
【滋賀県長浜市のお寺紹介】渡岸寺観音堂【国宝/美しい十一面観音菩薩立像】
公開日:2025/07/07 00:31
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2025/07/08滋賀県長浜市高月町にある「渡岸寺観音堂」をご紹介します。
こちらの観音様は、その立ち姿の美しさで有名です。 美大生の方など、芸術を学ばれている方たちも見に来られることが多いそうです。
入ってすぐ真正面から見た際に、そのバランスの美しさに思わず息を呑みました。
こちらの観音様は、珍しく360度どちらからでも見られるように展示されております。 ぐるっと回りながら、様々な角度から見ても、とても美しい観音様です。 仏像好きな方以外でもお楽しみいただけると思います。
地元の人々から愛された渡岸寺観音堂の歴史
【渡岸寺観音堂とは?】 渡岸寺観音堂は、真宗大谷派の向源寺(こうげんじ)というお寺の飛び地にある仏堂で、国宝の十一面観音像が安置されています。 高月町は「観音の里」と呼ばれるほど観音信仰が根付いていて、このお堂はそのシンボルになっています。静かな田園風景の中にあって、訪れるととても心がほっとする場所でした。
【渡岸寺観音堂の歴史】 奈良時代の天平8年(736年)まで遡ります。 聖武天皇の時代、都で疱瘡(ほうそう)という病気が流行って大変だったそうです。そこで、僧の泰澄(たいちょう)が十一面観音像を彫り、お堂を建てたのが始まりとされています。寺伝では、このお堂は「慈雲山光眼寺」と呼ばれていたそうです。
その後、平安時代になると、比叡山延暦寺の開祖・最澄が登場。790年頃、天皇の命で立派なお寺の建物群を整えたと言われています。 十一面観音像の優美な姿には、当時の密教の影響が感じられます。
【大変な戦国時代】 戦国時代、1570年の「姉川の戦い」で、織田信長と浅井長政の戦が起こります。 こちらのお寺は、その際に一度焼失してしまいました。 ですが、観音様はその前に地元の住民の方々によりお堂から避難され、地面に穴を掘り地中へ埋めて隠されることで難を逃れたそうです。
この時代の仏像は、指などが欠けてしまったりしているものも多いですが、こちらの観音様はそのような欠けも無く、全身とても綺麗な姿で残っており、地元の方々に愛され、大変大事にされてきたことがよくわかります。
戦後、浄土真宗に改宗して光眼寺をやめ、向源寺という新しいお寺が建てられました。 浄土真宗では阿弥陀如来以外の仏像を祀れないため、観音像は村の人たちが共同で守ることに。
そして、明治時代になり、観音像が国宝に指定された際に、向源寺の飛び地として観音堂が設けられたそうです。
美しいことで全国的にも有名な十一面観音像
十一面観音像は、頭上に複数の面がグルっと並んでおります。 一般的な十一面観音像の場合、どの方向から見てもいずれかの面と目が合う感覚があります。
ですが、こちらの観音様は、背面にある「暴悪大笑面」以外はいずれも真正面の方へ傾いた配置となっており、とても変わっております。 特に両耳の後ろにある面は正面に傾いており、その傾向がわかりやすいと思います。 真正面に立つと、10の面がこちらを見て下さっています。
【暴悪大笑面】 背面にある「暴悪大笑面」というお顔があります。 この「暴悪大笑面」が間近で見られる十一面観音像は全国でもあまりありません。
私は仏像を見る際にいつも真正面から、右側から左側から…と様々な角度から眺めるようにしています。 こちらの仏像のように360度から見られるところは非常に稀で滅多にありません。 ぜひ360度様々な角度からご覧いただきたい素晴らしい観音様でした。
【毎年イベントを開催】 高月町では、毎年10月の「観音の里たかつきふるさとまつり」を開催されていると伺いました。 https://kitabiwako.jp/furusato-festival
渡岸寺観音堂だけでなく、巡回バスが出て市内の観音様を見て回れるそうです。 今年は、令和7年10月19日(日曜日)開催予定との事です。 興味のある方は是非来てみて下さいね
(※観音様は撮影禁止の為、今回写真掲載はありません🙇♂️)

場所のご紹介
〒529-0233 滋賀県長浜市高月町渡岸寺50 https://maps.app.goo.gl/nRuFUoWLkUp5JsA39
渡岸寺観音堂は、奈良時代から戦国時代、そして現代まで、沢山の人の手で守られてきた場所です。 大切に守り続けてこられた「十一面観音像」には、1300年近い歴史と、信仰の物語が込められています。 長浜を訪れたら、ぜひこの静かなお堂で観音さんの優しい微笑みに会ってみて下さいね。
隣に民俗資料館(高月観音の里歴史民俗資料館)もあります!こちらもぜひ。


このプロジェクトの地域

長浜市
人口 11.02万人
長浜市地域おこし協力隊が紹介する長浜市ってこんなところ!
滋賀県長浜市は、琵琶湖の北東部に位置し、自然と歴史が調和した暮らしやすい街です。豊かな自然環境に恵まれ、四季折々の風景や新鮮な湖の幸が楽しめます。 市内には、黒壁スクエアをはじめとする歴史的な街並みや、長浜城などの文化財が点在し、観光地としても魅力満載です。
生活面では、JR北陸本線や国道8号線により、大津や京都へのアクセスが良好で、通勤・通学も便利です。 スーパーや病院、子育て支援施設も充実しており、ファミリー層にも安心の環境です。 地元の商店街や直売所では、新鮮な野菜や地元産の食材が手軽に手に入り、食卓を彩ります。また、長浜曳山祭りなどの伝統行事もあります。
長浜市は、都市の利便性と田舎の穏やかさを兼ね備え、ゆったりとした時間が流れる場所です。 自然の中で子育てをしたい人、歴史や文化に触れながら暮らしたい人にぴったりの、心地よい生活が叶う街だと思います。
このプロジェクトの作成者
2025年4月より地域おこし協力隊として長浜市にお世話になることになりました。皆さんよろしくお願いします♪
これまでに紹介した場所一覧です😊 https://smout.jp/scoutees/117725#project
















