
愛荘町から生まれた教育の輪。移住して気づいた“地元”に秘められた可能性
公開日:2025/11/07 08:17
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2025/11/27「興味ある」が押されました!
2025/11/26滋賀県・愛荘町で現在活動する地域おこし協力隊は7名。(2025年10月時点) 地域おこし協力隊は他の地域から移住してくるのが一般的ですが、その中でもめずらしく“地元”にUターンで赴任してきたのが中尾さんです。
水産専門商社や東日本大震災の復興支援団体での勤務を経て、愛荘町に赴任2年目の2024年から「町全体がキャンパス」というコンセプトのもと「愛荘こどもの大学(以下こどもの大学)」を立ち上げました。
今回は、中尾さんがあえて地域おこし協力隊として地元に戻ってきた理由や、子どもたちの教育に携わるようになったきっかけ、そして今後の展望についてうかがいました。
読み終える頃には、みんなで子どもたちの未来を育む町・愛荘町にきっと興味がわくはず。気になる方は「♡興味ある」ボタンをクリックして、愛荘町との繋がりを手にしてくださいね!
地元・愛荘町に移住し、見えてきた教育課題
ーー地元・愛荘町にあえて地域おこし協力隊として移住したのはなぜですか?
中尾さん) 愛荘町に戻ってくる前は東日本大震災の復興支援に携わっていたのですが、そこで働くうちに「自分も何か役割を見つけて、地域支援を行いたい」と感じたのがきっかけです。 移住先を探しているときに、ふと「地元はどうだろう」と思って愛荘町のウェブサイトを開くと、地域おこし協力隊を募集していました。当初、地元に戻ることは考えていなかったのですが、募集を見て「そういう手もあったのか!」とすぐに応募を決めたんです。 初年度は青森と滋賀を往復し、復興支援をしながら地域おこし協力隊として活動もしていました。
ーー地域支援を志していたからこそ「地域おこし協力隊」という道を選ばれたのですね。それにしても、滋賀と青森を往復しての活動はすごいです!
中尾さん) 以前は水産商社の仕事で南米のチリに行くこともありました。 12時間かけてアメリカまで行って、そこから待ち時間を挟んでまた12時間、さらに移動して……というような道のりを経て、やっと養殖場所にたどり着くんです。だからそれに比べれば滋賀から青森なんて、距離は気になりませんでした。
ーー愛荘町に移住されて「こどもの大学」を立ち上げたきっかけは何でしたか?
中尾さん) 移住して気付いたのですが、愛荘町は滋賀県内の他の地域と比べると、子どもの体験の場が少ないんです。たとえばプログラミング教室は彦根市だと10以上あるのですが、愛荘町にはない。 そこで、何か良い方法はないかと考えていたときに、愛荘町で熱量を持って“面白い”ことに取り組んでいる事業者と子どもたちとの接点を設ければ、面白い体験の機会が生まれるのではと考えました。
ーー地元に“面白い”事業者がいることは、元々知っていたのでしょうか。
中尾さん) まったく知らなくて、実は地域おこし協力隊として戻ってきた1年目も「面白い事業者がいる」なんて思っていませんでした。 次第に町の人と接点が増える中で「あ、なんかこの人面白いな」と感じる人がたくさんいることに気がついたんですよね。 愛荘町は、噛めば噛むほど味が出る町だと思います。住んでみて、じわじわいろんな人と繋がりが増えてくると、その人からまた繋がって、さらに面白い人たちが見えてくるんです。
ーー戻ってきたからこそ、見えてきた“課題”や“地元の面白さ”があったのですね!


愛荘町で“本物の体験”を教育に。子どもの夢を広げる活動
ーー「町全体がキャンパス」というコンセプトには、どんな思いが込められているのでしょうか。
中尾さん) 実際に事業者が働く現場を、子どもたちに見て、体験してほしいという思いがあります。 そのため、できるだけ会場は小学校や公民館に固定せず、現場で開催することにこだわっています。常に町全体に点在させるようにしていますね。
ーー事業者の募集はどのようにされていますか?また、繋がりを増やすために取り組まれていることがあれば教えてください。
中尾さん) 実は、こちらから事業者を探したことは一度もないんです。 毎回1つの講座を開催するごとに、講師をお願いしていた方から「あの人に声をかけてみたら?」とご紹介いただくことがほとんどです。時には、ひとりの方から2人の事業者をご紹介いただくこともあります。 一度講師をお願いすると「もう一度やりたい」と手を挙げてくださる方も多いです。
ーー愛荘町で事業をしている方々は「子どもに自分たちのことをもっと知ってもらいたい」という思いがあるのでしょうか。
中尾さん) 「子どもたちと関わりたい」という方が、とても多いと感じています。 講師をお願いするときも、先方が忙しくてタイミングが合わなかったとき以外、断られることはほとんどありません。子どもに何かを伝えたいと思っていても、今まで機会がなかったという方や、やり方が分からなかったという方が多い印象です。 実際に、一度講師を経験した方が、個別で子ども向けの体験講座を開いてくださることもあります。
ーー素晴らしい連鎖ですね!講座を受講した子どもたちの反応はどうですか?
中尾さん) 「少し難しいかもしれない」と考えていた講座でも、真剣に取り組んでくれる子どもたちが多いです。「参加して楽しい!」だけでなく、探究学習として提供できている実感があります。 普段は勉強には熱中できないという子も、講座では体験に対してすごく熱心だったり「子どもの才能の種を発見した」というお話を保護者の方から聞けたりすることもあるので、そこは嬉しいですね。
ーー単純に“楽しい”だけで終わらず、体験が確実に子どもたちの将来へと繋がっているのですね!


愛荘町×教育の可能性は未知数!移住で見つける子どもの未来
ーー愛荘町で子育てや教育をすることの意味や魅力はどこにありますか?
中尾さん) 子どもの体験の場が少ないという課題はあるのですが、住みやすい町だと思います。 地域住民との距離も近からず遠からずなので、積極的に関わりたい人はもちろん、逆に程よい距離感を取れる雰囲気もあります。新しいことに挑戦するのも、ゆったりと過ごすのも、どちらもできる町ですね。
ーー“ちょうどいい”田舎感という印象ですよね。
そうなんです、意外にすべてがそろっているんですよ。 そして「こどもの大学」では、現在月に4回講座を実施しています。毎週末いろんなところでいろんな体験ができる町は滋賀県内だけでなく、他の地域でもあまりないと思うんです。 だから、子どもたちが熱中できるもの、あるいは将来の可能性を広げられるような場所を探しているのであれば、愛荘町での子育てや体験教育はとても魅力的だと思います。
ーー「愛荘こどもの大学」について、将来の展望を教えてください。
中尾さん) 愛荘町もそうですが……「特色がない」と言ってしまうと語弊がありますが、大きな方向性が決まっていない「余白が大きい」町は全国にたくさんあると思います。 でもそれは、逆に「自分たちで好きな色を付けられる」ということでもあるんです。 滋賀県内はもちろん、全国に「こどもの大学」の教育モデルを普及させて、そういった地域に色を付けるきっかけになれば嬉しいですね!
ーーありがとうございます。最後に、愛荘町ならではの教育や移住に興味がある方に向けてメッセージをお願いします!
中尾さん) 愛荘町は、子どもの夢が見つかる町だと思っています。 私が元々水産商社に入社したのは、愛荘町の寺子屋で琵琶湖博物館の先生と一緒に魚を捕まえた体験からでした。愛荘町には本物に触れられる機会がたくさんあります。私のように、子どもたちが将来の夢へと繋がる何かに出会える可能性は非常に高いです。 子どもたちの将来の夢や、憧れになるであろう人に出会える場は「こどもの大学」で用意しています。興味のある方は、ぜひ愛荘町へいらしてください!
今後、近隣の4町合同で「4町丸ごと体験教室」という企画を始めとした、地域や個人の垣根を越えた活動をスタートさせる予定だという中尾さん。 滋賀県・愛荘町から全国へ「こどもの大学」の教育モデルが広がれば、子どもたちの見ている世界や将来は、より彩り豊かなものとなるに違いありません!
愛荘町では、子どもの教育や子育てを目的とした移住はもちろん、地域おこし協力隊として活動してくれる方を募集しています。 愛荘町で自分の思いを形にしたい方は「♡興味ある」ボタンをクリックして詳しい情報をチェックしてみてください!
★地域おこし協力隊の募集は以下からチェック! https://smout.jp/plans/25311


このプロジェクトの地域

愛荘町
人口 2.14万人

愛荘町役場が紹介する愛荘町ってこんなところ!
愛荘町役場が紹介する愛荘町ってこんなところ! 平成18年に2つの町が合併してできた現在の愛荘町は、今年で20年目を迎えます。琵琶湖に流れる川の上流・湖東地域に位置しており、鈴鹿山系からの豊かな清水と自然に恵まれ、古くから水との関わりが深いまちとして発展してきました。
町の東側には、聖武天皇の勅願で行基が開山した湖東三山の一つである金剛輪寺があります。昔から四季折々の雰囲気を楽しめるスポットとして地元の方々をはじめ多くの人に愛され続けている場所です。また、近世には中山道66番目の宿場として愛知川宿が栄え、後の明治には郡役所や警察などの官公署が置かれ、近江鉄道が開通するなど、古くから地方の中心としても栄えてきました。
国の伝統的工芸品に指定されている「近江上布」を中心とした麻織物や、瓶のなかにてまりが入った不思議で美しい滋賀県の伝統的工芸品「愛知川びん細工手まり」など、愛荘町でしか見られない手仕事ならではの「ワザ」が光る工芸品を見られるのも特徴です。

















