
【県内移住×Uターン移住】それぞれの視点で作り上げた”レトロ宿”物語
公開日:2026/06/22 01:23
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2026/06/22岩手県花巻市は、花巻・大迫・石鳥谷・東和の大きく4つのエリアに分かれています。 その大迫町(おおはさままち)に、昨年10月、ポップな見た目でひと際目立つ宿泊施設「はやちねの宿 ラビット」(以下「ラビット」という)がオープンしました。 運営しているのは、花巻市外から移住した県内移住者と、花巻市出身のUターン移住者のふたり。 年齢も境遇も違った、そんなふたりにインタビューをしてきました!
それぞれの道のり
【 黄川田さん編 】 ラビット運営者の一人、「キハダ日和」代表の黄川田玲さん。岩手県の県庁所在地である盛岡市出身の若者だ。 黄川田さんはなぜ、地元でもない自然豊かな大迫で、宿を始めようと思ったのか? 20代という若さで宿の運営と移住を決断した、これまでに至るエピソードを伺った。
黄川田さんは、埼玉県の大学へ進学。その研究旅行で訪れた沖縄県で、地域に根付いた民泊に触れ、観光業に興味を持ち始めたのだという。 当初、自分ごととして深くは考えていなかったものの、密かに抱いていたその興味を胸に、大学卒業後、岩手県へ戻って大学院に進学。 ワイン好きの教授に勧められ、大迫で行われていたワークショップに参加(大迫はワインが有名)。 このワークショップこそが、後のパートナーとなるもう一人の立ち上げ人、マネージャーの畠あきらさんとの出会いとなる。
畠さんと出会った黄川田さんは、「民泊をやってみたい」というかねてからの思いを伝えた。それを受け止めるように「いいね!じゃあやってみようよ」と畠さんが即答。 その一言をきっかけにふたりの仲は深まり、大迫で地域おこしなどに携わるうちに人との繋がりも増え、その地域性に惹かれた黄川田さんは大迫への移住を決断した。
【 畠さん編 】 大迫出身である畠さんは、かつて消防士として盛岡市で30年を過ごし、早期退職をして旅に出る。 帰省は、地域のお祭りなどのイベントがある時に日帰りでする程度で、幼少期は「何もないこの田舎から早く出たい」とさえ思っていたという。 旅先で様々な広い世界を見聞きしたのち、大迫へ戻りUターン移住。 そして、何も変わらない地元の景色に胸を打たれた。 永く語り継がれる伝統芸能の早池峰神楽(はやちねかぐら)や、日本百名山のひとつでもある美しい早池峰山、豊かな風土で作られるブドウ、そのブドウで作られた芳醇な香り広がるワイン…生まれ育った地の「当たり前」の魅力に気づくことができていなかったと、改めて実感したのだそうだ。 それから畠さんは、自身の故郷について一から勉強し直しては、魅了されていく。 「大迫に恩返しがしたい。魅力を伝える発信源になりたい。」そう感じ、大迫のイベントやワークショップに参加するようになる。 そしてここで、畠さんもまた、黄川田さんと出会う。


愛する大迫のため、ついに立ち上がる
ふたりが地域おこしの活動に携わっていくなかでよく耳にするのは、「大迫に宿泊できる場所があったらいいのに」という声。 神楽を観に来る方や登山をする方など観光客も多い大迫。人気のワインも揃っているため、お酒を嗜みながらゆっくり夜を過ごしたい方も多いだろう。 このもったいなさを解決できないものかと感じていたふたりは、ついに立ち上がる。
宿泊施設を作るにあたって、まずは物件探しから始まった。彼らの条件やイメージに合う物件をやっとの思いで見つけ、2024年11月に空き家を購入。 物件を手に入れたものの、床は劣化し、外は雑草やつるだらけ。除草作業からスタートし、床をすべて剥がして断熱材を入れるなどのDIY作業の日々。ふたりで協力して内装づくりを進めていった。 ブラウン管テレビにテレビゲーム、黒電話にレトロな扇風機やランプ。大迫はかつて宿場町として栄えた町ということもあり、昭和レトロな雰囲気をコンセプトに家具を揃えた。 こうして作業を進めるうちに、レトロな雰囲気漂う家具や雑貨を友人や知人が譲ってくれたという。中には、古くの貴重な海外の棚も。
しかし、もちろんすべてが順調だったわけではなかった。 ほぼ一からの修理やDIY、そして事業計画書の作成や手続き関係が計画通りに進まず苦戦。完成が見えない毎日。 「早くオープンしなければ」と逸る気持ちから、ふたりは本音で何度も衝突した。 この経験があったからこそ学んだこと、そしてこのふたりの関係性だからこそ成功したと感じることがあったという。


”だからこそ”のふたり
二回り歳の差があるふたり。出身地も、経験してきたことも全く違う。 親子とも言える歳の差だが、上司と部下という関係でも、友だちと呼べる関係でもない。 だからこそ、それぞれの世代にしかない意見を率直に出し合い、互いに学び合う。時には、考えが異なり正直にぶつかり合う。
思い通りに進まないことや、大きく衝突した経験があったことで、現実的に周りが見えてきて心の余裕もでき、万が一失敗した場合も互いに代替案を提示して円滑に対処できるようになったという。 畠さんは、「大木はたくさん枝分かれして大きくなっていくでしょう。それと同じように、間違いをたくさんしたとしても、その軌道修正した枝が次々に分かれて増えて、やがて大きな木となり成果を出すと思うんです」と、真剣な眼差しで言う。 続けて、「自分が様々な経験をしてきた中で挫折や失敗したことを伝え、それを活かしてまた違った世界を見てほしい」と黄川田さんへの思いを語った。 お互いを尊敬し合うふたりの関係性でしか言い表せないような、かけがえのない相棒といった存在なのだろう。
ラビットが完成した今、大迫を感じながらゆっくりと心を休められる場所になればと語る。 他市からの移住者である黄川田さん、大迫出身である畠さんのそれぞれからの目線。大迫愛に溢れたふたりから”大迫の魅力を教えてもらえる場”にしていきたいと、ふたりは目を輝かせた。


このプロジェクトの地域

花巻市
人口 8.77万人
斎藤 未羽が紹介する花巻市ってこんなところ!
【花巻市】岩手県のほぼ中央に位置し、花巻空港や新幹線の発着駅があり、交通の便も優れています。 岩手県の県庁所在地である盛岡へも電車や車でスムーズに移動できます。 おいしいお店が多い市街地から少し離れると、気持ちの良い自然を味わうことができます。
花巻・大迫・石鳥谷・東和の4地域で景観や雰囲気も異なりますので、 自分に合った地域が見つかるかもしれません。
このプロジェクトの作成者
◆ 花巻市移住コーディネーター ◆ 花巻市の魅力発信ウェブサイト「まきまき花巻」編集部/市民ライター ◆ 「まきまき花巻ラヂヲ!」パーソナリティ
花巻へ行ってみたい、住んでみたい!と感じていただけるよう魅力を発信します!

















