観光PRから地域の食堂へ。那須塩原の協力隊・蛭田結衣さん、3年目の挑戦

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2026/09/06

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2026/09/04

那須塩原市観光局でSNSを中心に観光PRを担う、地域おこし協力隊の蛭田結衣(ひるた ゆい)さん。2024年5月の着任から現在は任期3年目を迎え、投稿の企画・文章作成、取材、撮影、地域イベントまで幅広く担当しています。着任当初、何をしたらよいか分からなかった蛭田さんが最初に始めたのは、まちを歩き、お店に入り、地域の人と話すこと。その積み重ねは、塩原温泉で地域の人たちと運営する「青空食堂 はなれ」へとつながりました。観光の魅力を伝える仕事から、人が出会う場所づくりへ。これまでの活動と任期後に描く仕事について、那須塩原市地域おこし協力隊採用事務局が蛭田さんに伺いました。

好きだった場所に、仕事として関わる

事務局:蛭田さんは那須塩原市からも割と近い、栃木県さくら市のご出身なんですね。那須塩原には、以前からよく来られていたのでしょうか。

蛭田:はい、大学の4年間以外は、さくら市で暮らしていました。那須塩原や那須には、子どものころから家族や友人とよく旅行に来ていたので、もともとなじみのある土地ですね。

事務局:前職も那須町だったそうですね。

蛭田:はい、ホテルや遊園地などを運営する会社で働いていました。その会社で子ども食堂のような事業を担当し、SNSの運用もしていました。そこから地域のことに関心を持つようになったんです。

事務局:観光の仕事は、以前から興味があったのですか?

蛭田:実は新卒のころから、栃木県内の観光地で働きたいと思っていたんです。県内で旅行といえば、私にとっては那須や那須塩原というくらい好きな場所だったので、最初は那須町で働きました。

でも観光地で実際に働いてみると、外から見た華やかな部分だけではないことも分かりました。そこで働く人たちが過ごしやすくなるにはどうしたらよいか、もっとお客さんに来てもらうにはどうしたらよいかと、自分なりに少しずつ考えるようになったんです。

事務局:地域おこし協力隊という働き方は、以前からご存知でしたか?

蛭田:そうですね、応募する1年ほど前から、那須塩原市に地域おこし協力隊がいるということは知っていました。Instagramも見ていて、純粋に楽しそうだなと思っていたんです。次の仕事を考え始めた時期に、ちょうど観光分野の募集が出たので、思い切って応募しました。

事務局:好きだった場所で、これまでの経験にも近い仕事が見つかった。いろいろなタイミングが重なったんですね。

蛭田:そうですね。県内から来ているので、大きく環境を変えた感覚はありません。

でも、旅行で訪れていたころと、地域の中で働くようになってからでは、那須塩原の見え方が大きく変わりました。

事務局:現在の協力隊としての仕事の内容について、具体的に教えてください。

蛭田:私が担当しているのは、観光局のSNS運用が中心です。Instagram、X、Facebookがあり、それとは別にインバウンド向けのSNSもあります。翻訳は外部の事業者さんにお願いしていますが、どの時期に何を出すか、文章や写真をどうするかは私が考えています。

事務局:蛭田さんは、記事制作もふくめて担当されているのでしょうか。

蛭田:投稿内容は8割くらい自分で考えています。文章を書いて、写真を撮って、リールも作ります。月に1回か2回、観光局内で広報の打ち合わせをして、この時期はこういう情報を出したいと相談しながら進めています。

事務局:実際にSNSを運用していて、面白いと感じるのはどんなところですか。

蛭田:一つは、数字で結果が見えやすいところですかね。この投稿はこれくらい伸びた、ここを工夫したら反応が変わった、ということが分かるようになると、面白さは感じます。以前はきれいな写真を載せることが中心でしたが、今は、どうすれば「いいね」やコメントが増えるのかを、自分なりに考えるようになりました。

ただキャンペーンなどで一気にフォロワーが増えても、その後に減ってしまうこともよくあります。そこは難しいですね。投稿の仕方や内容を変えながら、いろいろ試しているところです。

イベント会場で来場者に飲み物を提供する蛭田結衣さん
イベント会場で来場者に飲み物を提供する蛭田結衣さん
地域のお祭りや観光キャラバンにも参加
地域のお祭りや観光キャラバンにも参加

数字の先に、顔の見える関係ができていく

事務局:那須塩原市観光局のInstagramには、取材時点で約1万6千人のフォロワーがいます。公式SNSを運用するうえで、気をつけていることはありますか。

蛭田:市の名前で発信する公式アカウントなので、読み手に誤解を与えない文章にしなければ、という怖さはあります。特にXへの投稿は慎重になりますね。文章はまず自分で作り、最後にAIも使って敬語や誤字脱字を確認してから投稿しています。

▶那須塩原市観光局Instagram:公式アカウントを見る

事務局:SNS以外の仕事も担当しているんですか?

蛭田:地域のお祭りや観光キャラバンにも参加します。駅やデパートでチラシを配ったり、着ぐるみと一緒にPRしたりします。牛乳や畜産のイベントで那須塩原のお肉を紹介したり、花火大会で子ども向けのブースを手伝ったりすることもあります。

事務局:なるほど、そうなんですね。特に着任したばかりのころは、いろいろ分からないこともあったかと思うのですが、その時期はどのように動き始めたんでしょうか?

蛭田:はい、やっぱり最初の1か月くらいは、「何をしようかな…」という感じでしたね。でも悩んでいても始まらないので、まずは観光地をたくさん巡ろうと思いました。

那須塩原を歩いて、お土産屋さんやご飯屋さんに寄り、そこで話をしていろいろな情報を集めたりしていました。1年目は飲食店もかなり回りましたね。おいしいものを食べられますし(笑)、仕事で使う写真や情報も集められます。そうやって地域の人と知り合っていけたのは大きかったと思います。

事務局:3年目になった今、地域の方々との関係に、何か変化はありましたか?

蛭田:そうですね、まちを歩いていると、いろいろな人と気軽に話せるようになりましたね。イベントで声をかけていただくこともよくあります。SNSの数字が伸びるのも分かりやすい成果ですが、こういう関係ができたのは、3年目まで活動してきた積み上げかもしれないなと思います。

事務局:投稿の反応と、地域の人との関係。その両方が活動の成果になっているんですね。

蛭田:そうですね。協力隊は、まず顔を知ってもらうことが大切だと思います。協力隊がいることは知っていても、何をしている人か分からない方も多いので、自分がどんな活動をしているかを伝える必要があります。

地域の人と話し、自分のことも伝えていると、イベントをするときに、あの人がやるなら行ってみようと思ってくださる方が出てくるんですよね。行政の方に紹介してもらうだけでなく、自分から積極的に関係を広げていくと、やっぱり動きやすくなります。

事務局:那須塩原での暮らしのほうはいかがですか。

蛭田:まず、空気と水が本当にきれいです!東京へ遊びに行くと、早く那須の空気を吸いに帰りたいと思うこともあるくらいですね(笑)夏は東京などより少し涼しく、場所によっては朝晩にはかけ布団が必要な日もあるくらいです。

車は必須ですけど、少し走れば温泉も牧場もありますし、休日にソフトクリームを食べに行ったり、飲食店を回ったり、そういう時間を楽しみながら地域を知るきっかけにもなりました。

日替わりで地元の食材を使った料理が楽しめる
日替わりで地元の食材を使った料理が楽しめる
青空食堂 はなれの外観
青空食堂 はなれの外観

地域の人と始めた青空食堂 はなれ

事務局:任期は2027年4月末までですね。その後について、現在考えていることはありますか。

蛭田:実は今、塩原温泉で空きテナントを借りています。地域の方と観光で訪れた方が交流できる場所にしたいと思い、飲食店をプレオープンしているんです。

事務局:すでにお店を始めているんですね!それはすごい。料理は蛭田さんが作るのですか。

蛭田:いえ、料理を担当するのは、塩原でコミュニティ食堂のような活動をしてきた地域の方たちです。私は料理がすごく得意というわけではないので、皆さんに助けてもらいながら、一緒にお店を運営しています。

蛭田:日によって変わりますが、地元の食材や野菜を使った小鉢をいろいろ出しています。料理を担当する方も一人ではなく、日によって変わります。

事務局:それはいいですね!地方にはそういうお店がなかなか無いんですよね。店名は「青空食堂 はなれ」というんですね。

蛭田:はい、もともとの活動場所は青空食堂という名前だったんです。そこで、つながりのある場所だと分かるように、名前を大きく変えず、青空食堂 「はなれ」にしました。

事務局:いいと思います!塩原温泉でお店を始めようと思ったのは、なぜでしょうか。

蛭田:那須塩原の観光といえば、まず塩原温泉があります。私の出身地の喜連川も温泉で頑張ってきた地域なので、個人的にもどこか懐かしい雰囲気を感じました。

それに、地域の方との出会いも大きかったです。那須塩原は、地域の中に入っていくと受け入れてくださる方が多くて。そういう方に助けられながらだんだん馴染んでいって、好きになったという感覚に近いかもしれません。

蛭田:そうですね。ただ、最初からお店をやろうと決めていたわけではないんです。地域の方と話す中で、少しずつお店という形が見えてきました。そこから、いろいろな方に協力してもらいながら準備を進めてきました。

物件を初めて見たのは2025年の秋ごろです。その年の暮れから準備を始め、2026年6月末にプレオープンしました。

事務局:協力隊の仕事を続けながら、副業として準備してきたということですね。

蛭田:はい。今は観光局の仕事をしながら並行してお店も運営しています。任期後は、お店を続けながら、パソコンでできるSNS関連の仕事もできたら理想です。

【取材を終えて——採用事務局より】

取材で印象に残ったのは、蛭田さんが、いろいろな人に協力してもらいながら進めていると何度も話していたことです。着任したころは何をしたらよいか分からず、まず地域を歩きまわり、お店に入り、人と話すことから始めました。その積み重ねが、今ではまちで声をかけてもらえる関係につながっています。当たり前のことのようですが、やっぱりその積み重ねが、次のステップに繋がっていくんだなと改めて強く感じました。

那須塩原市が掲げるまちのパーパスは「好きを、編む。」。蛭田さんは、観光への関心やSNSの経験、温泉地への愛着、地域の人たちとのつながりを、自分の次の仕事へと編み始めています。

【那須塩原市では地域おこし協力隊を募集中】

現在、那須塩原市では、空き家等の利活用を提案する「住まいコーディネーター」と、部活動の未来をつくる「スポーツ・健康まちづくりコーディネーター」の2分野で地域おこし協力隊を募集しています。活動に興味を持った方は、ページ下部の「関連プロジェクト」から詳しい募集内容をご覧ください。

このプロジェクトの地域

栃木県

那須塩原市

人口 11.26万人

那須塩原市 地域おこし協力隊採用事務局が紹介する那須塩原市ってこんなところ!

那須塩原市は、東北新幹線で東京駅から最短約70分。都会へのアクセスの良さを保ちながら、四季の移ろいを肌で感じられる「ちょうどいい田舎暮らし」が叶うまちです。

雄大な那須連山や清流に恵まれ、日本三大美人湯の一つ「塩原温泉郷」をはじめ板室温泉など名湯が点在。生乳産出額は全国の市町村で第3位を誇る「ミルクタウン」でもあり、搾りたての牛乳やチーズ、地元産の野菜・果物を直売所や道の駅で楽しめます。

新しい住民を温かく迎え入れる気風があり、地域行事や住民活動を通じて地元の人々との繋がりが自然と深まっていきます。「那須塩原市図書館みるる」やまちなか交流センター「くるる」など、市外からも視察が訪れる公共施設も充実しています。

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

那須塩原市は、東京駅から新幹線で約70分。都会へのアクセスの良さと、自然豊かな暮らしを両立できるまちです。

・塩原温泉郷や板室温泉など、良質な温泉が点在 ・生乳生産量本州一の酪農地帯で、農ある暮らしができる ・都市機能を失わず、身近に自然を感じながら暮らせる ・地域と関わりながら、自分らしい仕事をつくれる ・空き家バンクや創業支援など、起業・第二創業を後押しする制度も充実

栃木県北部に位置し、西部に高原山、北部に那須連山最高峰の三本槍岳を擁し、日光国立公園の一部を形成。四季折々の渓流・紅葉・雪景色が楽しめます。JR東北新幹線・東北自動車道が縦貫する交通の要衝でもあります。

2025年、市制施行20周年を迎えた那須塩原市は、まちのパーパスとして「好きを、編む。」を掲げました。一人ひとりの「好き」を起点に、暮らしと仕事をつくっていけるまちでありたい、という思いが込められています。

私たち株式会社フューチャーリンクネットワーク(FLN)は、この那須塩原市とともに「人×体験×拠点」を束ねて地域とのご縁を紡ぐことをミッションに、地域おこし協力隊の募集事務局を務めています。

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