【前編】協力隊卒業後に見つけた「私らしい働き方」。パラレルワーカーとして歩む菅野千恵子さん

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2025/08/26

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2025/05/22

地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化が著しい地域において、地域の活性化や地域振興など「地域を盛り上げること」を目的に設けられた制度の1つです。自治体が外部から人材を受け入れ、隊員が地域の特性に応じた活動を行います。

福島県中部に位置し、自然豊かで四季折々の美しい風景が楽しめる福島県田村市。県外から移住した地域おこし協力隊員がさまざまな活動を行ない、まちに新たな魅力を生み出してきました。今回はその1人、田村市の元地域おこし協力隊の菅野千恵子さんをご紹介します。

「自分が本当にやりたいことは何なのかに、真剣に向き合った3年間だった」と振り返る菅野さん。協力隊としてどんなことに挑戦し、どんな学びを得たのか。活動の中でぶつかった壁や、卒隊後の今に生きていることなどを、飾らない言葉で語ってくださいました。田村市や地方での挑戦を考えている方は、必読の記事です!

地域おこし協力隊での活動内容

ー 地域おこし協力隊として田村市に来ることを決めたきっかけは?

東京で暮らしていましたが、満員電車や情報の多さ、人間関係などのストレスが重なり、疲れ切ってしまっていました。気分転換に帰省した際、幼い頃に行った片曽根山でリフレッシュしようと立ち寄ったところ、山頂から見た田村市の景色を見て心が洗われ、漠然と「生まれ育ったこのまちのためになることがしたいな」と感じました。帰り道、たまたま遠回りをして郡山に向かっていた時にテラス石森の前を通り、廃校をリノベーションした施設であることを知りました。地元の人がまちおこしのために立ち上げた拠点であると分かり、何か導かれているような感覚がして、自分も一緒に何かできないかと思うようになりました。当時勤めていた会社を退職しようと考えていたことも重なり、「地元で職があるなら」と希望が持て、Uターンを決めました。

ー 着任後はどのような活動をしていましたか?

移住を希望する方からの相談業務や、農業イベントの企画運営といった活動を行っていました。今でこそ増えましたが、私が入ったばかりの頃は農家さんとのつながりがゼロで、それを作るというのが最初のミッションでした。農家さんのリストを手に片っ端から電話をして、「会いに行って話を聞いても良いですか?」と、怖いものなし精神でつながりを開拓をしていきました。

ー 地域の方々との関わりで、印象的なエピソードはありますか?

農家さんとの関わりが多かったのですが、誰一人として、嫌々仕事をしている方がいなかったということです。協力隊になる前の私は、会社員として、嫌でもやらないといけない仕事があったり、特にやりがいなくやっていた仕事もあった中で、こんなにも楽しく仕事をしている方がいるんだなと思いました。自分の働き方について、真剣に考えるきっかけをいただいたのは間違いありません。

田村市に移住し活動する方へインタビュー
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「遊休農地を減らして農村環境を守りたい」と就農した、松や農園の佐藤さんご夫妻と
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挑戦、そしてやりがい

ー 活動の中で特にやりがいを感じた瞬間は?

移住相談で携わった方が、移住後に笑顔で、とても幸せそうに暮らしている姿を見た時です。人生が変わる大事なタイミングでお手伝いができてよかったと、やりがいを感じました。また活動を通して、苦手と思っていたけれど実は案外得意なのかもしれないと思えることが、たくさん見つかりました。例えば人前に立って話すことや、場を仕切ること。苦手だしやりたくないと思っていましたが、「菅野さんが話してくれると場が和む」と言ってもらえることが増え、イベントの司会やファシリテーションする力が自然と身につき、卒隊後には司会者という仕事にもつながりました。これは入隊当時には、全く想像もしていないことでした。

ー 活動してみて一番成長できたと感じることは?

「できないことにどう向き合うか」ということです。まったくの業種違いからの転職だったため、とにかくパソコンを使った業務が何一つこなせなくて、本当に苦労しました。「できない、できない…」と、当時はそのことばかりに気持ちが傾いてしまい、辛くてたまらなかったのですが、その度にまちづくり法人(一社)Switchの代表から「じゃあ、どうやったらできそう?」と声掛けをしてもらったことは、今の自分の仕事のやり方にも生きています。感情と事実を切り分けて捉え、冷静に解決策を考える力が身につきました。資料作成スキルも、今役立っていることの一つです。協力隊時代は「書類が多くて嫌だな…」と思っていましたが、フリーランスになってから大いに生きています。

ー 活動において大変さを感じたとき、どう乗り越えましたか?

キャパオーバーになり、「もう自分にはできない」と退職届を出したこともありました。しかし、仲間や代表がとことん話を聞いてくれ、乗り越えることができました。そうした人たちが、自分より何倍も頑張っている姿を間近で見ていたので、「私ももう少しだけ頑張ろう」と思うことができました。また仕事以外で、息抜きになることを見つけるようにしました。知り合いの農家さんや畜産農家さんのところへお手伝いに行ったり、イベントスタッフのアルバイトなどをしました。働く選択肢が一つではないと感じられたり、一緒に働く方の仕事に対する想いなどを聞いたりして、とても勇気づけられました。

―――

地域おこし協力隊として活動して3年、いよいよ卒隊の時期が迫ります。 パラレルワークというユニークなキャリアは、いったいどのように見つけたのでしょうか。

気になる後編はこちら▼ https://smout.jp/plans/22058

イベントでの司会の様子。田村市の農産物や特産品の魅力を十二分に伝えた
イベントでの司会の様子。田村市の農産物や特産品の魅力を十二分に伝えた
共に励まし合い活動した、地域おこし協力隊の仲間たち
共に励まし合い活動した、地域おこし協力隊の仲間たち

このプロジェクトの地域

福島県

田村市

人口 3.52万人

田村市

一般社団法人Switchが紹介する田村市ってこんなところ!

暮らしのスタイルが選べる! 福島県の山間地に位置する田村市は、人口約32,500人が暮らす、自然豊かで多彩なライフスタイルが楽しめる町です。 市域の約70%を占める広大な森林や、丘陵地帯に広がる静かな山間部や畑、さらには国道沿いの利便性の高い生活エリアまで、地域ごとに異なる魅力を持つ田村市。静かにゆったりと過ごすスローライフも、便利な町中での快適な生活も、自分のライフスタイルに合わせて選べるのが大きな魅力です。

さらに、東京から新幹線と電車で約1時間50分、車で約3時間30分というアクセスの良さも田村市の強み。 夏は涼しく、冬は雪が少ないため、都市部からの移住者にも優しい暮らしやすい環境が整っています。

このプロジェクトの作成者

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興味を持っていただき、ありがとうございます! 私たちは福島県田村市で廃校活用型テレワークセンター「テラス石森」を運営しながら、地域活性化に取り組んでいるまちづくり法人です。 福島県田村市を、よりアツい場所にするべく活動しています。

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