地域おこし協力隊の朝比奈遥さんから居場所づくりの魅力を聞きました

地域おこし協力隊3年目の朝比奈遥さんにインタビューしました。

朝比奈さんは、「おおたき里づくりネットワーク」の代表をされています。多賀町大滝地区の地域課題解決、地域資源の発見・活用、地域魅力の創造・発信を通じて、地域の元気づくり、健康づくり、交流等を行い、持続可能な地域づくりの推進に寄与することを目的 として活動をされています。
大学院卒業後、普通に会社勤めではなく、地域おこし協力隊の道を選ばれました。静岡県出身の朝比奈さんは、もともとは建築に興味があったそうですが、高校生の時に「まちづくり」という分野があることを知ったのがきっかけで今につながっています。現在の活動やこれからのことを聞きました。

幼心に感じた寂しさが地域コミュニティの希薄さと気づき今につながる

T(龍見):地域おこし協力隊になったきっかけは?
朝比奈さん:大学生の時、月1回「大滝里づくり魅力化プロジェクト」に記録係として参加していました。まちづくりでやりたいこと、課題解決のためにやりたいことの案が次々と住民さんから出てきました。じゃあこれから、誰がその案をやるの?ってなって。地域おこし協力隊を入れようということになりました。その時は、誰かがやってくれるのかなあ?と思っていて、自分はまちづくり会社か企業に勤めるのかなぁと・・・。
でも、会社に勤めると地域に関わる頻度が少なくなるのでは?と想像した時に、もう少し地域と関わっていたいと思いました。

T:大学でも地域のことを学んでおられましたよね?
朝比奈さん:滋賀県立大学の環境政策・計画学科でした。

T:地域に関わって何かをしたいと思った最初のきっかけは?
朝比奈さん:高校生の時、大学の模擬講義があり、テーマが「まちづくり」でした。その時、はじめて「まちづくり」という概念と、そういう分野があることを知り感銘を受けました。
面白い!と思ったのは、公園を緑化整備したら地域の人が感動して、地域の人たちで環境を守ろうと、自然とコニュニティが生まれたという事例でした。自分が旗を揚げてコミュニティをつくります!ではなく、自然と生じたという事例が響きました。
子どもの頃に感じた体験と結びつく瞬間でした。
地元の運動会が面倒くさいという理由で廃れたのがさみしくて。いつも顔を合わさない近所の人が寄って一緒にご飯を食べることが楽しくて良かったのに、という思いが幼心にずっとありました。それを自分は欲していたのかなぁと。地域の中から自然にコミュニティが生まれるきっかけ作りが出来たらと思って。

T:多賀町に住んでみて感じた魅力は?
朝比奈さん:地域の方の地元愛が強いです。地元の人の熱意に惹かれてここに来たというのもあります。あと四季折々の自然があり、川も綺麗で感動しました。

「大人の居場所づくり」地域の人が気軽に寄って他愛もない話ができる場所

「大人の居場所づくり」地域の人が気軽に寄って他愛もない話ができる場所

古民家を改装して活動の場づくり。今年度から「大人の居場所づくり」やカフェとして活用されています。

古民家を改装して活動の場づくり。今年度から「大人の居場所づくり」やカフェとして活用されています。

やりたいことができる場、チャレンジできる場を作りたい

T:今やっていることは?
朝比奈さん:たくさんやっていることのひとつ、居場所づくり事業では、「子どもの居場所づくり」「大人の居場所づくり」をおこなっています。
子どもの居場所づくりでは、月1回大瀧神社を拠点に『おおたきものづくりラボ』というイベントを開催し、みんなで遊んだりものづくりをしたり、一緒にご飯やおやつを食べたりしています。
大人の居場所づくりでは、『コミュニティ・キッチンおおたき』を活用して、地域の方が中心となってカフェやサロンをおこなっています。
T:朝比奈さんは、大人の居場所作りと、自販機の担当をしているんですね。自動販売機は斬新ですよね!
朝比奈さん:普段、大瀧神社は神職さんが不在なので、授与品と大滝のグッズ、小石丸グッズを入れてます。
T:小石丸のデザインかわいいですよね。
朝比奈さん:大瀧神社の大蛇ヶ淵や犬胴松に伝わる小石丸という忠犬の昔話をモチーフに、2年前に武蔵野美術大学の学生に2週間滞在してもらい、デザインをしてもらいました。

T:「大人の居場所づくり」は地域の人と交流できる素敵な場所になっていますよね。
朝比奈さん:カフェをやりたい、場所貸しをしたいと提案した時に、すぐに手をあげてくれた地元の人がいました。地域の人が主体的にしたいことをサポートすること、地域の人が集まっておしゃべりをする居場所作りに関心があったので。
T:それが実現していますよね。
朝比奈さん:大人の居場所づくりは、先月初めてやって今回で3回目です。まだ、名前がきちんとついていませんが、地元の方が活躍できる場所があるのが良いと思います。

T:これからやりたいことは?
朝比奈さん:ここをもう少し整備して、農家レストランやカフェが出来たらいいなと思います。できれば若い方も巻き込んでいきたいですし、もっといろんな方に関わってもらいたいです。自分のやりたいことができる場、チャレンジするを場を作りたいと思っています。
地域の方の力で地域がよくなればいいなあと思います。そして、多賀のファン、大滝のファンが増えれば。

「大人の居場所づくり」の拠点で3回目のカフェ。コーヒーセットの他に季節の手作り和菓子やお惣菜も販売。

「大人の居場所づくり」の拠点で3回目のカフェ。コーヒーセットの他に季節の手作り和菓子やお惣菜も販売。

大瀧神社の忠犬こいしまる自動販売機。

大瀧神社の忠犬こいしまる自動販売機。

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多賀町
龍見 茂登子が紹介する多賀町ってこんなところ!

「犬胴松」(写真)は、多賀町富之尾、大瀧神社の横にあります。ここに伝わる民話が「小石丸伝説」です。昔、犬上川には大蛇が住んでいました。「稲依別王命」が「小石丸」という忠犬を連れて猟をされていました。しかしミコトがお疲れになって休んでいると、小石丸がけたたましく吠え立てます。ミコトがやかましい!となだめるも吠え立てます。ミコトは腹を立てて、犬の首を跳ね飛ばしてしまいました。ところが、跳ね飛ばされた小石丸の首は大蛇の喉に噛みつきミコトを救われました。忠犬を弔い植えた木が「犬胴松」。現在祠の松は2代目の切り株だとか。
ところで、「小石丸」の子孫「鎮平六」が丹波篠山市でバケモノ退治をしたという伝説があることを知りました。「近江の国の犬上郡に鎮平六という犬がおって、バケモノを退治してくれる」という神のお告げがあり、かり出されて犬飼村の大歳神社へ行ったという。
近江の豪族が、古代水利などを治め、各地を治めていった歴史的背景が民話からうかがえます。

龍見 茂登子
多賀町まちづくりネットワーク・YOBISHIプロジェクト・シガタガゾウのサト祭り実行委員会・桃原プロジェクト 所属

香川県東かがわ市生まれ
高校卒業後、県外の大学に進学
大学卒業後、東京で就職。
転職後、京都市内に住む。
結婚して、京都府木津川市に住む。
その後、天理市、奈良市に住み、
現在パートナーの実家がある滋賀県多賀町に住んで16年になります。
多賀町の自然の美しさに感動し、草花の種類の豊富さに驚き、越して来たころは植物図鑑片手に植物の名前を調べ歩きました。
2014年頃より、多賀町の民俗聞き取り調査に参加。
主に食文化について調査しています。
2019年、多賀町中央公民館オープン時に、地元の郷土料理を展示してふるまうイベントを主催。
2019年4月より、「多賀の食べるをつなぐ」をコンセプトにYOBISHIプロジェクトがはじまりました。
現在YOBISHIプロジェクトの代表をしています。
YOBISHIよびしとは、多賀町の方言で親戚やご近所さんを呼んで行事の時などにおもてなしをすること。
多賀町に伝わる郷土料理の聞き取り調査をして、レシピ化する活動をしています。聞き取った内容は、noteに綴り公開。また、動画撮影をしてYouTubeで少しずつ公開しています。
イベント情報はYOBISHIのInstagramアカウントで発信中。
年数回イベントに合わせて、町内全戸に「よびし通信」を発行。



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