
わたしを旅する、生き方を描く 〜ささをかみさきが多賀町で見つけたもの〜 【後編】
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2025/07/01「興味ある」が押されました!
2025/06/20今年度から多賀町でスタートする『ふるさとワーキングホリデー』。 ポータルサイトに載せる多賀町のページを制作するために、クリエイターとして活動している「ささをか みさき」さんが、2025年5月1日から1ヶ月間多賀町に滞在しながらアイデアを膨らませてくださいました!
今回は、ささをか さん...“ささちゃん”に、活動のことや多賀町に来て感じたことをインタビューしてみました。 前編はこちらから https://smout.jp/plans/22485
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ささをか みさき 1996年、兵庫県生まれ。2021年から3年間、宮城県気仙沼市に移住。グラフィックデザイナーとイラストレーターとして活動しながら、2024年9月から全国各地を巡っている『人を旅するクリエイター』。 ◼︎Instagram:@asagohan.tabeta ◼︎note:https://note.com/sasawoka_walks
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写真(トップ):hinako takezawa
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電波塔のように想いを伝える “人生はバトンパス”という生き方
─── 『人生はバトンパス』という人生観のもと、『だれも取りこぼさない社会』を目指して活動をしているささをかさん。 「自分らしい生き方とは何か、働くとは何か、生きるとは何かを未来の人が考えた時に、『過去にこういうことをしていた人がいたんだ!』という参考資料に、わたし自身なれたらいいなと思っている」と話してくださいました。
─── ささちゃんがいろいろな生き方・価値観に出会って発信することで、ささちゃんを通してバトンが渡っていると感じました
そうだね。未来にもそうだし今一緒に生きている現代の人たちにも、いろいろな思想や価値観、生き方を届けることで、その人たちが刺激を受けて、影響が広がっていく。 偉大な一人が歴史を動かすのではなくて、みんなが少しずつ影響し合って変わっていくと思う。わたしはわたしにできる影響を与えることで、みんなが相互的に影響を与え合えるようになるんじゃないかな。だからもう黙らずに!とにかく発信しようと思っています。
─── その発信媒体は、今はSNSがメイン?
SNSの中でも、Instagramでの発信が多いです。あとはSpotifyで配信している『私(わ)がままライフラジオ』。 でも一番の発信方法は、わたし自身と出会ってもらうことだと思っている。SNSでいっぱい話すよりも、直接わたしの空気感や言葉から感じ取ってもらう方が、より質の高いものを届けられる。 今はこうして旅をしているから、そんなにSNSを頑張らなくても、ここでたくさんの人に出会って誠実に関わっていれば、それでいいかなと。
─── なるほど......お話を聞いて、ささちゃんは電波塔みたいだなと思いました
電波塔!?うれしい、アンテナ立ってる? “でんぱ”って、ダブルミーニングだよね。“電波”と“伝播”。
─── たしかに!さすが!


モノクロの世界に色が差した日 “描きたい”気持ちを信じて
─── こういう活動をしてよかったと感じたこと、大変だったことはありますか?
よかったと思ったことは、今年に入ってから、「ささちゃんの言葉や作品に救われる」と言われることがちらほらとあって。 「救われる」って大層な言葉だから、まさかそんな言葉をいただけるなんて思っていなかったからありがたくて......衝撃と、うれしい気持ちがあった。 わたしはまず第一に、自分が生きたい生き方をして、自分を幸せにするためにやっているから、それで周りの人が少なからず良い影響を受けてくれていたことがとてもうれしかった。
一方で大変だったのは、「救われる」と言われてうれしかった分「救いたい!」と思ってしまったこと。 絵の展示をした時に涙を流してくださる方が何人かいたので、ちょうど3月〜4月は「救いたい!」という気持ちが大きくなって、「絵を描かなきゃ!描かなきゃ!」と思った。でも、そう思えば思うほど、絵は描けない。 そんな状態が続いて苦しかったのだけど、4月に「なぜ救いたいのだろう?」「なぜ焦ってしまうのだろう?」と自分と向き合って考えた時に、「わたしが救わないと、その人は救われない」と思ってしまっていたことに気づいた。 つまり「その人が自分で生きる力を信頼していない」ということで、それはとても傲慢な考えだな、と思った。 自分で自分を立て直す力も、生きる力も、みんなに備わっている。 救いたい気持ちはあるけれど、だからといって焦るのは違うし、「救われる」と言ってくれた人は、わたしが楽しく、自分が描きたくて自分のために描いた作品を通してそう感じてくれた。だから「救いたい」を第一目標とした作品・発信・言葉は、ピュアじゃない。 そこに気づいてから軌道修正して、まず自分が楽しむこと、描きたいものを描くことを大切にするようになった。 それをきっかけに、今までずっとモノクロの絵を描いていたけれど、無理に固執しなくていいと思ったし、4月末に「色のあるの絵を描きたい!描きまくろう!」いう気持ちのままカラーの絵を描き始めたことで、大変な時期を乗り越えられたと感じています。
─── すばらしい気づきですね...! カラーの絵を描きたい気持ちが芽生えてすぐ多賀町に来られましたが、多賀町での生活はどうでしたか?
とっても住みやすい!忖度なく、本当にすてきな土地だと感じています。 多賀町も、大滝地域も、言葉が合っているかわからないけど......“田舎”だし、わたしが過ごしていたところは“集落”なのに、お隣りさんも、道ですれ違った人も、お祭りで会った人も、とてもウェルカムなムードだったことが本当に特別だな、と。 旅をしていて、移住者が新しいことをやっていても地域の方に上手く理解されていないところがいくつかあったから、多賀町や大滝地域は本当にすてきだと思った。
それに、何かに挑戦している人も多い。いろいろな人が新しいことにチャレンジしている時期に偶然立ち会っただけかもしれないけれど...とても良いエネルギーを分けてもらった。
あと、自然がすばらしい!


静けさの中に響く音 多賀町がくれた心の余白
─── 多賀に来て、特にお気に入りになったものやおすすめはありますか?
お気に入りの木を見つけました! 散歩中、滞在先の家から歩いてすぐのところに木があって、出会った瞬間「あ、この木好き...」ってなった。 木を見て安心することってあるんだ...と思った。抱きしめてみたかったけれど、急斜面だし周りに草もいっぱい生えていたから叶わず。でも、その木の前で絵を描いてみました!
あと、川の近くはどこもすてき。川の音がとってもいい。
それから、『里和浸酒(薬草酒)』も美味しかった! 『こいしまるのいえ(NPO法人おおたき里づくりネットワークの事務所 兼 コミュニティスペース)』の雰囲気もよかった。 大瀧神社も好き。あれだけ川が近くにある神社ってあるんだ!ってびっくりした。いい静けさの神社だった。
多賀町の“静けさ”が、とても好きだなぁ。 音が無いわけではない。虫や鳥の鳴き声、木の葉が風で揺れる音、川の水が流れる音、...いろいろな音がするけれど、空気が しん... と整っている感じ。 空気が澄んでいて雑音が無いから、自然の中に立っているだけで自分の心の声を聞ける気がするし、心に余白を持てる気がする。
家とか家周りをキレイにしている方が多い印象があって、地域の方の暮らしへのリスペクトを感じた。あまり意識せず習慣的にやっているのかもしれないし、この静けさがそうさせているのかもしれない。
─── 最後に、ささちゃんはこれからどういうことをしていきたいですか?
今は国内だけど、今年の年末か来年から海外を旅していきたい。各地につながりをつくりながら、アーティスト活動や『わたし便』をしたい。 わたしはいつか旅を終えるつもりなのだけど、ほかの誰かが『わたし便』をやってくれたらいいなと思っている。プラットフォームを作って、地域とマッチングをするのもいいと思う。クリエイターだけじゃなくて、「わたしがいるだけで、周りを幸せにできます!」みたいな才能やスキルのある人が現れて、地域を巡って、関係性が広がっていくような社会になったらすてきだよね。 あと、アート活動はもっと増やしていきたい。海外でも絵を描きたいし、展示もやりたい。 それから、わたしの人生をサブスクにしようと思っていて。直接返ってくるものは正直無いけれど、わたしが新しい生き方をすることで社会に何かが巡る...わたしを媒介して社会に届けられる、そこへの支援ができるものがあっても面白いのでは、と。本来、人を応援するってそういうことだと思う。見返りがあるからその人を応援するのではなく、その先に循環があるから応援するのだと思う。この『人生のサブスク』は3年間くらいやってみたい。コミュニティーを作って、みんなで楽しいことをしていきたい!
─── とってもすてきなお話を聴かせてくれて、ありがとうございました!これからも応援してます!
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旅をしながら、クリエイターとして活動するささをかさん。 ささをかさんが紡ぐ温かい言葉をぎゅっと集めたインタビュー記事になりました。
ささをかさんの生き方が、発信するものが、創り出すものが、 だれかの心に響いて、だれかの生きる力になって、 未来が少しでも明るいものとなりますように。 そして、ささをかさんが見つけてくださったように、 多賀町の魅力がいろいろな方に届きますように。


このプロジェクトの地域

多賀町
人口 0.64万人

多賀町企画課が紹介する多賀町ってこんなところ!
多賀町は、鈴鹿山系の雄大な山々が連なり、針葉樹を主体とした造林、広葉樹が広がる原生林や混合林が美しい山林を形成し、広大な緑に包まれたまちです。 芹川と犬上川の清流は、琵琶湖へと注がれ、生活の水源として、また、生活に憩いをもたらす景勝地としての親水空間を形成しています。湖東平野に広がる農地は、日本の原風景を感じさせます。 国の天然記念物アケボノゾウ化石や滋賀県天然記念物に指定されている河内の風穴をはじめ、霊仙山、御池岳、大蛇ヶ淵などの資源は、町民の誇りや身近な交流資源となっています。 古事記にも記録が残る多賀大社は、その伝統行事とともに、町民の誇り、心の拠り所として、また、町外から多くの参拝者が訪れる、本町のシンボルのひとつです。