【コラム】空き家のゼロ円物件は本当にゼロ円?残置物との戦いから得た四つの教訓|新上五島町
公開日:2026/07/31 08:02
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2026/07/31「興味ある」が押されました!
2026/07/31全国で空き家が問題になっている昨今、新上五島町でも同じような課題が山積しています。
町も対策を始めており、空き家情報を発信しているところですが、関東から移住し、空き家問題をなんと自力で解消してくれている方がこの町にいらっしゃいます。 今回、その方に空き家と向き合ってきたリアルな実体験を書いていただきました。
職員も知らない知識がたくさん! どの地域でも起こりうる課題なので、このコラムはみなさんのお役に立てるかもしれません!
金利が上昇傾向にあるこの時代に、燦然と輝く「ゼロ円物件」。 えっ…夢のマイホームがタダで!?
人口減少が進む地方では、建物の解体費や残置物の処分費が土地の価値を上回り、「0円」で譲られる物件が存在します。 でも、実際は家中を埋め尽くす家具、壊れた家電、正体不明の壺、そして扱いに困る仏壇―――。
残置物の光と影、そしてそこから得られる四つの教訓。
中古物件を三度購入し、都合六軒分の残置物と向き合ってきた歴戦の残置物ハンターがシェアします!
町が紹介できる空き家情報のURLはコチラ 交流プラザ(空き家物件):https://kami510.com/iju/article-map/
空き家物件に興味がある方は、こちらの記事に「興味ある」を押してください! 最新の情報をお届けします。
空き家~ゼロ円物件と残置物
「ゼロ円物件」 甘い響きですね…。 急速な過疎化が進む日本では、都市部の地価が高騰する一方で、地方の土地の価格が著しく下がっています。
長崎県の更に西の果て、 我らが五島列島新上五島町。
この町も、1990年代は坪単価6万円(実勢価格)ほどありましたが、2020年代に入って坪単価2万円(実勢価格)ほどにまで落ち込んでいます(国土交通省 不動産情報ライブラリより)。実際に新上五島町で土地・建物を購入し、移住した自分からすると、ちょっと低く見られすぎではといつも思います。
スーパーもホームセンターもコンビニもドラッグストアもあって、 送料も長崎県の扱い(離島料金が発生しない!)で届くケースが多いです。美しい海やダイナミックな大自然の絶景に囲まれつつも、生活に困らないインフラもそろっていて、僕にとっては最高の島です。
実際に行政が算出している公示価格よりも、実勢価格の方が2~3割安くなっていることが多く、今はある意味買うチャンスと見ることもできるんですよね。
もちろん、市場から人が抜け出している局面では損切するのが王道ですが、 「ポテンシャルを信じてあえて買い、中から当事者としてその手で立て直していく」そんなやり甲斐とロマンが溢れる選択肢もアリなのではないでしょうか?
さて、 そういった地価の低い過疎地域には「0円物件」なるものが存在します。 いくら土地価格が下がっているとはいえ、0円にはならんやろ、と思うのですが、 この新上五島町においてもちょこちょこ「0円物件」を見かけます。
基本的に販売価格は売主さんが決めるものなので、売主さんが0円といえば0円にはなるのですが、とはいえ、あまりにも実際の資産価値との間に乖離があると行政から理由を問われたり、認められなかったりすることがあります。
つまり、行政にもそれで説明がつく原因があるということ。
多くのケースでは、建物・それに付随する残置物の撤去費用がそれにあたります。
便宜的に撤去費用を差し引くことで、土地の価格を割り込んでしまい「ゼロ円物件」が誕生するのです。
しかしながら。
しかしながらですよ、皆さん!! 建物・残置物は撤去しなければ、なんと撤去費用はかからないんです。
これは哲学的な問答ではありません。
撤去費を差し引いて買ったお家ですが、 そこにあるものの所有権は、全てあなたに帰属することになるため、 特別な契約をしていない限り、必ずしも撤去する必要はないんです。
つまり、建物を解体せず、 残置物も撤去しなければ、差し引かれていた費用分お得に物件を手に入れたことになります。
ましてや、 元々買う予定だったものの代用品として残置物を使えば? 販売サイトで現金化すれば…? はたまた骨董品鑑定の番組に出品して大金持ちになれる!?!?
夢が広がりますね!
中古物件の妙味「残置物」の光と影に迫っていきましょう。
この筆者、実は中古の土地建物売買契約を3回行っておりまして、 都合6軒、残置物満載の中古建物を購入した経験がある、歴戦の残置物ハンターです。
光と影、たくさん見てきました。 今回はそれを整理し、四つの教訓としてお伝えいたします。
地方で中古物件の購入を検討しているみなさま。 ぜひこの記事をいいねして、いつか内見する際に改めて読みなおしてみてくださいね。
教訓:其ノ一「絶望せよ」
みなさん、まず初めに絶望してください。それが出発点です。
まだお宝がたくさんあるのでは?!とわくわくしている人がいますか? 断言します。中にはゴミしかありません。
残置物の光と影
あなたが0円で家を売る状況を想像してみてください。 おそらくそれはお金払ってでも手放したい状況で、 中には一個たりとも、得になるものを残さないように細心の注意を払いますよね?
価値あるものは売り、親戚・友達を呼んで欲しいものはあげて、 なんなら捨てられなくて困っていたものを持ち込んでから引き渡すはずです。
それが現実です。 中に残っているのはゴミ中のゴミです。
教訓:其ノ二「仕分けよ」
さて色眼鏡を外し、しっかり絶望した後に改めて見渡してみましょう。 このままでは住めないので、掃除が必要ですね。
あくまで僕の経験上の基準にすぎないですが、バッサリ仕訳させていただきます。
・小物 要りません。 残っているものは、要るかどうか判断するのも面倒なものと、捨てるのが面倒なものだけです。乾電池と蛍光灯ばかり出てきます。
でも小物は捨てるのもさほど難しくないので、前の家主さんの生活や時代を想いながら、自治体の指示に従って生活ごみとして捨てていきましょう。
え? 花瓶や壺があった? 無駄にドキドキしてしまいますが安心してください。価値はありません。
・布類、衣服 要りません。 自治体の指示に従って捨てましょう。 ブランド物とかでも、衣類はほぼ市場価値がなくなります。 カーテンとかも、取っておいて役に立ったことがありません。バスタオルだけは買うと案外高いので、抵抗がなければ使えます。
・食器 大体は百均か引き出物ですが、それでも使えるものは多いです。
一度生活の中に取り込んでみて、気に入らなかったものから順次捨てていきましょう。 上五島は長崎・佐賀に近いので、有田焼や波佐見焼のちょっと良い食器も紛れていたりすることもあります。
・調理器具 絶対使わないようなサイズのものが残されていることが多いです。 使うかなーと思っても、まあ使いません。 場所をとるので早めに捨てましょう。
・家電 大体壊れています。 捨てると高いので、飾るか、封印しましょう。 AIに直せないか相談すると、案外直せることがあります。
・家具 多くが使えます。そのまま使うもよし、バラして材にするもよし。 どうしても要らない場合は、捨てるとお金が掛かるので、ガレッジセールを開きましょう。結構持っていってもらえます。
・農具、園芸用具 使えることが多いです。 買うと高いので、要らないと思っても思いとどまってとっておきましょう。 きっと使う日が来ます。
でも壺・花瓶を使う日は永遠に来ません。
・大工道具 一見使えそうでも、傷んでいてそんなに役に立たないことが多いです。 でも田舎暮らしでは、傷んだ大工道具でも、ないよりはマシな場面が沢山あるので、とりあえずまとめて取っておきましょう。 もし梯子、脚立があったらあなたはラッキーです。近いうちに言っている意味が分かります。
・仏壇、神具、額入りの知らん人の写真 扱いに困る物ランキング第一位。塩でお清めしてから燃えるゴミや燃えないゴミに分別して捨てましょう。
信心深い人は、最寄りのお寺や神社などに相談してください。高くつきます。
教訓:其ノ三「家具は大事にせよ」
一つだけ夢のあるお話をしましょう。 残置物、大型家具だけは価値があることが多いです。
というのも、大型家具は持ちだすのが大変なものだからです。
特に離島ともなると、大型家具を島外に持っていこうとすると送料だけで10万円以上かかることもあります。 逆に言うと、10万円くらいする家具が残されていることもあるということです。
残置物を巡る教訓
テーブル、ベッド、ソファー、タンス…、存在感が大きいので、異物として真っ先に捨てたくなるかもしれませんが、ひと月も一緒に暮らしていれば馴染みます。 傷んでいるように見えても、掃除して手直しすれば、第一印象でもった嫌悪感が嘘のように愛着に変わります。まずは堪えて端に寄せておいてください。
とにかく自分が売る立場になることを想像して「新居に持っていけないもの」に目を向けてみてください。そこにお宝が眠っているかもしれません。
でも仏壇には価値がありません。
教訓:其ノ四「処遇を工夫せよ」
残置物は四象限で考えます。
「要る・要らない軸」と、 「捨てやすい・捨てにくい軸」です。
そして「要らなくて捨てにくい」ものをどう扱うかにこそ、残置物ハンターとしてのセンスが問われます。
僕なりのアイディアをここに記しておきます。
・バラす 処分費が高いものでも、丁寧に解体すれば実はほとんどのものが生活ごみとして出せたりします。 マットレス、ソファーなど、仮設で解体部屋を作って暇なときに少しずつ解体していきましょう。
銅やアルミなどの金属はもちろん、エアコンの室外機とかは、壊れていても買い取ってもらえたりします。
・ガレッジセール CtoCの販売サイトやオークションサイトもアリですが、意外とガレッジセールも有効です。
晴れが続く日を見計らって、車通りのある所とかに張り紙をしましょう。 案外人が集まり、もらわれ、そして次の0円物件を買った時に再会できます。
・AI×DIYで直す 数年前には無かった選択肢ですが、 壊れている状況をAIに相談すると、修復の方法を教えてくれたりします。
特に家電製品をDIYで直したりするのはほぼ不可能だったので、いい時代になったなと思います。
・オブジェにする 音のずれたピアノ、はく製、でっかいサウンドシステム…、昭和の香りただよう無用の長物が沢山出てくると思います。 あえて堂々と飾ることで、味わい深いインテリアになります。 趣味の合わないものをあえて部屋の主人公にすると、自分の新しい一面を発見できるかもしれません。
・封印する 中古物件を買う際、きっと使わない部屋や納屋があると思います。
テレビ、洗濯機、冷蔵庫、壊れていると捨てるのがとても大変なので、いっそ使わない部屋に集めて封印しましょう。
最後に、 実際にあった面白残置物とその処遇について、いくつか挙げて記事を終わりたいと思います。 みなさんもぜひ0円物件を買って、僕と残置物を巡る悲喜こもごもを語り合いましょう!!
「船」 処遇:ペンキを塗りなおして家の前に置き、インパクトのある表札に。
「エレクトーン」 処遇:布をかけてスタンディングデスクに。
「客船のイス」 処遇:産廃扱いとなり、膨大な費用を請求されたため、自分で分解して燃えるごみは生活ごみとして、金属は業者に買い取ってもらった。
「仏壇」 処遇:数百万はするであろう業物だったが、バラバラにして燃えるゴミに。檀の部分や、美しい彫刻の部分は外して家具やインテリアをいくつか作った。
「碇」 処遇:地元の漁師さんにあげたら喜んでもらえた。
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リアルな経験を活字にしてもらえたので、きっと全国の【空き家どうするか問題】のお役に立てそうです。 本町には紹介できる空き家物件(ゼロ円物件も!)もありますので、是非お問い合わせください。 町の交流プラザ(空き家物件):https://kami510.com/iju/article-map/
このプロジェクトの地域
新上五島町
人口 1.50万人
新上五島町が紹介する新上五島町ってこんなところ!
この島は、自然との距離が近い。 時を忘れて浸ることができる。 街を歩けば、神社仏閣、教会など、 歴史や文化が生活に溶け込んでいる。 町民の気質は「お互い様」。 訪問客とも飾り気のない触れ合いをする。 この島にいる間は、時間に縛られなくていい。 自分の体内時計に従って、 のんびり自由に過ごすことができる。 頭と心をリセットし、 自分のやりたいことを見つけよう。
私たちは、世界中の人たちに、 自分と向き合う時間を提供します。
このプロジェクトの作成者
・新上五島町は、長崎県五島列島(九州の西端)に位置する島で、7つの有人島と60の無人島で構成されています。 ・新上五島町は細長い島で、山々が連なり入り組んだ地形をしており、リゾート地のようなエメラルドグリーンの海や水平線に沈み島を赤く染める夕陽、圧倒的な自然や教会群が魅力です。 ・島には、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、病院、学校(大学を除く)等の施設があり、生活するうえで必要なものは島内で購入することが可能です。 また、漁業・農業・建設業・医療・介護・交通・各種サービス業等、様々な業種があり特産品の「五島手延うどん」や「椿油」、「かんころもち」等の製造業もあるなど歴史や文化を感じながら働くことができます。 (新上五島町公式HP:https://official.shinkamigoto.net/) (新上五島町観光HP:https://shinkamigoto.nagasaki-tabinet.com/) (新上五島町移住HP:https://kami510.com/)