- SMOUT
- プロジェクトをさがす
- 地方で子どもたちのための教育システムを作る〜地域おこし協力隊を通じて行う活動とは?〜
愛荘町内の勝光寺(しょうこうじ)というお寺を基盤に、自分たちで考え行動をする「自習寺」や地域の事業者や企業と一緒に子ども向けの体験講座を実施する「愛荘こどもの大学」など、さまざまな取り組みを行っている地域おこし協力隊の綿谷 駒太郎(わたたに こまたろう)さん。ご夫婦で大阪から移り住み、今では愛荘町の大切な一員となっています。
現在は子どもに焦点を当て、自分にできることは何かを常に考えながら教育システムを構築しています。今回はそんな綿谷さんに今までの活動についてと今後のビジョンを伺いました。ぜひ、最後までご覧ください!
和歌山県きのくにこどもの村学園を通して見えた、“地方”でのビジョン
2022年4月に地域おこし協力隊として着任した綿谷さん。大阪の実家が運営するファミリーホームを見て育ち、和歌山にある「きのくにこどもの村学園」で小学校教師として活躍してきました。
そんな彼は、子どもたちが机上の学びを飛び出し、体験や人との出会いから考える力や自信をつけられるようになってほしいと願うようになります。愛荘町では、どのような活動を行ってきたのかを伺いました。
▼子どものための教育プログラムを地方で作りたい
もともとは、和歌山にある自由学校「きのくにこどもの村学園」で小学校教師をしていました。4年ほど働いたときに「地方から子どもたちの“自己決定”を促進するような機会を作りたい」と思うようになりました。子どもの自己決定の機会を増やすことで自信や挑戦する気持ちを育むことができます。自身と挑戦心があれば社会で楽しく生き抜いていけると、僕自身の経験のなかで強く感じたので、前職で感じたことを形にしていこうと、人口が微増し、なおかつ地域おこし協力隊員も募集していた愛荘町がベストマッチしていると思い、やってきました。
現在は小学生を対象とした、子ども第三の居場所事業や、地域企業・事業者と連携した体験講座の実施、高校と連携した起業体験プログラムも実施をしています。
▼「マルシェすわいさ」を皮切りに、地元の方々から親しまれるように
愛荘町に来ていきなり「教育プログラムを実施します!」と入っていくよりも、まずは顔と名前を覚えて親しみを持ってもらうところから始めました。大きなきっかけに繋がったのが「マルシェすわいさ」という、“子どもも大人も楽しめる場づくり”です。勝光寺ではすでに2度開催して250〜300人ほどの方々が訪れてくれました。できるだけ地元につながりのある方に声をかけ、キッチンカーや雑貨系のハンドメイドショップ、木工遊び、アーチェリー体験、木製のボードゲーム“カロム”大会などを催し、来た人だけでなく事業者の方々との繋がりもできたと思っています。今ではスーパーや道端で声をかけてもらえるほどに自分のことを覚えてもらいました。悪いことはできませんね(笑)。
夏休みから開催している自習寺(勝光寺)、宿題をする子どもたちの様子。
勝光寺で開催された「マルシェすわいさ」
子どもたちに寄り添える大人になるために心掛けていること
愛荘町内で教育プログラムを築くうえで大切なのは、保護者でも学校の先生でもない「子どもと対等な関係の大人」だと綿谷さんは語ります。対等な関係で大人も横並びできるように、日頃からどのような意識をしているのかを伺いました。
▼大人の都合でルールを作らない
きのくにこどもの村学園のときから意識している「子どもたちの自主性」を育てるために、現在メインの拠点としている勝光寺では実験的に「あえてルールを作らない場」をつくっています。
夏休みから現在も開催している「自習寺」では、宿題をする他にカードで遊んだりYouTubeを見たりと、比較的子どもたちの思うままに過ごしてもらっていました。もし彼らの間で不快だと感じる子が出てくるようであれば、子ども同士でどうすべきかをまずは考えてもらうように意識しています。
▼自習寺や愛荘こどもの大学のような教育プログラムを拡大させたい
子どもたちの夏休み期間中始めた「自習寺」の他に、「愛荘こどもの大学」では地域の事業者の方々を招いてプログラミングやパン作り体験なども開催。親子でできる体験学習も用意しているので、意欲的に子どもが通ってくれていると感じています。事業者さんたちも子どもに教えることで、やりがいを感じていると答えてくださる方もいらっしゃいました。これからも、地域が一丸となって子どもたちの教育に目を向けられるようになれば嬉しいです。
今回は綿谷さんに子どもたちに寄り添う教育プログラムや地域おこし協力隊としての活動について語っていただきました。
子どもを綿谷さんの運営するイベントに連れて行ってみたい、愛荘町での子育てについてもっと知りたいと思った方は、ぜひ「興味ある」ボタンを押してくださいね。
質問も受け付けています!
最後までご覧いただきありがとうございました。次回の投稿までは、これまでに紹介した愛荘町の他の記事をご覧になってお待ちください!
8月7日に開催された愛荘町子どもの大学・パン作り体験の様子。
8月10日に開催された愛荘町子どもの大学・木工講座での様子。
にユーザー登録して もっと活用しよう!無料
- 地域をフォローできるようになり、地域の最新情報がメールで届く
- あなたのプロフィールを見た地域の人からスカウトが届く
- 気になった地域の人に直接チャットすることができる
平成18年に2つの町が合併してできた現在の愛荘町は、今年で19年目を迎えます。琵琶湖に流れる川の上流・湖東地域に位置しており、鈴鹿山系からの豊かな清水と自然に恵まれ、古くから水との関わりが深いまちとして知られてきました。
町の東側には、聖武天皇の勅願で行基が開山した湖東三山の一つである金剛輪寺があります。昔から四季折々の雰囲気を楽しめるスポットとして地元の方々をはじめ多くの人に愛され続けている場所です。また、近世には中山道65番目の宿場として愛知川宿が栄え、後の明治には郡役所や警察などの官公署が置かれ、近江鉄道が開通するなど、古くから地方の中心としても発展してきました。
国の伝統的工芸品に指定されている「近江上布」を中心とした麻織物や、瓶のなかにてまりが入った不思議で美しい滋賀県の伝統的工芸品「愛知川びん細工手まり」など、愛荘町でしか見られない手仕事ならではの「ワザ」が光る工芸品を見られるのも特徴です。
【アクセス】
・高速道路を利用すれば、京都まで1時間、名古屋まで2時間弱。
・近江鉄道を利用すれば、彦根や八日市には約15分。
・琵琶湖までは車で約25分!
【愛荘町移住・定住ポータルサイト】
https://www.town.aisho.shiga.jp/iju/index.html
愛荘町は2町が合併して今年で19年目を迎えます。琵琶湖までは車で約25分。軟水の湧き出る水の美味しい町です。