北国から渡嘉敷島へ~風の人の物語~

最新情報

「興味ある」が押されました!

2025/12/10

「興味ある」が押されました!

2025/12/09

慶良間諸島国立公園に属する渡嘉敷島は、那覇から高速船で約40分、フェリーで70分の場所に位置します。世界屈指の透明度を誇る「ケラマブルー」の海と、阿波連ビーチ、渡嘉志久ビーチなどの美しい白砂のビーチが最大の魅力です。 シュノーケリングやダイビングの聖地として知られ、カラフルなサンゴ礁や熱帯魚の群れを間近で観察できるほか、ダイナミックな地形も楽しめます。冬にはザトウクジラが繁殖のために訪れ、迫力あるホエールウォッチングが楽しめます。 そんな渡嘉敷島に地域おこし協力隊として長野県から移住した、小林さんにお話を伺ってきました。

"疲れる"より"好かれる"ことを

「Bus to the beach! ビーチ行きのバスはあちらです」 接岸したフェリーの降り口から聞こえる声の先を見ると、英語表記のプラカードを持っている男性の姿。「島に着いたら、私のことはすぐに分かりますよ」事前に連絡をした際に言っていたことが、すぐ分かりました。 フェリー乗り場で日本語と英語で観光客の案内をしている、渡嘉敷村地域おこし協力隊の小林茂雄さん。これまでの活動を教えてもらいました。 2023年の5月に渡嘉敷村に地域おこし協力隊として移住し、1年目は観光協会に所属しながら、観光案内や離島体験交流の企画運営に携りました。観光協会のfacebookページを立ち上げ、情報発信にも尽力しながら、地域行事にも積極的に参加し、地域の方と交流を深めたといいます。地域との交流の中で、渡嘉敷村の稲作文化に興味を持ち田んぼの稲刈りや草刈りに参加するようになりました。 「人に感謝されることが仕事になれば嬉しいよね。自分の考えだけを押し出して”疲れる”よりも、人に”好かれる”仕事がいいよ。」と笑顔で話す小林さんは、日々の草刈りや農作業の手伝いを通して、地域から好かれる仕事の重要性を実感したといいます。 フェリー乗り場での案内も、バスを乗り過ごした人への対応や、外国人観光客へのサポートに必要性を感じて自主的に始めたとのことです。現在は週5日、フェリーの出発・到着時にはフェリー乗り場に出向いています。

フェリー乗り場で案内をする小林さん
フェリー乗り場で案内をする小林さん
フェリーから島を眺める
フェリーから島を眺める

田んぼを通して地域交流

協力隊2年目、稲作の活動を本格化しようとイノシシ被害で荒れていた田んぼの草抜きに注力しました。移住者の仲間と共に、「コミュニティ田んぼ」として活動を広げ、地域住民との絆を深めました。その後、配属先が観光協会から村役場に変わったものの、草刈りなどの地道な活動は継続し、徐々に地域からの信頼を得られるようなったと語ります。離島体験ツアーにも取り組み、県内外からの生徒の自然・文化体験の企画にも取り組んできました。 「前に渡嘉敷島のアドベンチャーツアーに参加させもらい、島の知人からも“定年したら島においでよ”と言われました。北海道での仕事にも区切りがついたので、一度出身地の長野県に戻り、渡嘉敷村の地域おこし協力隊に応募しました」 前職では北海道南富良野町のNPO法人南富良野まちづくり観光協会で、長年カヌーを使ったアドベンチャー観光に携わっていたという小林さん。北海道アウトドアガイド資格の設立に関わるなど多くの経験をこの島で生かそうと奮闘しています。

山間に位置するコミュニティ田んぼ
山間に位置するコミュニティ田んぼ
北海道でカヌーを使ったアウトドアガイドをしていた頃(提供:小林茂雄)
北海道でカヌーを使ったアウトドアガイドをしていた頃(提供:小林茂雄)

自然との共存と自分の未来

今年は協力隊としては最後の年、稲作活動をさらに深めて、種の選定から収穫まで全工程に携わっています。稲作は米の収穫だけではなく、伝統行事「渡嘉敷大綱曳き」の大綱の材料にもなるため、島の文化にはなくてはならない存在です。現在取り組んでいるコミュニティ田んぼには春になるとセイタカシギが飛来してきます。田んぼは、文化だけではなく野鳥の居場所にもなっています。

「渡り鳥のセイタカシギはシギの仲間です。島の田んぼで虫を食べているということは、田んぼが元気な証拠。15年前にはじめて渡嘉敷島に来た時に見た水田風景が、いつか蘇ると信じています」

幼いころから野鳥の観察が好きで、学生時代には野鳥の研究もしていたという小林さん。将来的には完全有機・無農薬での「セイタカシギ米」ブランド確立を目指し、持続可能な地域づくりに貢献する構想を持っています。協力隊を退任後も定住を前提に、農家民泊や家庭菜園で育った野菜を使った無人販売所、空き家活用などの事業を計画しています。自身の豊富な経験と培った地域とのつながりを活かし、長野→北海道→沖縄を渡ってきた“風の人”として渡嘉敷島に新しい風を運んできてくれるでしょう。

田んぼに現れたセイタカシギ(提供:小林茂雄)
田んぼに現れたセイタカシギ(提供:小林茂雄)
渡嘉敷村を上から眺める(提供:小林茂雄)
渡嘉敷村を上から眺める(提供:小林茂雄)

このプロジェクトの地域

沖縄県

沖縄県

人口 146.82万人

沖縄県

おきなわ島ぐらしが紹介する沖縄県ってこんなところ!

エメラルドブルーの海に囲まれ、ゆったりとした時間が流れる沖縄。那覇の街歩きや国際通りのにぎわいもあれば、少し足を延ばすと集落の古民家や赤瓦屋根が残り、地域ごとの暮らしの営みが息づいています。島ごとに異なる伝統芸能や食文化が受け継がれ、祭りや行事を通して地域の人とのつながりを感じられるのも魅力です。観光地として知られる一方で、日常には市場での買い物や浜辺の散歩、庭先での交流など、温かな人との触れ合いが広がっています。都会の便利さと島ならではの自然、そして多様な文化が共存する沖縄は、暮らす人にとっても発見と喜びにあふれた場所です。

このプロジェクトの関連地域

沖縄県

渡嘉敷村

人口 0.07万人

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

沖縄県では、沖縄県移住応援サイト「おきなわ島ぐらし」において、沖縄移住・沖縄暮らしの「今」を発信しています。移住相談会や移住体験ツアーなどの開催案内をはじめ、『住む』『働く』『支援』『子育て』『医療』5つのカテゴリー別に支援機関などの紹介を行っているほか、市町村の生活環境や移住定住に活用できる支援制度の情報など、沖縄移住の情報収集に役立つ情報を掲載しています。

「興味ある」しました

プロジェクトに興味を持っていただきありがとうございます。

あなたが「興味ある」ことを「おきなわ島ぐらし」にお伝えいたします!

「興味ある」を押したプロジェクトは、マイページから確認することができます。

詳細プロフィールを設定することで、スカウトを受けやすくなります。プロフィールはマイページから編集することができます。

メッセージを送信します

あなたが「応募したい」ことを「おきなわ島ぐらし」にお伝えいたします!

この後、プロジェクトの担当者とコミュニケーションを取れるようにチャットルームを作成するので、知りたいことがあればたずねてみましょう。

「興味ある」も同時に入力され、地域ユーザーからスカウトを受けやすくなります。

ユーザー登録すると
「」ができます。