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- 毎年、産卵に帰ってくるウミガメのお話し~サステナブルな暮らしがここにある~
高知県西部に位置する自然あふれる黒潮町は、「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。」をコンセプトに、建物を建てるのではなく、4kmの砂浜そのものを「美術館」に見立て、今まで当たり前として何気なく見過ごしてきた風景や景色の一つひとつが、新鮮なものとして次々と浮かびあがり、それはまるで大切な何かを伝えている「作品」のように思える。「美しい松原」や沖に見える「くじら」、流れ着く「漂流物」など全てを作品とした、それが、砂浜美術館。
春から秋にかけ「Tシャツアート展」や「シーサイドはだしマラソン」、冬には「漂流物展」などほぼ一年中何かを見たり、遊んだり、楽しむことができる、町自慢の砂浜。
http://www.sunabi.com/about/message/
建物がない、自然そのままの砂浜美術館には、たくさんの野生生物が生息し、行き来しているが、今回のプロジェクトでは毎年、産卵に戻ってくるアカウミガメについてクローズアップしてみよう。
ウミガメのこと
黒潮町には5月から8月頃、産卵に上陸するが、一度の産卵で100個~150個の卵を産み孵化率は約6割。その中で40年の歳月をかけ親亀にまで成長し、また戻って来て産卵出来る亀は0~1匹と言われている。まさに奇跡に近い確率だ。
赤ちゃんガメは夜中に孵化し、元気に動き回れるパワータイムが砂から出てわずか2時間。その2時間の間にタヌキや野鳥、大型の魚などの天敵を交わし太平洋沖を流れる黒潮本流に乗れた子ガメだけが生き残れる。そして大海原でたくさんの危険を掻い潜り、アカウミガメは自分が産まれた場所に帰って来て産卵すると言われている。
ウミガメはとても臆病で、産卵に上陸しても車のライトや騒音、人の気配などがあると安全を確保できないと判断し、産卵せずに海に戻ってしまう。そしてまた安全な産卵場所を求めて海をさまようのだ。
黒潮町で「海亀保護員」として活動する阿部年博さんは話してくれた。
「年々、産卵に来る亀は減っています。亀が生まれた40年前と環境が変わってしまっているのかもしれません。人間の都合で海辺に道や堤防ができ、公園が整備され、温暖化で海面が上昇し、砂浜が減り、悲しいですが亀にとっては安全に産卵出来る環境ではなくなってきているのかもしれないですね。自分が行っている保護活動も実は亀にとっては迷惑なのかもしれない。人間が手を加えない“ありのままの自然”が生物にとって一番なのかもしれないです。
今、保護し、海に帰った赤ちゃんガメが黒潮町に戻って来る40年後は自分は生きていないかもしれない。現在、6歳になる息子が保護活動のお手伝いをしてくれるようになったんですが、息子にはウミガメが産卵する綺麗な海が自慢のこの町を知ってほしいし、守っていきたいです。さらに言えば子どもたちに守っていってもらいたいとも思います。環境を昔に戻すことは出来ない。今、これ以上、人が手を加えず、自然環境を大切に、ゴミを出さない、捨てない。砂浜を歩く時は、そこに亀の卵が、チドリ(旅鳥)の卵が、カニの巣があるかもしれないと注意して歩く。など、一人ひとりが出来る事を心掛けてほしいです。」と阿部さんは優しく笑った。
阿部さんは今日もまた、日の昇らない暗い砂浜に朝一番で現れ、カメたちを見守っている。
カメの上陸情報は地域住民から阿部さんへ入り、産卵の状況や安全の確認へ向かう
高潮など危険な場所に産卵を確認すると大切に掘り返し安全な場所へ移動させ孵化まで見守る阿部さんと息子さん
自然と寄り添う暮らし
ウミガメの産卵や放流をPRすれば、観光客がたくさん訪れてくれるかもしれない。しかし、カメや野鳥やそこで暮らす生物たちにとっては迷惑な話なのだ。
「自然と共存する」とても難しい課題かもしれないが、長く、上手く、自然と寄り添う暮らしを目指し、人も、自然も、生物も共に暮らしていけるように、ここ黒潮町では、静かに、優しく、大切に、このような取り組みが行われている。
こんな黒潮町の海は来る者の心を癒し、包み込んでくれる。
黒潮町の謎の魅力のひとつでもあるこの海に一度、足を運んでみてはどうか。
あなたも、心洗われ黒潮町の虜になるかもしれない。
自然が作り出す芸術。訪れる時期や時間で様々な表情を見せてくれる美しい海岸
気を付けて行ってらっしゃい。私たちはここで待ってるよ。
ラストスパート
夏が似合う黒潮町にも秋の訪れを感じ始めました。
日の出が遅くなり、涼しくなった早朝の海ですが、赤ちゃんガメの姿がまだ見られます。「頑張れ、頑張れ、気を付けて旅して来てね。いってらっしゃい。また会おう!!」
君はどこから来たの?
砂浜には日々、様々な漂流物が流れ着く。君はどこから来たの?遠くの国?南の島?どんな旅をして来たの?
漂流物に思いを馳せるのもまた楽しい。
赤ちゃん
気温も上がり毎朝、赤ちゃんガメが生まれています。小さなからだで大きな波に向かって、何度も何度も跳ね返され、押し流され、それでも立ち向かい海に帰っていく姿は何度見ても感動的で勇気づけられます。「元気で頑張ってね!私も頑張るね」って胸が熱くなります。
さー大冒険へ出発!!
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黒潮町(くろしおちょう)は、四国/高知県の西南地域にあり、幡多郡(はたぐん)の中では東部に位置します。
気候は、南国特有の温暖で年間平均気温17度、降雨量2800mm前後と、雨が多くなっています。こうした気候を活かして、早くから施設園芸や花卉、水稲を中心に栽培が行われ、シメジやシイタケなどの栽培なども行われています。
また「土佐カツオ一本釣り漁業」が盛んであり、近年は完全天日塩も代表的な特産物となっています。
美しい砂浜や磯が続く海岸線と緑豊かな山々の広がる黒潮町では、自然資源を活かした「ホエールウォッチング」、「天日塩づくり」、「カツオのタタキづくり」などの体験型観光と、土佐西南大規模公園を活用したスポーツツーリズムの推進により、県内外から多数の方が訪れています。
自然あふれる黒潮町には、「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。」をコンセプトに、4kmの砂浜を「美術館」に見立て、「美しい松原」や沖に見える「くじら」、流れ着く「漂流物」など全てを作品とした「砂浜美術館」があります。
春には「Tシャツアート展」や「シーサイドはだしマラソン」、冬には「漂流物展」などほぼ一年中何かを見たり、遊んだり、楽しむことができます。
黒潮町公式HP
https://www.town.kuroshio.lg.jp/
NPO砂浜美術館HP
http://www.sunabi.com/
黒潮町へのアクセス
https://www.town.kuroshio.lg.jp/pb/cont/machi-shokai/2015
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