東京から24時間。世界自然遺産・小笠原には、なぜ移住者が多い? 村長に聞いてみた
開催日程:
2026/11/07 02:00 ~ 2026/11/12 06:00
最新情報
「興味ある」が押されました!
2026/08/07「興味ある」が押されました!
2026/08/07「いつか、島で暮らしてみたい。」 そんなことを、一度くらい考えたことはありませんか。
「いつか」と思うだけではなく、長い人生の中で、一度くらい小笠原で暮らしてみる。そんな選択肢があってもいい。
とはいえ、移住は簡単に決められるものではないかもしれません。 だからこそ私たちは、まずは知り、実際に訪れることから始めてほしいと考えています。 「ここで暮らしてみたい」と思えたら、一歩踏み出してみる。 縁があれば、そのまま住み続ける。
小笠原諸島は、そんなきっかけで移り住んだ人が多く暮らす島です。
東京・竹芝桟橋から船で片道24時間。東京から約1,000km南の太平洋に浮かぶ小笠原諸島。 東京にありながら、気軽には訪れることのできない島です。 年間を通して温暖な気候で、海開きは日本一早い1月1日。一度も大陸と陸続きになったことがないため独自の生態系が育まれ、その自然の豊かさから、2011年には世界自然遺産に登録されています。
訪れた人が必ずといっていいほどそのきれいさを口にする、「ボニンブルー」と呼ばれる海の色も、小笠原の魅力のひとつです。
そんな魅力あふれる小笠原ですが、ここでの「暮らし」はどのようなものなのでしょうか。「小笠原に住む」なんて考えたことのない方がほとんどだと思いますが、実は移住者が多い場所でもあるんです。
父島に約2,000人、母島に約400人が暮らす小笠原には、どのような生活があり、どのような仕事があるのでしょうか。外からはまだ見えにくい、この島の日常や働き方を、この連載で少しずつご紹介していきます。
第1回は、本州から小笠原へ移住し、43年間この島で暮らしてきた小笠原村長・渋谷正昭が、「なぜ小笠原には移住者が多いのか」を語ります
初めて訪れた小笠原に移住を決めるまで
小笠原村は東京の南方約1,000kmの太平洋上に位置し、約2,000人が住む父島、400人が住む母島をはじめ、南鳥島や沖ノ鳥島など30ほどの島々で構成されています。
空港はなく、6日に一度だけ本土(東京・竹芝桟橋)から定期船「おがさわら丸」が就航。父島までは片道約24時間です。食料品も日用品もこの船で届くため、就航日の夕方にはスーパーに買い物客の行列ができます。
これだけ聞くと、本土のみなさんは「そんな場所で人が暮らせるの?」と感じられるかもしれません。
もちろん、都会の生活と比べれば「ないもの」ばかりかもしれませんが、「そういうものだ」と思っていれば案外不便さは気にならないものです。
地元の商店やスーパー、学校、病院など、生活に必要な施設はひと通り揃っています。携帯電話も全社提供エリア内です(キャリアによってつながりにくい地域もあります)。もちろんネット通販利用でき、、以前に比べると暮らしやすさは大きく向上しています。
飲食店もあり、街も人もコンパクト。「都会の便利さと田舎らしさ、その両方がある島」と話す人もいます。
ここからは個人的な話になりますが、私は東京都内に生まれ、大学卒業まで関東で過ごしました。小笠原村に初めて出会ったのは、大学生の頃。所属していたダイビングサークルの仲間と、ダイビングのために訪れたのが最初でした。1979年の春のことです。
当時は「父島丸」という船で片道39時間かかり、揺れも今よりひどくて、行き帰りは船酔いで大変でした。「おがさわら丸」になってから船旅はかなり快適になりましたし、2025年からは船上のWiFi環境も整い、より便利になりました。
着いてみたら、海のきれいさと華やかさに感動して。それまでは真鶴や伊豆半島での活動が中心で、もちろん本州の海も透明度が高くてきれいな場所はたくさんあるのですが、小笠原はまさに「南の海」で、生態系も海のあたたかさも色彩の華やかさも、それまで見てきた海とはまったく違ったんです。
そこで小笠原の魅力を知り、1983年、25歳のときに移り住むことになりました。
学生の頃は公園管理や国立公園の計画について学ぶうちに、地方の役場でまちづくりに携わりたいという思いが強くなり、小笠原村役場へ入りました。役場では、島で唯一の地酒づくりやホエールウォッチングをはじめとする観光振興など、さまざまな仕事に携わってきました。
役場では、自分がやりたいと思ったことに挑戦できる機会も多く、その積み重ねが「もっとこの島に住み続けたい」という思いにつながっていったのだと思います。 現在は、村長として島の発展に携わる一方、南洋踊り保存会の会長として、小笠原に受け継がれてきた文化を次の世代へつないでいく活動にも取り組んでいます。
そうして気がつけば、本州から移住して43年。この島で暮らし、働き、人と文化に触れながら歩んできた時間が、今の私の小笠原になっています。
人口の10%近くが毎年入れ替わる、流動性の高さ
移住当時は若かったので、そこまでの覚悟や強い思いは持たずにやってきたのですが、小笠原を選んだ理由があるとすれば、学生の頃に初めて訪れたときに感じた「人」の印象が大きかったと思います。ダイビングショップの人や宿の人たちが、みんな気候に合ったあたたかさを持っていたんですよね。
小笠原の歴史を少し振り返ると、明治時代に日本領となる以前から、島には欧米系の方をはじめ、さまざまなルーツをもつ人々が暮らしていました。日本領となってからは、本土から渡ってきた人々も加わり、多様な人たちがともに島の暮らしを築いてきました。
第二次世界大戦とその後のアメリカ統治を経て、1968年に日本へ返還されると、島へ戻ってきた旧島民と、新たに移り住んできた人たちが一緒になって、小笠原の新しい暮らしをつくってきました。 その歴史は、人だけでなく文化にも受け継がれています。代表的なものの一つが「南洋踊り」です。南洋諸島との交流の中で育まれ、戦争や疎開を経ても受け継がれてきたこの踊りには、多様な文化を受け入れながら大切に育んできた小笠原らしさが表れているように感じています。
島の歴史そのものが、さまざまな土地から来た人たちとともに歩んできた歴史でもあります。だからこそ、「外から来る人」を自然に受け入れる空気が、この島には育まれてきたのではないか。私はそんなふうに感じています。 そうした歴史があるからこそ、現在の小笠原に暮らす人の特徴として、転勤でいらっしゃる方がすごく多いんですよ。国や東京都の公務員が多く、2〜3年のサイクルで「入って、出て」が繰り返されるので、人の移動が流動的です。年間で200人くらい、島の人口の10%近くが入れ替わるので、割合としてはかなり多いといえます。
もちろん移住して長くいる方、環境になじめずすぐに出ていかれる方、それぞれです。入れ替わりながら徐々に人口が返還当時から増えていきました。
そのような歴史的な背景や土地柄もあり、小笠原には外から来た人をスッと受け入れる風通しの良さがあるように思います。私は、その空気がとても心地よかったんです。だから43年も暮らしてこられたのでしょう。同じような方は小笠原での生活を楽しめると思います。
小笠原の自然や人の営みは、これから先も大きく変わることはないと思います。だからこそ、この島がこれまで大切にしてきた、人を受け入れ、ともに暮らしていく文化も、これから先へ受け継いでいきたいですね。
ーーー とはいっても、小笠原で暮らすという選択肢は、まだ多くの方にとって少し遠く、想像しにくいものかもしれません。 この連載では、小笠原で暮らし、働くことを選んだ人たちのストーリーや、島での日常、さまざまな仕事を通して、「小笠原で暮らす」という選択肢を少しずつ身近に感じてもらえたらと思っています。 次回からは、小笠原を選び、島で働き、暮らす人たちのリアルな日常をご紹介していきます。
文字や写真だけでは伝えきれない、小笠原の空気や、人と人との距離感があります。 今後は、実際に島を訪れ、働く人や暮らす人と出会い、小笠原の日常を体感できる移住体験ツアーやオンラインイベントも開催する予定です。
「一度行ってみたい」「ちょっと話を聞いてみたい」と思った方は、ぜひお気軽に「応募したい」を押してください。
※正式なツアーお申し込みではありません。募集開始やイベントのご案内を優先してお届けします※
まずは知ることから。 そして、気になったら訪れてみる。 その先に、小笠原で暮らし、働くという新しい選択肢が見つかるかもしれません。
募集要項
※募集者 / 主催者に連絡を取りたい場合、まずは「応募したい」ボタンを押してメッセージを送ってください。
【5泊6日】小笠原暮らし・仕事体験ツアー
ー 興味のある仕事の現場を訪ねる ー 島で働く人・暮らす人との交流 ー 島の日常を知るまち歩き ー 父島・母島を訪問 ー 島の自然を感じる散歩 ー 移住者との座談会・移住相談
2026/11/07 02:00 〜 2026/11/12 06:00
5泊6日 ーーー 2026年11月7日(土)東京発 〜11月12日(木)東京着
※父島・母島を巡りながら、 仕事や暮らしを体験します。
約¥69,000/人
【ツアー代金に含まれているもの】 ・おがさわら丸往復船賃 ・父島・母島間の往復船賃 ・交流会参加費
※宿泊費(3万円相当)は事務局が負担するため無料です。 ※現地での送迎、移動補助あり ※参加費は11月の燃油調整金により変更する場合もございます。 ※参加費に含まれるもの:おがさわら丸往復2等和室運賃、ははじま丸往復2等運賃、その他諸費用。 ※現地での食事代、任意参加プログラム費(詳細は今後行う面談や説明会でお伝えいたします)は別途現地でお支払いいただきます。 ※船賃は、おがさわら丸2等和室利用時の料金を基準としています。 ※船内では、有料でWi-Fiをご利用いただけます。
手配旅行会社:株式会社ナショナルランド(東京都知事登録旅行業 第2-2174号)
東京・竹芝客船ターミナル
2026年11月7日(土)
集合時間等の詳細は、お申し込み後にご案内します。
小笠原で働く人や暮らす人と出会い、島での仕事や暮らしを具体的にイメージするための少人数・選考制の移住体験ツアーです。 参加者の興味や希望職種に合わせて、訪問先や交流先を調整します。 ーー ◾️興味のある仕事の現場を訪ねる 保育・医療・役場など、ご希望に合わせて現場をご案内します。 ◾️島で働く人・暮らす人との交流 島で働く方々と、仕事や暮らしについてじっくり話せます。 ◾️島の日常を知るまち歩き スーパーや商店などをまちを歩きながら、島のリアルな暮らしを体感します。 ◾️父島・母島を訪問 それぞれ異なる島の雰囲気や仕事、暮らしを知る機会です。 ◾️島の自然を感じる散歩 観光ではなく、暮らしの中にある小笠原の自然を体感します。 ーー
【申込方法】 ① 「応募したい」を押してください。 ② 募集開始時に、申込フォーム・イベント等のご案内をお送りします。 ③ 書類選考・オンライン面談(必要に応じて) ④ 参加者決定
※「応募したい」を押した時点では正式なお申し込みにはなりません。 ※本ツアーは、小笠原への移住・就業を検討されている方向を対象とした選考制プログラムです。
小笠原村役場 総務課 / Bricoleuse合同会社
このプロジェクトの地域
小笠原村
人口 0.28万人
小笠原移住定住窓口が紹介する小笠原村ってこんなところ!
東京から南へ約1,000km。小笠原諸島は、東京都に属しながら空港がなく、東京・竹芝桟橋から定期船で約24時間かけてたどり着く島です。
父島約2,000人、母島約400人が暮らし、行政や観光、農業、漁業、医療、教育など、多様な仕事が島の暮らしを支えています。2011年には世界自然遺産に登録され、一度も大陸と陸続きになったことのない「海洋島」ならではの豊かな自然が残されています。
小笠原での暮らしは、都会のような便利さがあるわけではありません。船の運航に合わせて買い物をしたり、人との助け合いの中で生活したりと、島ならではの工夫があります。その一方で、休日には海へ出かけたり、夕日を眺めたり、満天の星空を見上げたりと、自然がすぐそばにある暮らしを日常として楽しむことができます。
また、小笠原にはさまざまな地域や国にルーツを持つ人々が暮らしてきた歴史があり、現在も本土からの移住者や転勤者など、多様な人が地域を支えています。外から来た人を受け入れる風土が根づいていることも、この島の大きな魅力の一つです。
このページでは、小笠原で暮らし、働く人たちのストーリーや仕事、島での日常を通して、「暮らす場所」としての小笠原の魅力をお届けしていきます。