
愛荘町で交わる海外と日本の文化。滞在して感じたトカイナカが持つ魅力
公開日:2025/12/10 01:22
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2025/12/11「興味ある」が押されました!
2025/12/112025年、愛荘町にやってきたのは、ニュージーランド出身のキリルさんとフランス出身のエドワードさんです。 お二人が滞在するのは、地域おこし協力隊の岩永 大陸(いわなが りく)さんが運営するコミュニティスペース「SekaiCo-セカイコ-」(以下セカイコ)。
キリルさんとエドワードさんは、今回の滞在が日本への初訪問だそう! お二人は、なぜ大きな都市ではなく、愛荘町を選んだのでしょうか。そしてキリルさんとエドワードさんにとって、セカイコでの生活は、どのような意味を持つのでしょうか? 今回は、お二人へのインタビューを通して、愛荘町の魅力に迫ります。
国や文化を越えた交流ができるまち・愛荘町。読み終える頃には、あなたもきっと足を運びたくなるはずです。気になる方は「♡興味ある」ボタンをクリックしてくださいね。
愛荘町への海外からの訪問者。“興味”のルーツを求める旅
ーーキリルさんとエドワードさんが、愛荘町に来ることになった経緯を教えてください。
キリルさん) ニュージーランドの大学で映画の勉強していたときに、黒澤明監督の『七人の侍』を見たのがきっかけでした。他にも面白い日本映画がたくさんあるのでは?と興味が湧いたんです。 幼い頃から日本拳法を習っていたこともあり、そのルーツとなる日本の土地や文化について学んでみたいという気持ちが大きくなりました。
ーーもともと、日本にルーツを持つものに触れていらっしゃったのですね!エドワードさんはどうですか?
エドワードさん) 私はフランスの学校(Compagnons du Devoir/コンパニョン・デュ・ドゥヴォワール)で鉄工について学んでいます。その学校には10年間通い、その内1年間は海外で経験を積まなくてはならないのです。 実習先にはアメリカやカナダ、ニュージーランドというような英語圏も候補に挙がりましたが、あえて文化も言葉も全く違う日本を選んだんです。
ーーエドワードさんにとって、大きな挑戦だったのですね。
エドワードさん) 1年もの間日本に滞在できるチャンスは、一生に一度だと思いました。自分の成長のために、思い切った選択をしたんです。 そして、日本のメタルアートは、ヨーロッパとは全く違います。かなり繊細なので、どうしてそのようなスタイルに行き着いたのかという点にも興味が湧きました。
ーーなぜ日本の中でも、滞在先を愛荘町に決めたのですか?
エドワードさん) 愛荘町に来たのは、ことうへムスロイド村の石倉さんから紹介してもらったのがきっかけでした。石倉さんは鉄工の世界で有名なので、その人のもとで修業がしたかったんです。 最初はセカイコに2週間滞在する予定でしたが、日本語レッスンや地域の人との交流の場があることを知って滞在を4カ月間に延ばしたんです。
キリルさん) 私はもともと、オークランドという大都市で生活していました。でも、大都市での生活はあまり好きではありません。逃げ出したいような気持ちになることもありました。 だから、日本では東京や大阪のような大きい街ではなく、田舎の小さなまちで、新しい生活がしたかったんです。 そして、自分のやりたいこと、学びたいことに挑戦できそうな愛荘町に滞在することになりました。
ーー日本に来て、大変だと感じることはありましたか?
キリルさん) 日本語です!
エドワードさん) 私も日本語ですね(笑) ヨーロッパだと、近隣の国で語源が同じであることが多かったり、似ている言葉があったりするので、全くわからないということはありません。 でも、日本ではそもそもの言語も違うし、文化もマナーも全く違います。本当に全部が初めてで、わからないことだらけなんです。
ーー何が正解かもわからない中で、生活がスタートしたのですね。
エドワードさん) でも、その違いに毎日面白さを発見します。家具の大きさも生活スタイルも、感情をすぐに表に出さないところも、かなりフランスとの違いを感じます。 そんな違いをリスペクトしていますし、とても面白いと感じています。
ーー「わからないことこそ楽しむ」という姿勢が、本当に素敵です!


愛荘町と海外、文化や暮らしのギャップこそ面白い
ーー愛荘町に来て、どんな体験をしましたか?
エドワードさん) 私は滞在して2ヶ月ほどですが、本当に様々な体験をしました。特に印象に残っているのは、地元の神社のお祭りに参加したことです。 販売の手伝いをして、地域の人と仲良くなってかき氷を作ったり、神社のお参りの仕方を勉強したりもしました。
ーーまちの人とは、よく会ったり話したりするのですか?
エドワードさん) セカイコでは、ウェルカムパーティなどのイベントがたびたび開催されるので、そこで地域の方々とも交流します。そこで知り合った方が地域のお祭やイベントに誘ってくれるので、セカイコから飛び出して、新しい出会いを得ることも多いです。
ーー具体的には、どのようなイベントに参加しましたか?
エドワードさん) 実は先日も、イベントで会った人が私たちが書道に興味があることを知って、実際に書道教室に連れて行ってくれました! 他には、竹で物干し竿を作りたくて、役場やまちの人に竹の所有者について聞きに行ったり、愛荘町内にあるブラジル人学校を訪問したりもしました。
ーー日本語も文化もわからない中、そんなにアクティブに動けるのが素晴らしいです!
キリルさん) しかし今でも、知らない環境の中に飛び込むのが怖いと感じることもありますよ。
エドワードさん) 私もです。 でも、日本に対してのリスペクトがあるから頑張れるのだと思います。そして、サポートしてくれているリクさんの存在も、とても大きいです!
ーーお二人にとって岩永さん(リクさん)は、どのような存在ですか?
キリルさん) 日本で生活するうえで、たくさんのアドバイスをもらいました。文化的なギャップがある部分について、考え方や対処の方法を教えてもらうことがあります。
エドワードさん) 日本文化についての、一番の先生だと思っています。生活に関するアドバイスだけでなく、住民登録のような事務手続きもサポートしてもらいました。それだけではなくて、日本でのマナーについても教えてもらうことが多いです。 困ったことがあったときに、その場でリクさんに相談の電話をすることもあります。
ーー初めて家族と離れて海外で暮らすお二人を、岩永さん(リクさん)がサポートしてくれているのですね。
エドワードさん) 実は、リクさんにアイデアをもらって、ヒッチハイクで日本全国の鉄工職人に会いに行きました! 私はインターネットがあまり得意ではないので、直接会った方が人柄が伝わりそうだとアドバイスをもらったんです。 リサーチの仕方にも不慣れでしたが、リクさんは泊まる場所や道順まで一緒に調べたり考えたりしてくれます。
ーー滞在者に親身に寄り添うところが、学生寮の寮母さんのようなイメージですね!


愛荘町を選んだ意味。海外で語られる“日本”のイメージ
ーー愛荘町に来る前と比べて、日本へのイメージは変わりましたか?
エドワードさん) 変わったというよりも、フランスで知られている“日本”のイメージとあまり変わりがないことに驚きました! フランスで語られている“日本”は、理想化されたイメージだと思っていたからです。 たとえば「食事がおいしい」「とても親切」「清潔な国」といったことは、本当にその通りでした。
キリルさん) 私も同じように感じました。 日本では、どこに行ってもお互いの間に敬意があり、相手に礼儀を返すような姿勢があります。そういったところに「評判は本当だった」と実感しました。 夜の暗い路地を安全に歩けるところにも、良い意味でショックを受けました。
ーー海外でのイメージと実際の日本には、あまり違いがないのですね。意外です!
エドワードさん) 想像していたほどは物価が安くなかったので、そこは少し残念に思いました。フランスと比べるとはるかに安いのだろう、と思っていたので……。しかし、そういったところに現実味があるとも感じるんです。日本は、海外で語られるような“完璧な国”ではなく、滞在者にとって“理想とのバランスがちょうど良い国”だと思います。
キリルさん) 私は愛荘町に来てから、自分の世界が大きく広がりました。ここに来る前は、自分の小さな世界に閉じこもりがちだったんです。 愛荘町には、やりたいことに挑戦できる環境がたくさんあります。だから「じゃあ見に行こう、やってみよう」と思えるようになったんです。 でもそれは、お互いに支え合うような人間関係やのんびりとした雰囲気のある愛荘町だからこそ、そう感じたのかもしれません。
お二人の話を聞いていると、日本での生活は、たくさんの発見で溢れていることが伝わってきました。 取材する中で特に印象的だったのは、お二人から“人とのつながり”に関するお話がたくさん伺えたこと。 愛荘町の持つ温かい雰囲気や人間関係、そして岩永さんの親身なサポートが、お二人にとって日本で生活するうえでの大きな支えとなっているのを感じました。
愛荘町では、地域おこし協力隊はもちろん、暮らしてみたい人や、多様な文化・人との交流を経験してみたい人も歓迎しています。 愛荘町で自分の世界を広げてみたい人は「♡興味ある」ボタンをクリックして詳しい情報をチェックしてみてください。
★地域おこし協力隊の募集は以下からチェック! https://smout.jp/plans/11625
★地域おこし協力隊メンバー(現役・OBOG)の活動は以下で紹介しています。 今回のお二人が滞在している愛荘町のコミュニティスペースSekaiCoの岩永さんにインタビュー! https://smout.jp/plans/15981
エドワードさんも通っている「自習寺」の活動をする綿谷さんの活動にフォーカス https://smout.jp/plans/19016
心地良い時間を共有できる、人がゆるやかに繋がれる空間を作りたい https://smout.jp/plans/16162
※1 “地域おこし協力隊”は国の制度のひとつ。都市地域から過疎地域などへ住民票を移して、地域ブランドの開発やPR、地域支援などを行いながらその地域へ移住・定住を図る取り組みです。https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html


このプロジェクトの地域

愛荘町
人口 2.14万人

愛荘町役場が紹介する愛荘町ってこんなところ!
愛荘町役場が紹介する愛荘町ってこんなところ! 平成18年に2つの町が合併してできた現在の愛荘町は、今年で20年目を迎えます。琵琶湖に流れる川の上流・湖東地域に位置しており、鈴鹿山系からの豊かな清水と自然に恵まれ、古くから水との関わりが深いまちとして発展してきました。
町の東側には、聖武天皇の勅願で行基が開山した湖東三山の一つである金剛輪寺があります。昔から四季折々の雰囲気を楽しめるスポットとして地元の方々をはじめ多くの人に愛され続けている場所です。また、近世には中山道66番目の宿場として愛知川宿が栄え、後の明治には郡役所や警察などの官公署が置かれ、近江鉄道が開通するなど、古くから地方の中心としても栄えてきました。
国の伝統的工芸品に指定されている「近江上布」を中心とした麻織物や、瓶のなかにてまりが入った不思議で美しい滋賀県の伝統的工芸品「愛知川びん細工手まり」など、愛荘町でしか見られない手仕事ならではの「ワザ」が光る工芸品を見られるのも特徴です。

















