
50歳を前に人生の舵を切った。群馬→伊吹山のふもと。地域おこし協力隊インタビュー
公開日:2025/05/09 01:07
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2025/06/08「興味ある」が押されました!
2025/05/29地域おこし協力隊や、ミドルエイジでの移住に興味がある方必見! 40代で地域おこし協力隊に応募した現役協力隊員の方にお話を聞いて来ました。
鯉登千尋さん 群馬県出身。18歳の時からバスガイドをされていましたが48歳の時に米原市の地域おこし協力隊に応募し、移住。現在、協力隊のミッションである伊吹山の保全活動を行いながら、「伊吹のよもぎ」を使ったよもぎ蒸し体験や入浴パックの販売、フリーのバスガイドとしても活動されています。
ー地域おこし協力隊に応募したきっかけは何でしたか?
「コロナ禍でバス観光の仕事が減り、転職を考えていたタイミングでした。スマウトで募集を見つけ、『地域おこし協力隊』という仕事があることを知りました。なんとなく50歳になってからでは遅いと感じたので、最後のチャンスと思って応募しました。」
もともと山の仕事を探していたわけではなかったという鯉登さん。 「地域おこし協力隊の募集をいろいろ見ていく中で、山の仕事というのは唯一でした。登山やキャンプが趣味ということもあって、いろいろ募集を見ていく中で自分に合っているんじゃないかなと思うようになった。また、雇用形態とミッションが明確にあることが私にとって安心だったので決めたんです。」
山の保全と伊吹のよもぎ。二つのミッションに生きる日々
ーどんなミッションを担当していますか?
「メインは伊吹山の保全活動です。それに加えて、自分の事業として『伊吹のよもぎ』を育ててそのよもぎでよもぎ蒸しの施術や入浴パックを作ったりしています」
ー実際に協力隊として活動してみて、「想像と違ったな」と感じたことはありますか?
「 2年目からはドローンや重機が入ったので楽になりましたが、1年目は想像していたより過酷でした。伊吹山は天気などの自然条件が厳しい山で、力仕事も多かった為です。また、鹿の食害も深刻で、網を張るのですが毎日同じところが食い破られていて泣きたくなることも。協力隊に就任して2ヶ月で伊吹山の土砂災害(※)もありました。」
ー逆に伊吹山の仕事をしている中で心ときめく瞬間は?
「季節で変わる山頂の景色です。春から夏、夏から秋、秋から冬という風に季節の変わり目には一週間でガラッと景色が変わってしまうのが楽しい。ちょくちょく登っていないとその変化は見逃してしまうだろうからこれは山の仕事の特権ですね」
ーよもぎとの出会いや、その価値に気づいたきっかけは?
「メインミッションとは別に『みらい活動』といって、自分の“生業”を育てる時間があり、何をしようか考えていた時に縁あって出会ったのが伊吹のよもぎでした」
まず畑を借りてよもぎの移植をしてみるところから始まり、よもぎ蒸しの施術や、葉を天日干しして作る入浴パックなど、活動の幅は広がり続けています。
鯉登さんは「移住する前は想像もしていなかった分野ですが、よもぎは勉強すればするほどハマりますね」と語ります。
ーよもぎの入浴パック作りでこだわっているポイントは?
「私の場合は使用するよもぎから作っています。道端のよもぎは放っておいても育つイメージがありますが、畑で育てようとするとそううまくもいかなくて。他の草に負けてしまうので、暖かいうちはひたすら草むしりです。また、雪が積もると収穫できません。その間は私が信頼しているところから購入したよもぎを使っています。 個人でやっているからこそ、大手ができないことをやりたくて。『手作業で丁寧に』を心がけています。よもぎの葉っぱの一枚一枚を洗浄し、程よい柔らかさに乾燥させる為によもぎの状態を見ながら天日干しと陰干しを加減します。 よもぎを育てるところから入れるとひとつの入浴パックを作るのに実は一年かかっています。大変だなと思うこともありますが、私がお客さんだったらと考えると手を抜けないですね。」
作るまでに1年…!その入浴パックがひとつ500円って破格すぎませんか!?と思わず突っ込んでしまいました。 「地域おこし協力隊の任務期間中は地域に還元する意味でこの値段でいいと思っています。伊吹のよもぎの良さを知ってもらえたら」とのこと。
今後は「伊吹のよもぎ」をブランド化して良さを広め、県外イベントにも積極的に出店していく予定だそう。
※…2023年7月の集中豪雨と8月の台風により伊吹山南側斜面の土砂が広範囲に流出。2号目から8号目までの登山道の一部が大きく崩れる被害が発生。現在も、落石や滑落などの危険があるため米原市側の麓からの伊吹山入山は禁止されています。 ※…伊吹山ドライブウェイの営業期間中は、ドライブウェイ終点(9合目の駐車場)から山頂をつなぐルート(西登山道・中央登山道・東登山道)をご利用いただくことができます。


暮らしのごほうびと、これから移住を考える人へメッセージ
ー米原市に移住してから、日々の暮らしで「いいな」と思うお気に入りの瞬間について教えてください。
「仕事が終わって家に帰り、家の前で焚き火をする時間です。コーヒー豆を焙煎したりして。贅沢だなあって。都市部では難しい、思い立ったらすぐ自然と向き合える暮らしというのは豊かなことですね。」
ご近所づきあいについて、よもぎが運んできてくれるご縁もあるようで、「よもぎ蒸しを受けにきてくれたご近所さんに紹介していただいて浅井の真菰畑をお持ちの方に見せてもらったり、その方のマルシェに出店したり。この辺はもともと薬草の知識がある方が多く、よもぎの活用法なんかを教えてもらえたり。薬草茶は昔から日頃飲まれていたらしく、よもぎと何を合わせるかは家庭ごとにレシピがあるそう。私もお茶にして日常によもぎを取り入れています」
ー大変だなと感じたことはありますか?
「特にありません。移住前に住む集落の自治会長と面談する時間があったのですが、その際に『これはやっておいた方がいい』『これには気をつけて』など事前に知れたのが大きかったです。先輩移住者も何組かいる場所なので、迎え入れてくださいました」
ー地域おこし協力隊に興味がある人、移住しようか悩んでいる人に向けてひとことお願いします。
「協力隊は、想像よりも自由が効かない部分もあるかもしれません。でも、自分のやり方で楽しむことはできると思う。自分から動いて、周りの人にどんどん話しかけるのが大事ですね。私は少し詰め込みすぎたので、ペースを掴むのが大事かも」と話す鯉登さん。
これから移住を考えている人に向けては「私の場合、実際住んでみると米原の印象が全然違って、思っていたより田舎でした笑。米原は『交通の要衝』でもあるのでもっと都会かと思っていたんです。ただ、その分関西・中部にもアクセスしやすく、思ったより不便を感じません。米原は“田舎”だけれど、そこだけじゃなく周辺地域も含めて見てみてほしいです。雪も心配されるけど、除雪が行き届いていて意外と困らない地域もあります」とアドバイスも。


伊吹山を想うイベントと「ビワコ」体験!
鯉登さんも出店する、伊吹山の保全について考えるイベント「I am earth」https://smout.jp/plans/21867/preview?token=
鯉登さんのブースではまちのコイン「ビワコ」のもらう・あげる体験ができます。 ・I am earthに参加して+200ビワコ ・I am earthに参加した方、100ビワコで「凪〜nagu〜」ブースにてよもぎグッズをプレゼント
まちのコインはこちらから👇 https://coin.machino.co/regions/shiga
人と人、人と地域のつながりを増やす取り組みとしていろいろな体験が楽しめるまちのコイン。滋賀県のまちコイン(地域通貨)は「ビワコ」です。ぜひご参加ください!
◾️イベント出店情報など詳しくは 鯉登さんInstagram:https://www.instagram.com/ibukiranger.chi85?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
このプロジェクトの地域

米原市
人口 3.57万人

星子と紲ya、まいばら沼からこんにちは (淡水)が紹介する米原市ってこんなところ!
米原暮らしの楽しみ方は人それぞれ。1時間を近いと感じるか遠いと感じるかによって楽しみ方が変わってきます。 四季折々の何気ない写真を撮るのもよし、仕事終わりにラーメン屋を巡るのもよし、休みの日にケーキ屋を巡って自分だけのとっておきを見つけるのもよし、友達とカフェやパン屋を巡るのもよし、思い立った時に琵琶湖や海に行くのもよし、楽しみ方や楽しむ方法は自由、全てを米原市だけで完結させる必要はありません。だけどそんな暮らしができる″自分流の暮らしができるまち”が米原市だと思っていただければ結構かと思っています。
このプロジェクトの作成者
紲ya-ツナギヤ-:2024年度まで米原市の地域おこし協力隊。2025年度米原市移住コーディネーター。 お試し暮らしの宿”紲ya-ツナギヤ-"をはじめました。米原市への移住にご興味ある方、移住相談・現地案内オーダメイドツアーを承ってます! 自然派、実践派、土を作る暮らしをしたい。メディア出演歴多数(地元限定)。 畑をしたくて米原市に移住したけどなかなかできてない😭ワイルドパパを目指して道半ばの一児のパパ。今年こそは、土に触れる時間を作ります!
星子:米原市に移住する前は田舎暮らしには全く向いてないと思ってたけど、今や近所の散歩で季節の美しさに泣いてる。グラフィックデザインと絵をやってるけど言葉を大事にしている(しかし口下手)。よく「旦那の嫁」扱いされがち。普通の人に擬態するのが上手な変人。 2024年度に別アカウントで米原市の伝統食や移住者インタビュー記事など書かせてもらってましたが、2025年度は実は夫である紲ya-ツナギヤ-と一緒にこちらのアカウントから失礼します!