ちいおりレポートVol.01「世界が注目する、日本の秘境」

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2026/01/15

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2026/01/15

スマウトをご覧の皆さん、こんにちは。 株式会社ちいおりアライアンス、祖谷(いや)事業所です。

皆さんの中には日々都市部で生活していて、何となく田舎の生活にあこがれつつも内情をよく知らなかったり、生活拠点を移した後の仕事のイメージがわかなかったりでなかなか移住に踏み切れない方も多いのではと思います。

そこで今回から「ちいおりレポート」と題し、祖谷での仕事やこれまでの活動経緯、私たちの日々の暮らしなどについて何回かに分けてご紹介できればと思います。

当事業所のある徳島県祖谷地域は中山間地域に分類され、特に過疎化、高齢化の深刻な地域ですが、当社で運営している宿泊施設には、外界と隔絶されたかのような静かな時間を求めて国内外から毎年多くのお客様が来られています。 求人募集もおこなっているので、これを機に少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。

世界とつながる秘境の仕事

私たちの職場は宿泊施設ではありますが、その仕事はいわゆる「ホテル業務」とは少し違います。 宿泊業務全般、予約の受付、問い合わせ対応、宿の掃除から接客まで宿にかかわることはスタッフみんなで何でもやります。 そして宿泊業務の裏では、夏は周辺の草刈り、冬は雪かき、山から引いている水が出なくなった時はそのメンテナンスなどの作業もあり、仕事と暮らしが地続きになったような環境です。

宿は一棟貸しなので、お客さんが出た後の掃除範囲は一般的なホテルに比べて広く、その分手間がかかります。 そこで、掃除ではパートとして近隣のお母さんたちの手を借りています。一緒に宿の掃除をするときは天気や畑のことで談笑したり、時には「これ持っていきな」と、採れたての立派な野菜をお裾分けしてもらうこともあります。

よく「地方移住は地域に馴染むのが大変」という話を聞きますが、この仕事をしているとその心配は要りません。仕事中に集落を車で走っていて知り合いを見かけたら、車を止めて世間話。そんな光景が日常です。

ここはお互いに助け合って生きる「相互扶助」が息づく場所です。仕事の一環として、スタッフも地域のお祭りや集落の掃除といった行事にも参加します。 私自身の経験談になりますが、入社して初めての春祭りで、ただその場にいただけなのに、「ちょうどいいタッパのでかい、鼻の高い兄ちゃんおるでぇ」と、あれよあれよという間に天狗の衣装を着せられて役を演じたこともありました。 職場と地域の距離感が近く、こうした密なコミュニケーションがあるからこそ、移住しても寂しさはありません。 お金を稼ぐ仕事と集落で支えあう仕事が共存し、それらを両立しながら私たちの事業や生活も成り立っています。

一方、当社の原点であるアレックス・カーが著書を通して世界に広く発信したおかげで国内はもとより、日本を熟知した海外からのゲストも多く訪れています。彼らが求めているのは、有名な観光地ではなく、よりディープなホンモノの日本です。 時には地域の暮らしの知恵や宿に飾られている昔の道具についてなど、不意に自分も知らないことについて質問されることがあり、後から地域の人に聞いたり事務所に保管されている資料を読んだりすると答えが見つかって、それが刺激になったりもします。

また、今も残る集落の伝統・風習や相互扶助のマインドセットは海外の人々にとって今では単なる異国文化ではなくなってきています。海外からのゲストの多くは日本文化に実際に触れ、自身の心豊かな暮らしのために取り入れようとしているように感じます。 今後ますます多様化する国際社会中で、世界の人々と共に日本を見つめていく、その場所として祖谷は相応しい環境だと思います。

秘境で日本の原風景を守りながら、世界と繋がって生活をする。そんな生き方に興味のある方は当社求人も併せてご覧ください!

お祭りで天狗役にされ、衣装を着せられたスタッフ
お祭りで天狗役にされ、衣装を着せられたスタッフ
地域のお母さんと、掃除後に縁側でほっと一息。
地域のお母さんと、掃除後に縁側でほっと一息。

ちいおりの歩み

私たちの事業の原点は、1971年に一人のアメリカ人青年が祖谷を訪れたことでした。

青年アレックス・カー(現在は東洋文化研究者として活動)は日本一周の旅の途中で祖谷を訪れました。当時の祖谷は、まだたくさんのかやぶき民家が残り、しかも現役で使われているという「日本の原風景」が広がっていました。

彼はこの景観に惹かれ、2年後の1973年に築300年の茅葺民家を購入します。 この民家は、のちに横笛を意味する漢字から「篪庵(ちいおり)」と命名されました。

篪庵は購入当初、10年以上も空き家になっており、屋根には穴が開いたあばら家でした。 そこでアレックスは1980年代からは近隣の方の手を借りながら屋根の総葺き替えなどの維持活動を行い、著書『美しき日本の残像』等を通じて、日本の景観保護と持続可能な観光の重要性を世界へ発信しました。

2005年には保存ボランティア活動を基盤に、NPO法人「ちいおりトラスト」を設立。古民家を次世代へ残す基盤として新体制をスタート。 2012年には再度大規模改修を実施し、現在の建物の形に至ります。

一連の活動から、重要伝統的建造物群保存地区(通称:重伝建)東祖谷落合集落の活性化にアドバイザーや宿泊施設の空間デザイン監修として携わり、同じく2012年に「桃源郷祖谷の山里」事業がスタート。地域一体となった古民家再生を本格的に推進することになりました。

事業の継続性と専門性を高めるため、2015年に「株式会社ちいおりアライアンス」を設立し、アレックスの活動やこの地域に惹かれてやってきた移住者が集って事業を運営。 また祖谷に加え、香川県宇多津町「古街の家」や京都府亀岡市「離れ」にのうみなど、他地域での古民家活用・宿泊運営プロデュースへと活動の幅を拡大して今の事業形態へと至っています。

現在は自治体との連携協定(三好市など)を結び、空き家問題の解決と地域経済の活性化を目指す秘境発のリーディングカンパニーとして活動しています。 また、生活・風習・伝統・環境が凝縮された「古民家」という媒体を通じて日本文化を世界に発信していくことを今後の使命としています。

ちいおり着手初期の集落の様子。当時はまだ大半がかやぶき屋根でした。
ちいおり着手初期の集落の様子。当時はまだ大半がかやぶき屋根でした。
東洋文化研究者アレックス・カー(ちいおり大規模改修の際に撮影)
東洋文化研究者アレックス・カー(ちいおり大規模改修の際に撮影)

このプロジェクトの地域

徳島県

三好市

人口 2.10万人

三好市

丸岡 弘和が紹介する三好市ってこんなところ!

三好市は徳島県の西端に位置し、県内一の面積を持つ地域です。 中心地の池田をはじめ、三野、辻、大歩危、祖谷などさまざまなエリアがあり、日々の生活は市内で完結できます。 県内だけでなく、四国内の他の三県とも接しているため、県外への移動もスムーズです。 当社事業所のある祖谷は平家の落ち武者伝説が有名で、かずら橋や大歩危などを目当てに毎年多くの観光客が訪れています。さらに奥へ行くと西日本第二の標高を誇る剣山があり、時期によっては紅葉や雪、雲海が見えることもあるなど、四季折々の絶景が楽しめます。 山肌を切り開いたこの地域特有の集落には畑や民家が点在しており、斜面での生活に適応した伝統農業が受け継がれています。 特産品としては通常よりも固く濃い“岩豆腐”や祖谷蕎麦、晩茶などがあります。 また気候に関しては平地に比べて気温が低く、夏場は熱帯夜もなく涼しく過ごせます。

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

古民家宿の運営と地域活性化に取り組む会社の社員。 徳島県三好市の祖谷事業所に所属。 自身も県外からの移住者です。

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