
愛荘町から農業を次世代へ!文化をつなぐ、経営者としての取り組みとは
公開日:2025/10/03 02:45
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2025/10/08「興味ある」が押されました!
2025/10/06愛荘町で2017年に「なないろや」を開業した冨永さん。 農薬や化学肥料を一切使わない栽培方法が特徴で、現在は鈴鹿山系の地下水や自家製発酵液肥、鉄ミネラル液を用いて、年間約40品目130種類の野菜を栽培しています。
また、活動の場は愛荘町だけにとどまりません。 大津市での店舗運営や駅前マルシェの開催など、農家という立場から幅広い視点で活動されている様子がうかがえます。
そんな冨永さんにお話を聞いてみると、これからの農業に対する深い思いや、愛荘町で起業することの魅力が見えてきました。
読み終える頃には、あなたの「挑戦したい!」が形にできる町・愛荘町にきっと興味がわくはず。気になる方は「♡興味ある」ボタンをクリックして、愛荘町とのつながりを手にしてくださいね!
愛荘町で経営者になって初めて気づいた“農業”の危機
ーー「なないろや」という名前の由来を教えてください。
冨永さん) 「なないろや」は、アレルギーを持っている私の息子も含めて、誰もが安心して食べられる野菜を作りたいという思いを込めたという屋号です。 また、あえて「○○農園」としないことで、業態をひとつに定めない意図もあります。農業だけにとらわれず、目的や状況に応じて幅広い事業に挑戦していくことも考えています。
ーー農家として起業したきっかけを教えてください。
冨永さん) 起業したいと思ったときに、兼業農家だった実家の農地を使って何かできないかと考えたのがきっかけです。 だから、もともと農家になりたかったわけではなく、起業する道として農業を選びました。 ただ、今では農業の「正解がない」ところにとても魅力を感じています。栽培から販売まで試行錯誤の連続で、実験のように終わりがないところが本当に面白いんです! やりがいがあるというか、沼にはまってしまいました(笑)
ーーもともとトライアンドエラーを重ねたり、研究したりすることがお好きだったのですか?
冨永さん) いえ、あまり好きではなかったですね。 しかし、自分の経験値が上がっていくことも含めて、トライアンドエラーは楽しんだ方が良いと思っています。 私は農業を始めるにあたってかなり勉強したのですが、いざ自分でやってみると何もうまくいかなかったんです。結局、本の知識とすりあわせながら試行錯誤していくしかない。 悔しい思いをすることもありますが、それが面白いところでもあり、自分の実績や成長にもつながっています。
ーー実際に農業を始めてみて、どんな気づきがありましたか?
農業に少しでも興味を持ってくれる人を増やさないと、本当に農業者がいなくなってしまうという危機感を覚えました。 私も当事者になって初めて農家の仕事や大変さを知りましたが、みんな農業が衰退していっていることは知っているのに、実態を知らないんです!
ーーなるほど。実際に農業に携わる中で“日本の農業の危機”にも直面されたのですね。


愛荘町から始めた、農業を未来へつなぐ経営者目線の取り組み
ーー現在の課題や、挑戦していきたいことについて教えてください。
冨永さん) 農業に関わってくれる人や、関心を持ってくれる人を増やすことです。 そのために、野菜をツールとして業種問わず幅広く関わりを持ちたいと考えています。2023年に法人化したのですが、一つの農家というよりは「会社」として成長していきたいですね。
ーーSNSでの発信も拝見していましたが、野菜を作ることよりも、農業の普及活動がしたいという気持ちの方が強いというイメージでしょうか?
冨永さん) そうなんです! やはり野菜を作るのは面白いのでそこから離れることはないですが「新しい人が入ってくるきっかけ」になりたいです。 農地についても、代々引き継いで今は私が預かっているだけなので、自分のものだとは思っていません。これまで誰かがしてくれていたように、次の世代へ農業を衰退させず、つないでいくのが私の役割だと思っています。 農業に興味を持った方が直接話を聞きに来てくれることもあるのですが、そういった方に対する窓口としての役割も果たしたいですね。
ーー大津で出店されているのは何かきっかけがあったのですか?
冨永さん) たまたまうちの野菜をよく買ってくれていた人が「大津でも売ってくれない?」と声を掛けてくださったのがきっかけです。 大津駅前でのマルシェも同じような流れで始めました。 ただ、こちらは開催するにあたって農家座談会を開いてヒアリングしてみたところ、出店した農家がきちんと収益を得られるかどうかという点が課題だということが分かりました。 手数料や出店料で農家側の利益が減ってしまうと意味がないですよね。それで、運営費は色々な方から協賛という形でいただくことにしました。そうすることで「応援してくださった方々の農家への向き合い方も変わるのでは」と思ったんです。 また、飲食店が出店する際には運営費として出店料をもらったり、そこで販売されている農家や滋賀の野菜を使ったりしてもらうという仕組みも考えました。
ーーもう農家というより経営者ですね!
冨永さん) せっかく農家同士のつながりができても、状況が変わればすぐに辞めてしまう人が多いんです。何年間か蓄積した技術も一瞬でなくなってしまうし、それがすごくもったいない。 農家に孤独な人が多いというのも、実はとても大きな問題です。 困っているところを可視化して、みんなで農業を継続できるような空間やつながりを作りたいと思っています。
ーー地域ではなく農業というくくりで、農家同士がつながっていられると良いですね。


愛荘町では経営者として農業や事業に挑戦したい人を募集中!
ーー愛荘町で農業を始める意味は、どのようなところにありますか?
冨永さん) 競合が比較的少ないため農業を始めやすく、消費者に「あの人だ」と認識されやすいところではないでしょうか。 新規就農者も多いです。私が知っているだけでも、何軒かイチゴの新規就農者がいます。 農地を借りて移住してきた人もいますし、代々の農地を利用して農業をしている人もいますよ。
ーーどのような人に愛荘町に来てほしいですか?
冨永さん) 積極的に人とつながりたい気持ちを持つ人が良いですね。 そしてその人が自身の事業を持っていて、必然的に農業者と関わっていかなければならないような立場であれば、生産性のある建設的な関係性が生まれそうな気がしています。 直接作物は作らなくても、そういう人がいると面白いと思います。
ーー農業をするというよりも「農家と一緒に仕事ができる人」が良いのですね!最後に、移住者に向けてメッセージをお願いします!
冨永さん) 今の時代は、チャレンジすれば何かしら結果が得られると思います。 今いる場所から飛び出した人は、それだけでこれまでとは見え方が随分変わってくるはずです。直感で「良いな」と思ったら、ぜひ愛荘町に飛び込んできてください!
次の世代へ農業をつなぐために、尽力されている冨永さん。 固定観念にとらわれない考え方と課題解決のために柔軟に進んでいく姿は、きっとこれからの農業に希望を与えてくれるはずです。
愛荘町では、地域おこし協力隊として活動してくださる方を募集中です。 現在は7名のメンバー(2025年10月時点)が地域資源を活かした起業に挑戦しています。 愛荘町ならではの人とのつながりや、事業・自己実現に対する自由度の高さに魅力を感じた方は「♡興味ある」ボタンをクリックして詳しい情報をゲットしてください!
★地域おこし協力隊の募集は以下からチェック! https://www.town.aisho.shiga.jp/iju/index.html
★地域おこし協力隊メンバー(現役・OBOG)の活動は以下で紹介しています。 〜町の人から応援してもらえる事業への挑戦〜過去のビジネススキルを活かして生まれるものとは? https://smout.jp/plans/19326
地方で子どもたちのための教育システムを作る〜地域おこし協力隊を通じて行う活動とは?〜 https://smout.jp/plans/19016
町への貢献を目指す! アップサイクルな「クラフトドリンク・リタ」の誕生秘話とは? https://smout.jp/plans/17706
「カフェ&バー・Another sky」未来に繋がるサードプレイスに込められた想いとは? https://smout.jp/plans/17380
心地良い時間を共有できる、人がゆるやかに繋がれる空間を作りたい https://smout.jp/plans/16162
海外の訪問者と繋がれる、愛荘町のコミュニティスペースSekaiCo https://smout.jp/plans/15981
地域おこし協力隊イチ愛荘町の風土に魅了!コンポスト事業で促進する資源循環 https://smout.jp/plans/22615


このプロジェクトの地域

愛荘町
人口 2.14万人

愛荘町役場が紹介する愛荘町ってこんなところ!
愛荘町役場が紹介する愛荘町ってこんなところ! 平成18年に2つの町が合併してできた現在の愛荘町は、今年で20年目を迎えます。琵琶湖に流れる川の上流・湖東地域に位置しており、鈴鹿山系からの豊かな清水と自然に恵まれ、古くから水との関わりが深いまちとして発展してきました。
町の東側には、聖武天皇の勅願で行基が開山した湖東三山の一つである金剛輪寺があります。昔から四季折々の雰囲気を楽しめるスポットとして地元の方々をはじめ多くの人に愛され続けている場所です。また、近世には中山道66番目の宿場として愛知川宿が栄え、後の明治には郡役所や警察などの官公署が置かれ、近江鉄道が開通するなど、古くから地方の中心としても栄えてきました。
国の伝統的工芸品に指定されている「近江上布」を中心とした麻織物や、瓶のなかにてまりが入った不思議で美しい滋賀県の伝統的工芸品「愛知川びん細工手まり」など、愛荘町でしか見られない手仕事ならではの「ワザ」が光る工芸品を見られるのも特徴です。

















