あいちの離島 佐久島地域おこし協力隊インタビュー「移住は、自分の裁量で生きる自由」

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公開日:2025/03/21 08:01

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2025/03/23

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愛知県には、「人が暮らす3つの離島」があります。 2つは、知多半島の先、南知多町の篠島・日間賀島で、漁業と観光で人気の離島です。そしてもう1つは、西尾市の佐久島で、アートの島として知る人ぞ知る離島です。 三河湾に浮かぶ個性的な3つの島には、歴史や地理的な背景から独特な文化があります。いずれも温暖な気候で、陸地とも近く、内海なので比較的穏やかな海で、島時間が体感できます。 この記事では、「佐久島」で活躍する3名の地域おこし協力隊のインタビューをご紹介します! 佐久島は、約180人の小さな生活の島ですが、漫画や映画のロケ地、様々な撮影地として活用される景観をもち、多くの人が訪れる島でもあります。

池部彰さん

  1. 移住を決めた理由 — 移住前はどこに住んでいましたか? 日本各地を転々としていました。海外ではワーキングホリデーで観光業の仕事をし、国内では季節労働をしながら農作業を経験していました。 — その頃の暮らしにはどんな課題がありましたか? 自由に動ける暮らしは魅力的でしたが、拠点がないと長期的な計画が立てづらいのが難点でした。 — それで移住を決めたのですね? はい。観光に関わる仕事を、自分の気に入った場所でやりたいと思っていた時に、佐久島の地域おこし協力隊の募集を知りました。

  2. 移住先の決定 — 他の地域も検討しましたか? 特に他県と比較したわけではありませんが、佐久島は地元の西尾市に近く、もともと知っている土地だったので自然な流れでした。 — 佐久島を選んだ最大の理由は? アートプロジェクトで活気づいていることや、観光業の可能性を感じたことですね。あと、地域のコミュニティが柔軟で、移住者も溶け込みやすいと感じました。

  3. 住まいと地域の暮らし — 住まいはどのように決めましたか? 協力隊の活動をしながら島内で探しました。 — 実際に住んでみてどうですか? 佐久島は、都会のように細かいルールが決まっているわけではなく、地域の関係が自然に形成されているのがいいですね。 — ご近所との関係は? 佐久島は助け合いの文化が根付いているので、特に意識せずとも自然に関わりが生まれます。例えば、近所の方が野菜や魚をくれるので、自分もお返しをする。それが特別なルールというより、普通のこととして存在しているのが心地いいですね。 — 生活で不便に感じることはありますか? やはり夏場の虫ですね。ムカデ、蚊、スズメバチとの戦いは避けられないですが、長靴やゴム手袋が一番頼りになります。デジタル技術も大事ですが、最終的に役立つのはこういうシンプルな道具だったりします。

  4. 仕事・収入の変化 — 仕事の変化はありましたか? 地域おこし協力隊の活動をしながら、観光関連の仕事を模索しています。佐久島は観光資源が豊富なので、工夫次第でいろいろできそうです。

  5. 1日の過ごし方と地域での関わり — 1日の過ごし方を教えてください。 日中は地域おこし協力隊の活動をし、空いた時間に地域の人と話したり、イベントの準備をしたりしています。 — 地域の人との関係はどうですか? 佐久島は移住者の自然な感性を尊重しながら、ゆるやかにコミュニティへ溶け込ませるような雰囲気がありますね。地域のルールが押し付けがましくないのが良いところです。

  6. 愛知の魅力 — 佐久島の暮らしを通じて、愛知の良さをどう感じていますか? 名古屋という都市が近くにありながら、こういう離島の生活ができるのが魅力ですね。

  7. これから移住を考える人へ — 事前に準備しておいてよかったことは? 国内外での仕事の経験ですね。柔軟に働く力があると、どこでも暮らしやすいと思います。 — アドバイスをお願いします。 移住は「しがらみの多い場所に入る」ことではなく、「自分の裁量で生きる自由を得ること」だと思います。佐久島は、その自由を実現しやすい場所ですね。

安田千華さん

  1. 移住を決めた理由 — 移住前はどこに住んでいましたか? 愛知県稲沢市に住んでいました。

— その頃の暮らしにはどんな課題がありましたか? 物質的には恵まれていると感じていたが、ほぼ人工的な環境や人との繋がりの希薄さに疑問を抱いていました。

— それで移住を決めたのですね? はい。

  1. 移住先の決定 — 他の地域も検討しましたか? いいえ、検討していないです。

— 佐久島を選んだ最大の理由は? 自然が多い環境です。

  1. 住まいと地域の暮らし — 住まいはどのように決めましたか? 協力隊は西尾市が借りた家に住むため、紹介された家を住居としました。

— 実際に住んでみてどうですか? 昔ながらの住まいならではのメリット・デメリットの双方を感じています。

— ご近所との関係は? 良好です。いつも支えていただいております。

— 生活で不便に感じることはありますか? 島暮らし故、食料や日用品の買い出しに時間・労力が割かれますが、その不便さも楽しめております。

  1. 仕事・収入の変化 — 仕事の変化はありましたか? 前職と比べて、人との関りが多くなったので、より深みのあるお仕事に変化いたしました。

  2. 1日の過ごし方と地域での関わり — 1日の過ごし方を教えてください。 島の方と交流したり、島の自然を満喫しています。

— 地域の人との関係はどうですか? 一緒に行事に参加したり、お料理したり、お話したり、知恵を享受させていただいたりと、ここでしか得られない関係を築かせていただいております。

  1. 愛知の魅力 — 佐久島の暮らしを通じて、愛知の良さをどう感じていますか? 温暖な気候に恵まれた愛知県の過ごしやすさに加えて、広大な自然のある佐久島で生活ができる今の環境に大変満足しております。

  2. これから移住を考える人へ — 事前に準備しておいてよかったことは? 食料確保です。

— アドバイスをお願いします。 移住先のライフラインがどのように機能しているかを知っておくことが一番大切だと感じています。自分にとって本当に必要なことを知れるのが移住の魅力だと体感しているので、まず小さな一歩(体験や制度を利用する)からでも行動してみることをオススメいたします。

—今後の地域おこし協力隊としての活動内容は? 子どもと食の関わりを探っていきたいと考えています。例えば、子どもたちと一緒に宿泊して農業体験をする、畑でとれたもので料理を提供するなどです。これは退任してからの職業としても考えています。

矢部ユカさん

  1. 移住を決めた理由 — 移住前はどこに? 愛知県豊田市です。

— その頃の暮らしの課題は? 学生時代から動物の研究をしてきたので、研究活動をしながらできる仕事を探していました。ちょうどそのタイミングで佐久島の地域おこし協力隊を募集しているという話を聞き、島で仕事をしながら調査研究ができる環境が整っていたので魅力的に感じました。

  1. 移住先の決定 — 佐久島を選んだ最大の理由は? 海が近く里山的な環境も残っていて様々な生き物が生息していることが一番の理由です。

  2. 住まいと地域の暮らし — 住まいはどのように決めましたか? 協力隊は西尾市が借りた家に住むため、紹介された家を住居としました。

— 実際に住んでみてどうですか? 一人で住むにはちょうど良い広さで、海や職場が近いので気に入っています。また、島は交通量が少なく自然の音がよく聞こえ、とても良いです。

— ご近所との関係は? 私の家は、集落からやや離れた位置にあるためそこまでご近所付き合いは密ではないですが、顔を合わせたら笑顔で挨拶してくれ、時々野菜をくださり、とてもよくしてもらっています。

— 生活で不便に感じることは? 本土での用事は船の時間に合わせる必要があるので、当日の第一便に乗っても間に合わない場合は前日から島外に出る必要があったり、数時間で済むような用事が一日掛かってしまったりするなど、本土との関係に不便はあります。

  1. 仕事・収入の変化 — 仕事の変化は? 決められた業務以外は自由に時間を使えるので、自分で定めた目標に様々なチャレンジができるのが以前とは全く違うと思います。

  2. 1日の過ごし方と地域での関わり — 1日の過ごし方は? 基本的に休日は副業のため島内に居ないことが多いのですが、それ以外の空き時間は島内散策をしていることが多いです。同じ場所でも季節や天候、時間帯によってみられる景色が違うので全然飽きないです。

— 地域の人との関係はどうですか? とても良好です。最初の島民の方へ自己紹介で動物好きだと伝えたことで、「こんなの見かけたよ」と写真を送ってくれたり、他にも知りたいことやわからないことなどがあると優しく教えてくれます。

  1. 愛知の魅力 — 佐久島の暮らしを通じて、愛知の良さをどう感じますか? 愛知県には多様な生態系が存在していますが、佐久島はその中でも海と里山環境をぎゅっと縮小したような良いサイズ感の島なので、誰でも手軽に自然を楽しめる場所です。佐久島を通して愛知県の自然の豊かさや、自然の面白さをよく実感します。

  2. これから移住を考える人へ — 事前に準備しておいてよかったことは? どんな雰囲気の島なのかは文献やネット検索だけではわからないので、実際に訪れ何泊かしながら島の人たちと交流する機会があったのは、心の準備をするうえでもとても良かったです。

— アドバイスをお願いします。 佐久島はとても魅力のある島ですが、離島である以上実際に住むとなると本土とは違った暮らしになります。まずは一度、二度三度と島に来て、短期間でもよいので島の暮らしを体験すると、実際に自分が住むようになった時のイメージがしやすいと思います。そこでもし佐久島のことを気に入ってもらえたなら、きっと楽しく過ごせると思います。

-今後の地域おこし協力隊としての活動内容は? 島には豊かな自然があり、でも島の人も気づいていないことが多いです。そこで、こんなに島には大切なものがあると島の人に伝えたい。島民に向けての発表会や冊子にしてみなさんに広めていきたい。

このプロジェクトの地域

愛知県

愛知県

人口 745.56万人

愛知県

愛知県庁が紹介する愛知県ってこんなところ!

日本列島のまんなかに位置する“愛知県” は、自動車産業をはじめとしたモノづくりが有名ですが、実は、山里や離島など豊かな自然に恵まれたところなんです。 愛知県の東に位置する三河山間地域には、さまざまな伝統を育んできた山里があり、知多半島と渥美半島に抱かれた三河湾のほぼ真ん中には、3つの個性的な離島があります。

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愛知県にはあなたが想う田舎があります。愛知県は産業県としてイメージされる方が多い県ですが、都市地域から近い山間地や離島があります。ぜひ、あなたの知らない愛知県の魅力に触れてみませんか。

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