発酵文化とここに住む人に惹かれて滋賀県高島市へ　ワイン村開拓への挑戦

発酵文化や琵琶湖が好きで、ビワイチ（琵琶湖一周）やバイクでのツーリングを趣味にしていたので、高島市へは何度となく来たことがあったそうです。

「人生で初めて食するために訪れた鮒ずしの老舗で、むちゃくちゃおもてなしをしてくれて」高島の人の温かさも高島を好きになった大きな理由でした。

2024年1月から、大西さんは別荘としての物件探しをスタートしました。広告やネットで調べてはバイクで現地を訪れ、理想の物件を探し続けましたが、なかなか自分のイメージにぴったり合うものには出会えませんでした。

しかし、2024年の年末にコミュニティのメンバーへ宣言した来年の目標「高島にワイン村を作る！」その翌日に、理想的な物件が現れたのです。それが、購入を決めた築94年の古民家でした。ここに来たときに、ワイン村がイメージできたそうです。2025年1月17日、阪神淡路大震災からちょうど30年の日に偶然、この古民家購入を決断した記念日になったことにも何か深い意味があるように感じているという大西さん。迷わず決断したそうです。

この古民家は昔、種を売っていたことから「種やさん」と呼ばれ、地域の人にも親しまれていたそうです。売主さんとお会いできたり自治会へ挨拶に行けたことで、事前に地域住民との良い関係を築けました。

実際に二地域居住をスタートしたのは、2025年6月2日からで、まず古民家の中に残ったものを片付ける作業から始まりました。古民家には、エアコンがついておらず、片付けの間はテント生活をしていました。山に近いこともあり苦手な虫がでてくる。そんなエピソードも、大西さんは終始笑顔で話してくれました。

大西さん自身がグルテンフリーのため、平日、高島に単身で暮らすようになってからは、玄米を炊いて、直売所に行き新鮮でお得な旬野菜を買う生活をしているとのこと。このような生活ができる今を「豊かな暮らし」と表現していたのが印象的でした。今後は、葡萄の木を植え、ワイン神社や井戸の整備、ワインとアートのコラボイベントなど、やりたいことがたくさんあり、まだまだ挑戦は始まったばかり。

最後に、移住を検討している人へのアドバイスを伺いました。 現地に足を運び、自分にとってその場所が合っているかを感じることが大切。「先延ばしにしないで、行動してみること」も大切とのことでした。