究学習、ドローン部…引き継がれる魅力的な学び1

【学校で学びながら企業で働く「田村市版デュアルシステム」】

船引高校では、田村市や地域企業と連携した「デュアルシステム」を導入しています。デュアルコースの生徒は、市内企業で週1回働くデュアル実習を行い、学校でのマナー・安全教育と合わせて、専門知識や技能を学びます。学校と企業の両方で学ぶことで、社会性やチャレンジ精神を持った地域の担い手を育てています。統合校では、プロフェッショナル系列でデュアルシステムが導入されます。

―実際に社会に出て行うデュアル実習は、参加した生徒にとって、どのような体験になっていますか?―

松井先生: 生徒たちがいろいろな場面で言ってくれるのは、「大人の中で丸1日過ごすので、コミュニケーション能力が大事なんだと学ぶと共に、そのスキルがすごく向上する」ということです。教員の目から見ても、そう感じる部分があります。

芳賀先生: 現在のデュアルシステムでは、2年生は前期と後期で1社ずつ、3年生は通年で、企業に通って仕事を経験します。2年生の実習振り返りでは半年前と現在の自分を比べるのですが、「これができなかったけれど、実習をする中で、こんなことができるようになりました」というコメントが、本人たちから出てきています。きれいな右肩上がりの成長曲線ではなくとも、間違いなく前に進めている。そういう実感を、生徒自身が得られているということだと思います。

【自ら考え積極的に行動する地域リーダーを育てる「船高アクティブリーダー育成プロジェクト」】

地域を理解し、必要なことを考えて行動できる人材を育てるための課外活動です。東日本大震災で避難した地域の人たちと交流して「過去・現在・未来」を学び、他県の高校生との交流を通して自分たちの考えを深め、将来の地域リーダーとしての力を育むことを目的に始まりました。令和7年度は全校生徒の4割にあたる81名の生徒が有志で参加し、市内イベントのボランティア活動や、校外でのフィールドワークなどを行っています。

―富塚さんは、なぜプロジェクトに参加したのですか?―

富塚さん: きっかけは、ボランティア経験が就職にも生かせると思ったからです。最近ですと、夏休み中に30人くらいで「都路灯まつり&盆踊り大会2025」のボランティアに参加し、竹灯の設置や、蝋に火をつける作業などを行いました。ほかには地域復興について学ぶフィールドワークで福島市の土湯温泉に行き、実際にまちを見たり、地域の方に話を聞いたりしました。

富塚さん: 高校生だけでなく大人もたくさんいるので、学校の中にとどまっているだけでは体験できないことができたと思います。都路灯まつりには今年初めて行き、はじめはやり方が全くわからなかったのですが、大人の方が教えてくれたり、「こうしたらもっと良いよ」と声をかけてくれたりしました。緊張しますが、1人で行くわけではないですし、周りの人と楽しくやることを意識しています。そのほうが、良い活動になりそうだなと思っています。

松井先生: フィールドワークは学校側からお願いして参加し、ボランティアは田村市から募集がかかることが多いです。市とは関係が密接なので、何かイベントがあると「船引高校にボランティアやお手伝いをお願いしたいんだ」と連絡が入ります。船高アクティブリーダー育成プロジェクトで行けるフィールドはたくさんありますし、アクティブリーダーの子たちも、積極的に活動してくれています。

2024年度のデュアル実習の様子(写真は船引高校HPより)
2024年度のデュアル実習の様子(写真は船引高校HPより)
3年生で前生徒会長の富塚凌さん
3年生で前生徒会長の富塚凌さん

就業実習、探究学習、ドローン部…引き継がれる魅力的な学び2

【自分の興味関心から掘り下げる「総合的な探究の時間」】

2022年度から高校に導入された「総合的な探究の時間」。船引高校では田村市と連携し、地域貢献に力を入れた探究学習を行っています。

松井先生: 自分の興味があることを、自分で探究していくというのが他の教科と違うところですね。生徒たちも興味関心を持って活動していますし、あぶくま柏鵬高校でも学校活動の柱の1つとしています。

―斎藤さんは、どんなことを探究しているのですか?―

斎藤さん: 田村市の課題ごとに分野別で活動しており、私はフードロス班に参加しています。考える機会があまりない観点だし、普段の生活では気づかないような問題が、自分の住んでいる場所でもあるんだなと、活動しながら感じます。班の人の意見を聞き、「そういう考えもあるんだな」と学びにもなり、田村市をもっと知ることができる活動です。

斎藤さん: フードロスに興味が湧いたきっかけは、普段から田村市の野菜を食べている中で「もしかしてフードロスが出ているのかな?」と疑問に思ったことからです。農家さんにお話を聞いたところ、規格外野菜が捨てられてしまっていることがわかりました。規格外野菜とは、形や色が市場の規格から外れてしまい、おいしく食べられるのに販売できない野菜のことです。農家さんとしては売れない野菜を、私たちが売ってみようということで、規格外トマトの販売会を福島市で行いました。「見た目で判断され売れないのでは?」と不安でしたが、当日は持参した200個ほどが完売しました。値段が関係したかもしれませんが、意外と見た目が悪くても買ってもらえることが分かりました。

芳賀先生: この結果を、次のサイクルにもつなげていこうとしているんだよね。

斎藤さん: はい。「次は600個でも売れるのではないか?」など仮説を立てながら、計画を練っています。今回は完売したけれど、何度もやらないとわかりません。何度も売ってみて、規格外野菜が本当に売れるものなのか、もう一歩進んで考えたいです。この活動が、「規格外でも売れるんだ」と農家さんが気づくきっかけになるのではないかと思います。また、市内のこども食堂に寄付をし、規格外野菜が少しでも地域の力になれば良いなと思っています。

芳賀先生: 地域という言葉が、生徒たちから出てくるんですよね。自分が高校生のときは、使ったことがなかった言葉です。自分目線にとどまらず、広い視点で考えていることをさまざまな場面で実感します。また、地域の方々が船引高校の生徒たちに注ぐ愛情と、その愛情を受けて生徒たちが成長していることも、強く感じています。

【珍しいドローンの部活動!「ドローン科学探究部」】

平成28年、田村市と慶應義塾大学は、ドローンを利活用した研究・教育活動を推進し、地域振興に取り組むための連携協定を締結しました。船引高校ではドローン活用の担い手を育てるため、講師を招いて行うドローン特別講座が開講されており、部活動としてドローン科学探究部が活動しています。

松井先生: ドローン科学探究部では、校舎の風景や田村市の観光地について、撮影や動画作成、編集までを行っています。先日は市内の中学校から撮影依頼があり、普段の操縦練習の成果を発揮させてもらいました。今夏のドローン特別講座では、学校のプールを使い、水中ドローンの遠隔操縦体験を行いました。水中ドローンの操縦は、人が行けない場所の調査研究や災害対応などに役立てていくねらいがあります。

―後半( https://smout.jp/plans/25337/ )へ続く―

2年生で現生徒会長の斎藤りんさん
2年生で現生徒会長の斎藤りんさん
生徒会担当の芳賀崇宏先生
生徒会担当の芳賀崇宏先生

このプロジェクトの地域

福島県

田村市

人口 3.52万人

田村市

一般社団法人Switchが紹介する田村市ってこんなところ!

暮らしのスタイルが選べる! 福島県の山間地に位置する田村市は、人口約32,500人が暮らす、自然豊かで多彩なライフスタイルが楽しめる町です。 市域の約70%を占める広大な森林や、丘陵地帯に広がる静かな山間部や畑、さらには国道沿いの利便性の高い生活エリアまで、地域ごとに異なる魅力を持つ田村市。静かにゆったりと過ごすスローライフも、便利な町中での快適な生活も、自分のライフスタイルに合わせて選べるのが大きな魅力です。

さらに、東京から新幹線と電車で約1時間50分、車で約3時間30分というアクセスの良さも田村市の強み。 夏は涼しく、冬は雪が少ないため、都市部からの移住者にも優しい暮らしやすい環境が整っています。

このプロジェクトの作成者

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興味を持っていただき、ありがとうございます! 私たちは福島県田村市で廃校活用型テレワークセンター「テラス石森」を運営しながら、地域活性化に取り組んでいるまちづくり法人です。 福島県田村市を、よりアツい場所にするべく活動しています。

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