新たな豊かさを求めて ~映像作家から野菜作りへ、65歳で選んだ千野での暮らし~

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2025/02/28

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2025/02/22

3年前に大津市千野に移住された櫻井篤史さん(以下|櫻井さん)にSMOUTライター三輪がお話をお聞きしました。櫻井さんは、神奈川県出身で大学進学を機に、京都府に移住された後に千野に住居をおかれました。千野に移住するまでは、映像作家、ギャラリーの運営など様々な活動をされていた櫻井さん。65歳のタイミングで知り合いの殆どいない農村に移住した理由や、農村生活の楽しさについてお話を伺いました。

○湖西に移住した経緯

–––––三輪:湖西に移住した経緯を教えてください。 櫻井さん:元々は京都市の街中に住んでいました。京都へは、大学進学をきっかけに来ました。なので47年ぐらい住んでいたのかな。大学の頃からずっと映画を作っていて、最後の7年は映像ギャラリーを運営していました。そこを色々な経緯で閉めることになったのですが、街中じゃなくてゆったりとした地域に行きたいなと思うようになったんです。京都にこだわる必要がなくなったというか。なので、金沢や奈良、福井などいくつか候補を考えていたんです。そうしたら、50年前ほど前からお世話になっている先輩が先に滋賀に移住していて、「滋賀はいいぞ!」ってオススメしてくれていたことを思い出しました。その人は、僕の現在の大家さんになるんですが、移住するだけじゃなくて滋賀の農村で空き家を購入して、移住希望者に貸したり、農地を借りて農業を始めたりしていました。ギャラリーを辞める際に、再会したのですが、その時にも「空き家を改修するから住まないか」と提案してくれました。自分の今までの生活では身近になかった価値観に触れるいい機会だと思って、千野に来る決意をしました。

–––––三輪:私だったら約50年間住んでいたら、友達や地域などに愛着が湧いて出ていけないような気がします。知らない人ばかりの土地に移住することへの不安や抵抗はなかったのですか? 櫻井さん:全然1ミリもない。知人たちには、みんなから驚かれましたね。近くに息子家族もいるのにって。でもさ、生きたいように生きなきゃね。特に田舎暮らしに目的なんて最初はなかったわけだけど、憧れはずっとあったので。

京都で運営されていた「ルーメンギャラリー」
京都で運営されていた「ルーメンギャラリー」
フィルム映画を上映している様子
フィルム映画を上映している様子

移住した後の活動

–––––三輪:千野に移住されてから何かやりたいことなどは見つかりましたか? 櫻井さん:最初は、のんびりとこの先考えようかなと思っていたんだけど。映画も作りたいなと思っていましたし。でも、1年前くらいから畑を借りて野菜を作り始めたのですが、それがやりだしたら面白くて。今は映画より野菜作り!!もちろん、機会があれば映像作品も作りたいとは思っていますが、今は野菜を育てることを楽しみたい気分ですね。

–––––三輪:何故、そんなに野菜づくりにハマったのですか? 例えば、街中に住んでいると、消費生活になるわけですよね。だから、モノを貨幣で買って生活する必要がある。商品への信用をお金で買っているイメージです。 でも、やっぱり食品は、農薬や化学肥料、加工品であれば添加物の問題が絡んできます。京都で生活している頃は、そこが見えてこなくて。一体どうやって、この食品は作られているんだろうって考えていたりしました。ただ千野にきて、食べる前の段階を見るようになりました。そうすると、野菜の作り方にもたくさん種類があることを知ったし、無農薬・無化学肥料でも自給するくらいの量は作れるぞっていうことに気がつきました。また、お米を買う時にも、品種の相談や、減農薬なのか無農薬かなど直接生産者の方から聞いて購入できます。千野にきて、食生活のあり方について考えることが増えた結果、自分が食べる野菜を作るという行為に意味を見出せましたね。千野のような地域は、不便だという印象を持たれることが多いですが、不便こそが豊かな生活をつくっていくのではと感じています。

畑にて大根の収穫
畑にて大根の収穫
冬野菜が生い茂る畑
冬野菜が生い茂る畑

今後のやりたい活動

–––––三輪:千野の生活を全力で楽しまれている櫻井さんですが、今後、農業以外にやりたいことはあるのですか? 櫻井さん:ここで、ギャラリーをやりたいなという想いがあって、現在古民家を改修して準備しています。千野には、工房を置いている職人さんが何人かいます。竹や木材、粘土などの素材を使って作品を制作されていて、アートというよりは工芸ですね。その素材は、やっぱり農村にあるわけですよね。農村の自然環境を大切にしながら、制作をしたいという価値観にすごく共感できて。だから、そういう人たちの作品を展示できるような場所を作りたいと思っています。千野の農村で展覧会をやるとなった時に、どんなお客さんが来てくれるんだろうと、とても楽しみにしています。

–––––三輪:農業だけでなく、ギャラリーまで開こうとされている櫻井さんは、千野の生活をとにかく楽しまれているような印象をもちました。農村という場所で、セカンドライフを謳歌される櫻井さんは豊かさに満ちた表情をされていました。新たな動きであるギャラリーにも注目です!

千野の冬の景色
千野の冬の景色
新たに開かれる予定のギャラリー
新たに開かれる予定のギャラリー

このプロジェクトの地域

滋賀県

大津市

人口 34.06万人

大津市

大津市企画調整課が紹介する大津市ってこんなところ!

大津市は、比良・比叡の山並みとびわ湖に代表される自然と、様々な歴史の舞台となった豊かな文化財を有する歴史と文化に彩られた都市です。  滋賀県の県都として、市外の方からも評価をいただき、現在も転入超過※を続けている「選ばれるまち」です。 ※転入者数が転出者数を上回っている状態

【大津市が選ばれる理由5選】 1 大都市への利便性の良さ(JR京都駅まで9分、JR大阪駅まで40分(JR大津駅から)) 2 びわ湖の癒しを感じられる生活 3 大都市に比べて物件が取得しやすい。 4 豊かな教育環境 5 通える田舎暮らし、週末田舎暮らし

このプロジェクトの作成者

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滋賀県大津市は、転入者数が転出者数を上回る社会増を続ける“選ばれているまち”です。 都会派、田舎派どちらのくらしも叶えられるのが滋賀県大津市です。 【大津市を示すデータ】 ・2016年から社会増を続けています。 ・最も多い転入者は、子育て世帯 【大津市が選ばれる理由】 ・抜群の利便性 (JR京都駅に9分、JR大阪駅に40分) ・住宅が取得しやすい ・びわ湖と山のいやしを感じるくらし

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