30歳からの挑戦。地域おこし協力隊で見つけた新しい働き方

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「興味ある」が押されました!

2026/07/17

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竹富町は、西表島や竹富島、小浜島、黒島、波照間島など9つの有人島と7つの無人島からなる町です。豊かな自然や独自の文化が残る一方で、離島ならではのさまざまな課題も抱えています。

そうした地域課題の解決や地域活性化に取り組むため、竹富町では現在8名の地域おこし協力隊が活動しています。

その中で県内で唯一となる「デジタル分野」の地域おこし協力隊として活動してきた太田洋平さんに地域おこし協力隊との出会いから活動内容、そしてこれからについてお話を伺いました。

30歳を前に感じた将来への迷い。地域おこし協力隊との出会い

神奈川県出身の太田さん。 「このまま今の仕事を続けていて、本当にいいのだろうか」

そう感じ始めたのは、30歳を迎える頃でした。

太田さんは、もともと東京の企業などで働いていました。

転職しながら経験を積んできましたが、入社して間もない段階で大きな責任がある業務を任されたりと、想像していた働き方とのギャップに悩むことも少なくありませんでした。

そんな時に偶然テレビでみつけたのが、山形県・飛島での移住体験プログラムでした。

興味本位で参加した1か月の島暮らし。 宿の手伝いや飲食店での仕事を経験しながら過ごす中で、地域に移住して活動する人たちと出会い、そこで初めて知ったのが地域おこし協力隊という制度でした。

「地方に移住して地域の仕事に関わる。そんな働き方があることを初めて知りました。」

帰京後、地域おこし協力隊の募集情報を調べる中でみつけたのが沖縄県北中城村の募集でした。

沖縄には一度も行ったことがありませんでしたが、飛島での経験を通して、「まずはやってみよう」と思えたことが大きな転機になり、「いつか行ってみたいと思っていた場所で暮らしてみよう」と応募。

2016年8月、北中城村の第1期地域おこし協力隊として沖縄へ移住しました。

北中城村では農林水産分野の担当で、地域行事やエイサーへの参加、農家との調整業務、学校給食への地場野菜供給に関わる取り組みなど、地域に密着した活動を経験します。

着任した日から、地域の方々に温かく声を掛けてもらい少しずつ関係を築いていきました。

「北中城村の皆さんには本当によくしていただきました。」

太田さんは北中城村での3年間を通して、その面白さと難しさの両方を学びました。

そして任期満了後、一度神奈川へ戻りあらためて就職します。

経理職や営業職、新しい分野にも挑戦しましたが、自分が本当にやりたい仕事を模索する日々が続きました。

そんな中で再び出会ったのが現在の、竹富町地域おこし協力隊募集でした。

飛島へ行った時のフェリー
飛島へ行った時のフェリー
北中城村地域おこし協力隊時のイベントの様子
北中城村地域おこし協力隊時のイベントの様子

竹富町での新しいチャレンジ

竹富町地域おこし協力隊の募集内容は「デジタル推進担当」。

沖縄県内でも珍しい、デジタル分野の地域おこし協力隊です。

冒頭の通り西表島や竹富島、小浜島、黒島、波照間島など9つの有人島と7つの無人島から構成される自治体で、町内に家電量販店や携帯ショップは1つもなく、町民はスマホに関して何かあった場合、船で石垣島に出ないといけません。

そのような状況を解決するために、太田さんは各島を巡回しながら、高齢者向けのスマホ相談会やスマホ教室を実施してきました。

初年度だけで100回を超える相談会を開催し、今もスマホの基本操作など一人ひとりに合わせて支援を行っています。

最初はスマホの使い方を質問していた方が、何度も相談会に足を運び、少しずつできることを増やしていき、やがてGoogleカレンダーを使いこなせるようになった姿を見た時は、自分の活動が誰かの役に立っていることを実感できたそうです。

また、役場職員のデジタルサポートや庁内業務の支援にも関わり、行政と住民の双方を支える役割も担ってきました。

地域おこし協力隊というと観光や特産品開発のイメージを持つ人も多いかもしれません。

しかし実際には、デジタルや福祉、教育、子育て支援など活動分野は幅広く、地域ごとに求められる役割も異なります。

太田さん自身も、二度の協力隊経験を通して「地域課題は地域によって全く違う」ということを実感したそうです。

民間企業と合同で開催したスマホ教室の様子(竹富島)
民間企業と合同で開催したスマホ教室の様子(竹富島)
講師を招いたオンラインスマホ教室の様子
講師を招いたオンラインスマホ教室の様子

地域おこし協力隊がくれた、新しい選択肢

北中城村で3年間。

そして竹富町で3年間。

気が付けば、沖縄で過ごした時間は6年以上になりました。

東京で働いていた頃は、まさか自分が沖縄でこれほど長く暮らすことになるとは想像もしていなかったと太田さんは振り返ります。

二度の地域おこし協力隊を経験する中で感じたのは、地域づくりに特別な近道はないということでした。

新しい取り組みを始める時も、課題を解決しようとする時も、まず必要になるのは人との信頼関係です。

その積み重ねがあって初めて、活動が前に進んでいくことを実感したといいます。

竹富町で続けてきたスマホ相談会も、その一つでした。

一方で、思い描いていた通りに進まないこともたくさんありました。

それでも活動を続けることができたのは、地域で出会った人たちや、協力隊同士仲間の存在があったからだといいます。

「振り返ると、本当にたくさんの人に支えてもらいました。」

北中城村でも竹富町でも、多くの人との出会いに恵まれ、さまざまな経験を重ねてきました。

任期終了後の進路は現在検討中ですが、この6年間で得た経験やつながりは、これから先の人生にもきっとつながっていきます。

地域で暮らし、人と関わりながら積み重ねてきた時間こそが、太田さんにとって地域おこし協力隊で得た最も大きな財産なのかもしれません。

写真提供:太田洋平 取材日:2026年6月10日 山田

小浜島でのスマホ相談(外観)
小浜島でのスマホ相談(外観)
活動中、運営に携わったやまねこマラソン大会
活動中、運営に携わったやまねこマラソン大会

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エメラルドブルーの海に囲まれ、ゆったりとした時間が流れる沖縄。那覇の街歩きや国際通りのにぎわいもあれば、少し足を延ばすと集落の古民家や赤瓦屋根が残り、地域ごとの暮らしの営みが息づいています。島ごとに異なる伝統芸能や食文化が受け継がれ、祭りや行事を通して地域の人とのつながりを感じられるのも魅力です。観光地として知られる一方で、日常には市場での買い物や浜辺の散歩、庭先での交流など、温かな人との触れ合いが広がっています。都会の便利さと島ならではの自然、そして多様な文化が共存する沖縄は、暮らす人にとっても発見と喜びにあふれた場所です。

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