子どもたちと海へ行くのも日々の保育。成長に一歩踏み込んで関われる、小笠原の保育士
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2026/10/09東京・竹芝から定期船「おがさわら丸」に揺られて片道24時間。太平洋に浮かぶ世界自然遺産・小笠原諸島は、雄大な自然とともに、顔の見えるあたたかいコミュニティが息づく島です。
2026年の春から、父島保育園で保育士として働いている増田陽菜さん。10代の頃、母親の希望で母島で暮らした経験があり、もともと小笠原には縁があったといいます。
千葉県での保育士の仕事を経て、ふたたび「働く場所」として小笠原を選んだ理由は? 内地と小笠原の働き方の違いとは?
フレッシュな視点で、小笠原で保育士として働くことについて語ってもらいました。
子ども時代を過ごした「母島」から、保育士として「父島」へ
保育士になって今年で3年目。今年(2026年)の春に小笠原の父島に渡り、島で唯一の保育園で働き始めてもうすぐ5ヶ月が経つところです。
生まれは千葉県なのですが、実は小・中学生時代を小笠原の母島で過ごしたんです。看護師の母が母島で働くことになったのを機に、私が小学生のときに家族で移住することに。私も中学卒業まで母島で暮らしました。だから私にとって、子ども時代の記憶や「故郷」の思い出といえば、母島なんです。
それから、千葉県内の短大を卒業して保育士になりました。「いつか島に戻って、小笠原で保育士として働いてみたい」という思いはずっと頭のどこかにあって、小笠原で子育てをしている知り合いから「島の保育士が不足している」という話を聞いたのを機に挑戦を決意。配属先は思い出深い母島ではなく父島になりました。
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内地の保育園と父島の保育園、両方を経験して、環境の違いを実感しています。
内地で勤めていた園は交通量の多い大きな道路に面していたため、門には厳重な鍵がかかっていて、散歩では近所の小さな公園へ行くのが日課でした。一方こちらの園はそもそも門がないので、子どもたちとすぐ自然に飛び込むことができます。
海が近いので「海水浴」や「海へのお散歩」も日常の保育活動の中に組み込まれています。保護者の方に「来週は海に行きます」と伝えても「そうなんですね〜」とごく自然に受け止められるのは島ならでは。ウミガメの卵に触れるような、小笠原でしかできない貴重な体験もできるんです。
園庭も広いので、思い切り水遊びをしたり、裸足や泥んこになって遊んだりできる自由な保育環境が自慢です。いま私は2歳児クラスを担当していますが、子どもたちが海に対して見せる素直な反応や、豊かな自然の中でのびのびと育っていく姿を間近で見られるのは、保育士として本当に楽しい瞬間です。
私自身、プライベートでも「圧倒的な自然の近さ」という島の魅力を改めて感じています。休日になれば、車で5分もかからない場所にある海に行ってシュノーケリングを楽しんでいます。
小笠原の海は日によって表情が変わり、晴れている日は底まで透き通るくらい透明で、曇りの日は深い青色になる。そんな変化を日常の中で感じられるのは、島暮らしならではの贅沢だなと思います。
働き方も、内地と小笠原ではかなり違います。
もちろん内地でも保育園によってさまざまだと思いますが、千葉の保育園は早番・中番・遅番とシフトがバラバラで、早い日は朝6時半出勤、遅い日は10時出勤といった変則的な生活でした。時間帯が不規則だとどうしても生活リズムが乱れやすく、精神的にも落ち込んでしまうことがありました。
でも父島の保育園では、勤務時間はだいたい毎日同じです。 毎朝7時前に起きて、7時45分に家を出て8時の朝礼へ。日中はクラス活動やお昼寝の対応をし、延長保育を利用しない子は16時には帰宅。事務作業や翌日の準備を済ませても、17時過ぎには退勤することがほとんどです。遅番でも17時半〜18時前にはお迎えが完了するので、夜遅くまで残業になることはほぼありません。
なので、帰宅してからお風呂に入り、夕飯を食べてゲームを楽しんで、22時頃に就寝するという規則正しく健康的な毎日を送れています。
園の外でも続く交流。子どもの成長に一歩踏み込んで関われる
島で働く上で、切っても切り離せないのが「人間関係の距離感」です。人口が少ない分、仕事とプライベートの境界線がかなり曖昧になります。
休日に外を出歩けば、保護者の方や職場の人、趣味のサッカーを通じて知り合った仲間に必ず遭遇します。飲食店の店員さんが園児の保護者の方だったり、知り合いの親戚が園に通っていたりするのもよくあること。「今日は一人になりたいな」という気分の日は、家でゆっくり過ごすか、車でドライブに出かけたりしてバランスを取っています。
この「距離の近さ」には当然良い面もたくさんあって、子どもたちの成長を保護者の方と一緒に深く喜べる場面も多いです。
例えば以前、カレーが苦手だった子が保育園でカレーを食べられたことがありました。週末の地域のお祭りでその子の保護者の方にお会いしたとき、「この前、園でカレーを食べられたんですよ!」とお伝えしたら「えーっ!すごいじゃん!」とご家族みんなでとても喜んでくれて、本人も誇らしそうにしていました。
園の中だけでなく、島の暮らしの中でも子どもの成長を家族と一緒に喜べる。そんな距離の近さは、小笠原に来て感じたことの一つです。
卒園して終わりではなく、小学生・中学生と成長する姿を間近で見続けられるという良さもあります。
長く働いている保育士の話だと、中学生になった元園児たちが職場体験として園に戻ってきて、「懐かしい!」と言いながら園児をかわいがる姿が見られたり、島を出る前、高校の卒業式後にかつての園児たちが袴姿で挨拶に来てくれることもあるそうです。
園児が大人になって親となり、自分の子どもをまた父島保育園に預けに来るという、世代を超えた感動的な再会もあります。
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「小笠原で働いてみたいけれど、自分に合っているだろうか」と迷っている方もいるかもしれません。あくまでも個人的な考えですが、島暮らしや島の保育士に向いているのは「人と関わることが好きで、フットワークが軽い人」だと思います。
小笠原全体が、2〜3年で入れ替わる任期付き職員や移住者の出入りに慣れているので、島には新しい人を温かく受け入れてくれる土壌があります。自分から挨拶ができたり、雑談を楽しめたりする人なら、すぐに馴染めるはず。一度島で濃い時間を共有した仲間とは、たとえお互いが内地に戻った後でも、東京の竹芝(フェリーターミナルがあるエリア)などで集まって付き合いが続いていく楽しさもあります。
「一生ここで暮らす」と大きな決断をする必要はないんです。「とりあえず2〜3年住んでみよう」「楽しそうだから一度行ってみよう」という「なんとかなるやろ」くらいの軽やかなテンションで来てみるのがいいんじゃないかなと思います。
私も小笠原に来た当初はドタバタで、計画性とは無縁のスタートでした。でも、規則正しい仕事と大自然に囲まれた暮らしを手に入れた今、内地にいた頃よりも圧倒的に気分の波が少なく、穏やかでリラックスした毎日を過ごせています。
保育士や看護師など「手に職」がある方は、住まいや仕事の面でも一歩を踏み出しやすい環境が整っています。もし少しでも小笠原の暮らしに興味があるなら、ぜひ肩の力を抜いて、気楽な気持ちでこの島を選択肢に入れてみてほしいです。
募集要項
※募集者 / 主催者に連絡を取りたい場合、まずは「応募したい」ボタンを押してメッセージを送ってください。
小笠原の豊かな自然をそのまま保育の舞台にし、子どもたちの健やかな成長を育むお仕事です。アットホームな環境で子どもたち一人ひとりとじっくり向き合え、定時退勤しやすい規則正しい労働環境も魅力です。
◆日常の保育業務 ・基本的な生活習慣(食事・睡眠・排泄・着替え等)の自立サポートや安全管理 ・子どもの年齢や成長に合わせた遊び・発達支援(海水浴やお散歩などの自然体験活動含む)
◆保育計画の立案 ・記録日案・週案・月案・指導計画の作成や連絡帳の記入
◆保護者への対応・子育て支援 ・お迎え時の日々の様子の共有や、子育てに関する相談対応・アドバイス
◆地域コミュニティと連携したあたたかい子育て環境づくり ・園内行事の企画 ・運営季節のイベント、運動会、発表会などの準備および実施
◆環境整備、業務準備 ・園内の清掃、保育素材や指導案の準備
保育士資格
同上
◆新卒初任給 229,200円~(短大卒程度)
※村給与規程に基づき、扶養手当、期末勤勉手当等が支給されます。 ※初任給は、卒業後の職歴等によって一定の基準により加算されます。 ※条例改正により、金額等は変わることがあります。 ※職員住宅(有料)完備
<雇用形態> 正職員
<勤務時間> 8:00〜17:15
◎昼休みは一度帰宅して昼食を取るのが島のスタンダードです。 ◎年に1〜2回の長期休暇を順に回していて、内地休暇で2〜3週間のお休みを取るのが普通です。
住所
連絡先
小笠原村役場 総務課 / Bricoleuse合同会社
このプロジェクトの地域
小笠原村
人口 0.28万人
小笠原移住定住窓口が紹介する小笠原村ってこんなところ!
東京から南へ約1,000km。小笠原諸島は、東京都に属しながら空港がなく、東京・竹芝桟橋から定期船で約24時間かけてたどり着く島です。
父島約2,000人、母島約400人が暮らし、行政や観光、農業、漁業、医療、教育など、多様な仕事が島の暮らしを支えています。2011年には世界自然遺産に登録され、一度も大陸と陸続きになったことのない「海洋島」ならではの豊かな自然が残されています。
小笠原での暮らしは、都会のような便利さがあるわけではありません。船の運航に合わせて買い物をしたり、人との助け合いの中で生活したりと、島ならではの工夫があります。その一方で、休日には海へ出かけたり、夕日を眺めたり、満天の星空を見上げたりと、自然がすぐそばにある暮らしを日常として楽しむことができます。
また、小笠原にはさまざまな地域や国にルーツを持つ人々が暮らしてきた歴史があり、現在も本土からの移住者や転勤者など、多様な人が地域を支えています。外から来た人を受け入れる風土が根づいていることも、この島の大きな魅力の一つです。
このページでは、小笠原で暮らし、働く人たちのストーリーや仕事、島での日常を通して、「暮らす場所」としての小笠原の魅力をお届けしていきます。
このプロジェクトの作成者
小笠原村の移住・定住窓口です。 小笠原村は、東京から南へ約1,000kmの太平洋上に位置し、現在は父島に約2,000人、母島に約500人が暮らしています。
一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島で、独自の生態系と多くの固有種・希少種が育まれてきました。その豊かな自然が評価され、2011年には世界自然遺産に登録されています。
ボニンブルーと呼ばれる海にはイルカやクジラが暮らし、年間を通して比較的温暖な気候も特徴です。
また、さまざまなルーツを持つ人々がともに暮らしてきた歴史があり、現在も本土から移り住んだ人が多く暮らしています。