大川村に戻ってもっと好きになった、ふるさとのごはん。今、その味を届けたい。

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2026/10/30

東京で働いていた頃、「便利だけどどこか満たされない」そんな思いを抱えていたという山中さん。進学を機に村を離れますが、3年前にふるさとである大川村に戻ってきました。現在は村の直売所や食堂運営に携わりながら、土佐はちきん地鶏の肉味噌づくりに取り組んでいます。

都会での便利な暮らしより、大川村での暮らしを選んだ山中さん。その原動力のもととなっているのは「お米が好きだから」という、とてもシンプルな想いでした。子どもの頃から親しんできたお米や地域の食文化に真摯に向き合う山中さんに、その想いを伺いました。

都会で気づいた、本当に大切にしたい暮らし

山中さんは大学進学を機に、高知県を離れ関西へ。就職してからは長く東京で暮らしていました。東京での生活は刺激にあふれ、仕事も充実していたそう。しかし、満員電車での通勤やビルに囲まれた暮らしに、少しずつ違和感を覚えるようになったといいます。 「見渡しても山が見えない。気づいたら四季を感じる機会も少なくなっていました。」充実していたはずの都会の生活でしたが、気づかないうちに少しずつ疲弊していたのかもしれません。

そんな都会への違和感を決定的なものにしたのが、東日本大震災でした。電車が止まりコンビニも機能しない中、山中さんの目に焼き付いたのが我先にと買い占めに走る大勢の人たち。生きていくのに必要なものが絶対的に足りないうえ、助け合いという概念はあまり機能していないように思いました。

「そこで、東京はいつまでも暮らす場所ではないな、と気づきましたね」咄嗟に頭に浮かんだのはふるさとの風景。「帰ろう」そう決意した瞬間でした。

子どもの頃の記憶が、ふるさとへ導いてくれた

一度高知市に戻った山中さん。持続可能な社会づくりの理念に惹かれ、木質バイオマスに関わる仕事に携わります。環境教育などにも取り組む中で、次第に「次の世代に何を残したいのか」を考えるように。 「自分が子どもの時を振り返ると、大川村で食べていたものは美味しかったなって。あと遊んでいる時間も楽しかった」山中さんの頭の中には、ふるさとの原風景-友達と山を駆け回り、ツクシを採り、川で魚を捕まえる-豊かな日々が鮮明に思い起こされました。

特に心に残っているのが、大川村の食卓です。地域で採れた野菜や山菜、川魚。さらにフキや原木しいたけの佃煮、イタドリの加工品など。ご飯を美味しく食べるための一品が、当たり前のように食卓に並んでいました。中でも“ふき”の佃煮は山中さんのイチオシだそう。「これがあれば、ごはんがどんどん進みます!」そうアピールしてくれました。

地域で採れた食材を味わいながら囲む食卓。そんな大川村らしい暮らしを未来へつないでいきたい。その想いを胸に山中さんはとうとうふるさとへ戻ることを決意します。

小さな頃から慣れ親しんでいる日常風景
小さな頃から慣れ親しんでいる日常風景
山中さんのイチオシ「ふきの佃煮」
山中さんのイチオシ「ふきの佃煮」

「お米さえあれば幸せ」。その想いから生まれた肉味噌

大川村で次世代のために何ができるか考えていた山中さん。ある日、今ではあまり見られなくなった「はでかけ」という、昔ながらの方法で乾燥させたお米を食べる機会に恵まれます。「もう、一口食べた瞬間『うわ、美味しい!』って思わず声が出ましたね。甘味が全然違う。」子どもの頃から当たり前のように食べてきたお米でしたが、改めてその魅力を実感。

「ごはんと味噌汁、それにもう一品美味しいおかずがあれば十分幸せなんだ。」 お米を囲む食卓の豊かさを皆に伝えたい、そう心に決めた出来事でした。

そこから取り組み始めたのが、土佐はちきん地鶏と大川村の伝統的な味噌を使った肉味噌づくり。もともとは村内の食堂で人気だった「冷やし担々風うどん」に使われていた肉味噌ですが、これを自宅でも楽しめるように改良。何度も食堂メンバーらと話し合いを重ね、ご飯や麺にのせるだけでなく調味料としても使える商品として2026年3月に販売を開始しました。この肉味噌が、大川村の味を多くの人に届ける特別な一品になろうとしています。

担々肉味噌を試作している様子
担々肉味噌を試作している様子
ご飯が止まらない!担々肉味噌
ご飯が止まらない!担々肉味噌

お米のある生活は暮らしの豊かさにつながっている

最後に、山中さんに大川村に戻ってきてよかったことを尋ねてみました。

「何気ないことが幸せって気づいたことですね。私は温かいごはんと美味しいおかずがあれば幸せ。」山の水を飲み、季節の食材を味わう。美味しいお米を食べる。自然の恵みをいただくことの豊かさ。それらが幸福度の高さにつながっていると言います。

そして、今まで値段ばかり気にして買っていたものを、今では「どんな人が作ったんだろう」とその背景まで見たいと思うようになったそう。

「それらも全て心に余裕があるから」とほほ笑む山中さん。都会の暮らしに違和感を持つ人は、一度自分にとっての幸福が何であるか、彼女のように自身に問うてみるといいかもしれません。

★山中さんは12月13日開催『土佐れいほく地域交流会in東京』にゲスト参加します。 詳しくはこちらをご覧ください⇒https://smout.jp/plans/32190

大川村には、ほかにも自然の恵みがたくさんある
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山中さんにもっと話が聞ける!土佐れいほく交流会を東京で開催
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このプロジェクトの地域

高知県

土佐町

人口 0.34万人

川村 幸司が紹介する土佐町ってこんなところ!

高知市から車で1時間弱。 吉野川水域のこの地域は山に囲まれ、川に恵まれた地域。 夏は子供たちが川で遊ぶ姿が日常に見られます。 高知県の中でも移住の先進地であり、昔ながらの暮らしだけでなく 新しい風もどんどん吹いている。そんな印象です。

このプロジェクトの作成者

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移住支援NPO団体の代表。地元土佐町出身。子供が生まれたのをきっかけに京都からUターン。

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