【おといねっぷ村役場の面々⑤】伝票の裏にある「お金の流れ」から村の全体像を見る面白さ

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2026/07/24

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【伝票の裏にある「お金の流れ」から村の全体像を見る面白さ】

一言で「役場職員」といってもその仕事はさまざま。部署によって業務内容は大きく変わります。誰がどんな仕事をしているのか、周りからはちょっとわかりにくいかも。そこで、音威子府村の役場で働く面々にインタビューしていきます。

会計課で収支管理、出納、会計事務などを担当している中谷さん。役場の「お金」を円滑に回すという役割のほかに、村のこれからについての考えをあれこれ巡らせています。

取材/2026年3月

金庫番として村全体の収入や支出を管理する

「会計課が扱っているのは、主にお金の支払いに関する業務です。例えば、収入や支出があった際に、そのお金の流れをチェックしたり、実際に口座から口座への支払いを行ったりしています」と、仕事内容について説明してくれた中谷さん。

「村の人たちに関しては、企業さんなどへのお支払いや、いただいた寄付などを村の財源にする際の金額確認、そういうチェックも会計課の仕事になります」。民間企業で言うと、経理に近いことも会計課で行っているそうです。「例えば役場職員が出張に行くときも、出張命令書と支出伝票、あと内訳書を確認して、内容と金額が合っていれば支払いに移るという手続きをしていますね」。

お金を扱う仕事ですから、金額を間違わないようにするのが一番大変なのでは? 「それは確かに神経を使いますが、地味に一番大変なのは支払いのスケジュールですね。案件によってそれぞれ支払日が違っていたり、結構細かい条件が設定されていますから」。請求書の支払期日には必ず間に合わせなければならないので、各課にしっかり確認して回る作業が大変だそうです。

ハードな一般企業での経験を糧にして村役場へ

中谷さんは札幌市の出身で、実家は梅の名所として有名な「平岡公園」の近くにあります。大学では人文学部で子どもの発達と教育について学び、卒業後に知人の紹介で東京にあるデザイン系の会社に入社しましたが、「いざ勤めてみたら、典型的なブラック企業だったので……」ということで、1年ほどで退社することに。

北海道に戻って、トラックやバスなどを扱う自動車メーカーに勤めはじめた中谷さんですが、5ヵ月ほど過ぎた頃に工場で事故が起き、その関係で自身もダメージを負ってしまったそうです。「仕事を続けられるような状態ではなかったので退職して、今後のことをじっくり考えました」。その結果、公務員を目指そうと一念発起。2025年の4月に音威子府村役場に入庁しました。

経理などの勉強もしたことがなかった中谷さんは、会計課に配属された当初は戸惑いもあったそうで、「課の先輩からは『分からなかったら聞いて』と言われたので、本当にいちいち全部聞きながら、徐々にできることを増やしていったという感じですね」。前職で営業事務を担当していたおかげで、見積書や請求書には慣れていたことが役に立ったそうです。「公務員は部署間の異動が多いので、どんな仕事にも対応できなきゃいけませんから」。

仕事への考え方と、村への思い

会計課の仕事のやりがいを尋ねると、「何と言っても、やればやるだけ伝票がわかってくるところです。最初のうちは全然わからなかったのが、伝票を見ると、その裏にあるお金の流れが少しずつ見えるようになってきて」。会計課は村に関する金銭を管理・記録する立場にあるため、その流れを軸に全体の動きを把握できるのだそうです。「そこが一番面白いところじゃないかと思いますね。なので、うちの役場だと1年目の若手が配属されることが多いようです。僕もその一人ですが」。

お金を扱う以上、金額の間違いは絶対にNGですが、「課内の最終決済も済んで、あとは支払うだけという伝票で、窓口の北星信金さんから『金額が合わないです』と連絡が来たことがあって。支払い前の最終チェックで、たまたま見逃した金額ミスが見つかったんです」。支払い前だったので修正できましたが、「あの時は冷や汗が出ました」と苦笑いの中谷さんです。

それ以来、より慎重に確認を繰り返すようになったそうで、「人間がやる以上、誤りはあるということが前提です。確認の際には間違い探しのつもりでやっています」。窓口で現金のやりとりもあるため、お釣り用の小銭も管理しているそうですが、「朝と晩に数えるんですが、金額が合わないと何度も何度も数え直して(笑)」。今のところ、最後まで金額が合わなかったことはないそうです。

中学時代までクロスカントリースキーをやっていた中谷さんは、部活の合宿で当時の音威子府を訪れた経験があります。「コロナ前の時期でしたが、まさか将来ここに住むことになるとは思いもしませんでした」。実際に住んでみての印象は「意外と普通、という感じです。もっと大変なんじゃないかと覚悟していたんですが」と笑います。

奥さんが富良野市にいる関係で、富良野まで180キロの運転が週末のお決まりです。「大体片道3時間ぐらい。金曜日の夜に向こうに行って、月曜の朝に音威子府に戻ります。富良野は観光客が年々増えて、欧米系のインバウンドも多くなっているので、音威子府にも来てくれないかなと思いますね」。

最近ハマっていることを尋ねると、「ボウリングです。なんとなくやってみたら、ちょっとやってみたら癖になっちゃって」。旭川や富良野で、買い物などのついでに1ゲームだけ楽しむのがいいのだそう。「体を動かすのが好きなので、気分転換にもなりますし。全然上手くはないんですが、それでもストライクが取れると気持ちいいです」。

そんな中谷さんが考える村の将来像は? 「例えば、美深にはスバルの雪上運転用テストコースがありますよね。同じように、地域の特性に合った新たな産業が誘致できないかと妄想しています」。具体的な案は固まっていないそうですが、「せっかくおと高があるし、ものづくりに関する産業がいいんじゃないかなと思いますけど」。

「あと、村に欲しいのが画材屋さんです。高校生たちが創作活動をするときに、学校の備品だけでやっているそうなんですよ。いつもと違う画材や素材に触れるだけで、新しい発想が生まれるかもしれませんよね」と語る中谷さん。音威子府のこれからについて「あくまで個人的に」あれこれ考える中で生まれる、あっと驚くようなアイデアに期待しましょう。

このプロジェクトの地域

北海道

音威子府村

人口 0.06万人

北海道音威子府村が紹介する音威子府村ってこんなところ!

北海道のほぼ中心に位置する旭川市と、最北の稚内市のほぼ中間に位置するところに、人口が600人ほどの北海道で1番小さな村(おといねっぷ村)があります。

過疎最先端地で人口は少ないけれど、その分唯一無二な地域資源(人・文化・鉄道・村立美術工芸高校・木工・芸術などなど)が沢山あります。どこの地域よりもスピード感があって、おもしろいことに敏感で、能動的でチャレンジできる方を求めている地域です。

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