募集終了

「やってみたい」を地域の追い風に。松本市奈川の「みかた」をふやすコーディネーター

最新情報

プロジェクトの募集が終了しました。

2025/06/03

「興味ある」が押されました!

2025/06/03

JR松本駅から1時間ほど国道158号を西へ車を走らせ、トンネルである「入山隧道(にゅうやまずいどう)」内のY字路を右に抜けると上高地、左に抜けて辿り着くのが松本市の奈川地区です。奈川は、北アルプスの山々に囲まれた自然豊かな地域。ウインタースポーツやキャンプ、釣りなど四季を通じてさまざまなアウトドアが楽しめるほか、「とうじそば」が発祥の“蕎麦の郷”としても知られます。また、一部の集落では、松本市指定の無形民俗文化財となる「奈川獅子」が継承されています。

山間地域に位置する奈川は、もともとは奈川村という別の自治体でしたが、2005年に松本市と合併した過去があります。合併当時は1,000人ほどいたという奈川地区も、人口減少と少子高齢化が進行しており、現在の人口はおよそ550人。20年の間に半数ほどに減少しました。こうした状況をなんとかしようと、地域住民と行政、専門家などで構成される「持続可能な奈川地区推進協議会」が立ち上がったのは2021年度のこと。「奈川のみかたをふやす」を理念とした「持続可能な奈川地区推進計画2023」をつくり、この計画に基づいた様々な取り組みが進められています。

今回の募集は、地域おこし協力隊。住民主体の地域づくりをさらに発展させるため、自然や文化の豊かな奈川で暮らしながら地域の一員として活動する人を募集します。

主体的な活動を生み出す「奈川ぐるぐるカフェ」

「奈川のみかたをふやす」を理念とした「持続可能な奈川地区推進計画2023」に基づいた取り組みのひとつが、「奈川ぐるぐるカフェ(以下、ぐるぐるカフェ)」。奈川の住民たちが月1回ほど集まり、挑戦してみたいことや、日頃の課題感などを共有する地域ワークショップです。2022年度から3年間、studio-L(全国各地で地域づくりのお手伝いをするコミュニティデザイン事務所)のサポートを受けながら進められてきました。

このカフェは、地域の皆さんの自主的な活動を生み出す装置となり、アイディアをみんなで出し合って、チーム化して、実践して、また次につなげていく。

そんな中から生まれたのが「ながわ青空マルシェ&マーケット」。第1回を2023年に野麦峠スキー場で実施しました。このマルシェ開催に向けて、ぐるぐるカフェでコンセプトを確認し合いながら、それぞれの役割を持って準備が進められました。2022年の秋にぐるぐるカフェがスタートしてから、わずか1年足らずでの実現です。

このマルシェには多くのお客さまが来場してくれたのはもちろんのこと、ぐるぐるカフェのメンバーにとっても、改めて奈川で活動する楽しさを感じられる時間になり、年配の方々がニコニコ見守ってくれたり、地元の松本大学の先生がアンケート調査を実施してくれたり、さまざまな人がそれぞれのできることで奈川に貢献してくれました。今後、奈川の新しい夏の恒例イベントを目指し、企画を進めています。

新たに加わる協力隊員は、初年度(2025年度)の1年間、studio-Lと共にコーディネートを実施することで、コミュニティデザインに関する知識や手法を学べることも利点です。それぞれ担当の業務はありつつ、メインの活動はぐるぐるカフェの企画や運営、ワークショップ等から生まれたさまざまな地域活動の伴走支援と、各種分科会の運営支援。studio-Lが奈川で培ってきたものを継承し、コーディネーターとして引き継いでいくことが期待されています。

また、その業務に加えて、奈川地区の観光資源を活かし、地域内外の交流促進を担う観光交流コーディネーターと、移住希望者の受け入れ支援や地域とのつながりをサポートする移住コーディネーターの計2名を募集します。

ぐるぐるカフェで集まった仲間と一緒にもりもり食べて、みんなで楽しい時間を過ごす
ぐるぐるカフェで集まった仲間と一緒にもりもり食べて、みんなで楽しい時間を過ごす
持続可能な奈川地区推進計画2023に掲載された「みかた」の概念図
持続可能な奈川地区推進計画2023に掲載された「みかた」の概念図

達人たちに学ぶ暮らしとコーディネート技術で地域に追い風を

「人や物に囲まれて暮らしていると、何かに合わせないといけない雰囲気があると感じる。奈川では、その何かが薄い。」

もとは地元の林業を支える製材所でありながら、時代と共に事業を転換し、現在は不動産業と建設業、そして製材所に残った木をエネルギーにして石窯で焼く「製材所のパン屋」を開業した向井亜紀子さんはこう語ります。

山をおりて買い物をするのが当たり前だった奈川地区の人たちにとって、気軽に地区外へ出られなくなったのがコロナ禍。向井さんは地域で安心して立ち寄れるお店をつくりたいと考え、「製材所のパン屋」をOPENしました。

仕事と農業、それとは別にみんなが学校や地区などさまざまな役割についているから、自然と顔をあわせる機会や会話も増える。奈川でも当然、協調性は必要ですが、自分が動きたいように動ける余白がたくさんあります。

協力隊員の活動の軸となるぐるぐるカフェも、地域について考えるなかで、みんなが自分らしさを見つけだすきっかけのひとつ。「やってみたい」という気持ちそのままに地域に何かが生まれる。その取り組み自体が奈川らしい活動だと考えています。

今回採用する協力隊にも、“これをどうにかしてほしい”というような、明確な課題解決は求めていません。最初は分からなくても、とにかくたくさん経験したり、いろいろな場所を自ら肌で感じながら、惑わされないと自分らしさと自分の役割を奈川で見つけていってください。

奈川は、お互いに見守りながら、頑張って挑戦する人を応援してくれる地域です。わからないことがあっても相談すれば、それに応えてくれる人ばかり。みんな、手を差し伸べるスタンスで今回の協力隊の挑戦をサポートしてくれるはずです。

コーディネートや地域のまちづくりに取り組んできた経験、専門的な知識については、応募段階では必ずしも必要ではありません。地域に入り込んでコミュニケーションを取っていく仕事なので、重視したいのは暮らしている人たちとの関係性を大事にできる方。そして、さまざまな芽が出始めている奈川で、コミュニティデザインを学んでいきたいという意欲がある方が来ていただきたいと考えています。

日々の暮らしのなかで、自分らしさを活かした役割があると、人生は豊かになるのかもしれない、と感じさせる奈川地区の暮らし。

人もモノも少ない場所だからこそ、本来の自分らしさや、やってみたいこと、これからの生き方が見えてきやすいのかもしれません。人と顔を合わせて話すことや、地域の「やってみたい」をサポートするコーディネーターの経験を通して、自分らしい役割を見つけてほしいと思います。

パン屋、不動産業、建設業、地区の当番と、いくつもの草鞋を履く向井さん。
パン屋、不動産業、建設業、地区の当番と、いくつもの草鞋を履く向井さん。
ともに働く奈川地区地域づくりセンターのみんな
ともに働く奈川地区地域づくりセンターのみんな

募集要項

※募集者 / 主催者に連絡を取りたい場合、まずは「応募したい」ボタンを押してメッセージを送ってください。

就業場所
長野県松本市奈川地区
業務内容

①観光交流コーディネーター 地域の観光資源を活かした企画・運営サポート、SNS発信、関係団体との連携

②移住定住コーディネーター 移住希望者の相談対応、空き家情報の発信、地域活動のサポート

共通業務:地域住民の日常的な活動相談、地域ワークショップ運営(企画、ファシリテーション等)、地域活動の支援(企画・運営サポート、記録等)、地域活動の情報発信(WEB 運営、グラフィックデザイン等) 

必須経験やスキル

奈川地区のような中山間地域の地域づくりに興味がある方 コミュニティデザインや地域コーディネートへの関心がある方 地域住民との信頼関係を築き、積極的に交流できる方 特別な経験は不要ですが、学びながら成長する意欲がある方

給与

185,000円/月 (別途、年2回の期末・勤勉手当あり)

雇用形態・勤務時間

原則平日8時30分から17時00分(休憩時間1時間)

<休日休暇> 週休2日制(土・日)

募集者 / 主催者
松本市役所 奈川地区地域づくりセンター
募集者 / 主催者の
住所
〒390-1611長野県松本市奈川3301番地
募集者 / 主催者の
連絡先
0263-79-2121
その他

条例、規則等に定めるところにより通勤費相当額、期末・勤勉手当、寒冷地手当を支給します。 活動に係る費用は市が支給。これに加えてふるさと奈川をおこす会から家賃補助、インターネット回線費等に使用できる活動費(年10万円以内)の支給があります。

松本市役所 奈川地区地域づくりセンター

このプロジェクトの経過レポート

このプロジェクトの地域

長野県

松本市

人口 23.80万人

松本市

松本市(奈川地区地域づくりセンター)古畑節子が紹介する松本市ってこんなところ!

松本市奈川地区は長野県松本市の西端、岐阜県との県境。標高1200mほどに位置する人口650人ほどの小さな地域です。奈川の自慢は山里山林から採れるきのこ、山菜、薪といった豊富な自然の資源。手入れされた畑で育つそばをはじめとしたおいしい農作物。そして何よりもはここに暮らす素朴な人々。実はコンビニ、スーパーまで車で40分もかかるなど不便な側面もありますが、だからこその暮らしの知恵や豊かな時間がここにはあります。トレッキングやスキーなど山のアクティビティをはじめ、釣りや蕎麦打ちなどコンテンツ豊富な奈川。白樺峠「鷹見の広場」でのバードウォッチングも人気です。

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

JR松本駅から1時間ほど国道158号を西へ車を走らせ、トンネルである「入山隧道(にゅうやまずいどう)」内のY字路を右に抜けると上高地、左に抜けて辿り着くのが松本市の奈川地区です。奈川は、北アルプスの山々に囲まれた自然豊かな地域。ウインタースポーツやキャンプ、釣りなど四季を通じてさまざまなアウトドアが楽しめるほか、「とうじそば」が発祥の“蕎麦の郷”としても知られます。また、一部の集落では、松本市指定の無形民俗文化財となる「奈川獅子」が継承されています。

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