住民の健康を支えながら、ともに生きる。全世代の暮らしに寄り添う、小笠原の保健師の日々
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「興味ある」が押されました!
2026/10/23「興味ある」が押されました!
2026/10/23東京から南へ1000km。青い海に囲まれた小笠原諸島・父島。道ですれ違えば「こんにちは」と声を掛け合う。そんな人と人との距離感が息づいています。
さまざまな場所から移り住んだ人が暮らし、新しく島にやってくる人もめずらしくありません。人との距離は近いけれど、外から来た人も入りやすい。そんなコミュニティも、小笠原の特徴のひとつです。
今回登場するのは、そんな島で妊婦さんや赤ちゃん、子どもから高齢者まで、幅広い世代の健康と暮らしに関わる保健師・石川日南子さん。
仙台のこども病院で5年間小児看護師として働いていた石川さんですが、東日本大震災をきっかけに「人生一度きり、やりたいことに挑戦しよう」と青年海外協力隊に応募。ボリビアの田舎町で子どもたちの身体計測や衛生指導を行う中で、健康づくりを支える保健師の仕事のおもしろさに目覚めます。
帰国後、過去に訪れ縁のあった小笠原村の保健師募集を見つけ、未経験からこの仕事に飛び込みました。
それから約10年。石川さん自身、島で結婚し、現在は2人の子どもを育てる母親でもあります。住民の健康を支える保健師でありながら、自分自身もこの島で暮らし、子育てをする毎日。
仕事と暮らしが重なり合う島だからこその難しさと、それ以上に深いやりがいについて、等身大の言葉で語っていただきました。
赤ちゃんから高齢者まで「まるごと」支える離島保健師の現場
札幌の出身で、大学で看護師と保健師の資格を取得し、新卒から5年間は仙台のこども病院で小児看護師をしていました。
進路の転機となったのは、勤務中に経験した東日本大震災です。「明日何があるかわからない。本当にやりたかったことに挑戦しよう」と一念発起し、子どもの頃からの夢だった青年海外協力隊へ応募しました。
派遣先のボリビアでは、サボテンが生えているような田舎の集落を巡り、子どもたちの体重を測ったり、手洗いの歌を作り、楽しく手洗いする方法を伝えたりしていました。それまで保健師として働いた経験はありませんでしたが、病院の中で患者さんの治療や療養を支える看護の仕事から一歩外へ出て、現地でこうした活動をするうちに「保健師の仕事っておもしろいんだな」と思うようになったんです。
帰国後、たまたま協力隊の求人案内で小笠原村の保健師募集を見つけ、実務未経験ながら応募したのが小笠原との出会いでした。
内地の大規模な自治体だと「母子保健担当」「精神保健担当」「高齢者担当」のように部署が縦割りで分かれているのが一般的ですが、人口規模の小さい小笠原にそういった切り分けはありません。
基本の体制は父島に2人、母島に1人の計3人。担当エリアを決める「地区担当制」をとっており、その地区に住む妊婦さん、赤ちゃん、子ども、成人、障害をお持ちの方から高齢者まで、何かあれば一人の保健師がまるごと対応します。本当に、全部やるんです。(高齢者支援は専任ケアマネジャーさんと連携して動きます)
乳幼児健診、予防接種、育児学級、そして家庭訪問。母島側の保健師が欠員の時には、父島の保健師が2か月に1回ほど、2泊3日で母島へ出張します。限られた滞在の中で母子保健事業や家庭訪問などをまとめて行ったり、専用LINEや電話で住民からの相談を受けたりしています。
一人ひとりの暮らしに世代を超えて関わっていくのが、小笠原の保健師の仕事です。 看護師から保健師にキャリアチェンジした直後は、事務的なことも含め、保健師の仕事について全然わからなくて。先輩に助けてもらいながら、少しずつ仕事を覚えていきました。
母になって生まれた共感と、近すぎる距離感のリアル
小笠原に来て10年、私自身も島で結婚し、現在は4歳と2歳の子どもを育てる母親になりました。この「母になった体験」が、保健師としての私の視点を大きく変えてくれました。
以前から健診などで、お母さんの不安に寄り添いながら声をかけていましたが、自分自身が子育てを経験する中で、見え方や感じ方が大きく変わりました。例えば乳幼児健診のアンケートに「子育ては疲れますか?[はい・いいえ]」という項目があるのですが、「疲れないはずないじゃん! 絶対『はい』だよね」と(笑)
自分が母親になったことでお母さんたちへの向き合い方も変わり、「本当に毎日お疲れさま、疲れるよね」と寄り添えるようになったというか……。自分の経験があるからこそ「大変な時期に保健師としてできる限りのサポートをしたい」という想いはより強くなりました。
一方で、島特有の「距離の近さ」には良さと難しさの両面があります。 産後の孤独になりがちな時期、外に出れば誰かしらと会えて「日頃の悩みや大変さを話し合って気持ちを切り替えられる」「みんなで子どもを育てている安心感がある」のは、私自身すごく助けられました。
ただ、プライベートの「ママ友」と「保健師」という立場が重なる難しさもあります。健診の場で「食事に気をつけましょうね」と指導したあと、商店で自分の買い物カゴに入ったカップラーメンを見られると気まずいですね(笑)
また、顔見知りだからこそ、相談しづらいこともあるのではないかと思います。そうしたことも考えながら、必要に応じてもう一人の保健師が対応するなど、相談しやすい環境をつくることも大切にしています。
人との距離感が近い島だからこそ、妊娠中から出産後、子育ての時期まで、長くお母さんや子どもたちに関わることができます。お母さんのすぐそばで、子どもたちの成長を一緒に見守っていけることは、本当に幸せなことですし、保健師として大きなやりがいを感じています。
平日は朝8時から17時15分まで仕事。仕事を終えたら、17時30分までに保育園へ子どもたちを迎えに行きます。そこから家に帰ると、夕食にお風呂、寝かしつけ。帰ってからはもう戦争です(笑)
でも、職場も保育園も家も近くて移動にほとんど時間がかからないことや、職場の配慮や家族の協力など、周りの支えがあるからこそ、仕事と子育てをなんとか両立できているのかなと思います。
島暮らしや仕事には大変な面もありますが、完璧を求めず「まあいっか」と大らかに受け流す柔軟性があれば大丈夫。小笠原の仕事に興味がある人には、来てみてダメだったら帰ればいいので「ひとまず遊びにおいで」と伝えたいですね。
私自身も、これまで島のたくさんの方に助けてもらい、支えてもらいながらここまでやってくることができました。だからこそ、今度は自分が、地域の方たちに少しでも恩返しができたらと思っています。私にできることがあれば、できる限り力になりたいです。
一人ひとりの暮らしに、世代を超えて関わっていく。 そして、保健師として住民を支えながら、自分自身もこの島で暮らしていく。 そんな両面の毎日を、小笠原で重ねられているなと感じます。
募集要項
※募集者 / 主催者に連絡を取りたい場合、まずは「応募したい」ボタンを押してメッセージを送ってください。
◾️全世代の健康を支える「地区担当制」での保健活動 乳幼児健診、予防接種、家庭訪問、健康相談など。一人の人生に広く、長く寄り添います。
◾️母子保健・育児支援 妊娠期から子育て期間まで、親子に寄り添いながら切れ目のない支援を行います。健診や育児学級などを通じて、保護者の悩みや不安に耳を傾け、地域で子どもの成長を見守りながら、安心して子育てできる環境をつくります。
◾️関係機関やケアマネジャーと連携した「地域ケア」 高齢者や障害をお持ちの方の支援では、専任のケアマネジャーや診療所、福祉施設と密に連携して動きます。
◾️母島への出張業務・デジタルを活用した遠隔相談 定期的な母島への出張で健診や家庭訪問を実施するほか、専用LINEや電話を活用して日常の健康相談に応じます。
・看護師免許 ・保健師免許
同上
◆新卒初任給 263,400円(短大3卒)~ 269,100円(4大卒)~
※2026年10月現在、新規の採用を行っておりません。欠員が出た場合に改めて募集要項をご案内します。 ※村給与規程に基づき、扶養手当、期末勤勉手当等が支給されます。 ※初任給は、卒業後の職歴等によって一定の基準により加算されます。 ※条例改正により、金額等は変わることがあります。 ※職員住宅(有料)完備
<雇用形態> 正職員
<勤務時間> 8:00〜17:15
◎昼休みは一度帰宅して昼食を取るのが島のスタンダードです。 ◎年に1〜2回の長期休暇を順に回していて、内地休暇で2〜3週間のお休みを取るのが普通です。
住所
連絡先
小笠原村役場 総務課 / Bricoleuse合同会社
このプロジェクトの地域
小笠原村
人口 0.28万人
小笠原移住定住窓口が紹介する小笠原村ってこんなところ!
東京から南へ約1,000km。小笠原諸島は、東京都に属しながら空港がなく、東京・竹芝桟橋から定期船で約24時間かけてたどり着く島です。
父島に約2,000人、母島に約400人が暮らし、行政や観光、農業、漁業、医療、教育など、多様な仕事が島の暮らしを支えています。2011年には世界自然遺産に登録され、一度も大陸と陸続きになったことのない「海洋島」ならではの豊かな自然が残されています。
小笠原での暮らしは、都会のような便利さがあるわけではありません。船の運航に合わせて買い物をしたり、人との助け合いの中で生活したりと、島ならではの工夫があります。その一方で、休日には海へ出かけたり、夕日を眺めたり、満天の星空を見上げたりと、自然がすぐそばにある暮らしを日常として楽しむことができます。
また、小笠原にはさまざまな地域や国にルーツを持つ人々が暮らしてきた歴史があり、現在も本土からの移住者や転勤者など、多様な人が地域を支えています。外から来た人を受け入れる風土が根づいていることも、この島の大きな魅力の一つです。
このページでは、小笠原で暮らし、働く人たちのストーリーや仕事、島での日常を通して、「暮らす場所」としての小笠原の魅力をお届けしていきます。
このプロジェクトの作成者
小笠原村の移住・定住窓口です。 小笠原村は、東京から南へ約1,000kmの太平洋上に位置し、現在は父島に約2,000人、母島に約500人が暮らしています。
一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島で、独自の生態系と多くの固有種・希少種が育まれてきました。その豊かな自然が評価され、2011年には世界自然遺産に登録されています。
ボニンブルーと呼ばれる海にはイルカやクジラが暮らし、年間を通して比較的温暖な気候も特徴です。
また、さまざまなルーツを持つ人々がともに暮らしてきた歴史があり、現在も本土から移り住んだ人が多く暮らしています。