
神戸の西の小さな港町・塩屋。クラフトチョコには、人が集まるストーリーづくりの秘密もある - クラフトチョコレートショップの店員になる旅 -
バレンタインに限らず、友人や大切な人、お世話になっている人と、やりとりすることも多いチョコレート。食べておいしいのはもちろんですが、人との繋がりを深めたいときにも活躍してくれます。言ってみればチョコレートは、あまーいコミュニケーションツールです。
神戸の西にある街、塩屋は神戸らしく古い洋館や坂の多い場所。関東でいえば江ノ電沿線のような海の空気を感じる住宅街です。
JR塩屋駅、山陽電鉄山陽塩屋駅を降りると、ノスタルジックな細い路地に昭和の匂いを残す店と、新しい店が混ざった商店街があります。
商店街を抜けて、しばらく丘を上ったところにあるのが、今回の旅先であるシオヤチョコレート。地域の人に愛されている人気のスポットです。
シオヤチョコレートは産地ごとのカカオ豆からチョコレートを作る、クラフトチョコレートの専門店です。クラフトチョコレートはBean to Barやシングルオリジンのチョコレートと呼ばれることもあります。
この仕事旅行では、カカオ豆からクラフトチョコレートを作る体験ができます。材料はベトナムやインドネシアなど全部で6つの国でとれたカカオ豆ときび砂糖だけ。カカオ豆を焙煎して、挽いて、温めながらきび砂糖を加えて、チョコレートを作ります。
これはBean to Barの王道的作り方。チョコレート好き、お菓子好きなら一度はチャレンジしてみたい体験です。
もしまだシングルオリジンのチョコレートを食べたことがなければ、食べ比べもさせてもらいましょう。原産国ごとにこんなに味が違うことにきっと驚きますよ!
「原産国ごとにカカオの味が違うという特徴を生かせば、シンプルな作り方でおいしいチョコレートを作ることができます」と店主の福岡知宏さん。
他にも接客やチョコレートを使った商品作りなども体験します。イベント出店の日程に重なれば出店先を任されることもあるかもしれません。
「入って3日目の人に百貨店の催事担当をやってもらったこともありますが、それなりにやってくれていましたよ」と話す福岡さんはとてもポジティブな考えの持ち主です。
その考えの背景を聞いてみると、福岡さんはこう話してくれました。「大抵の人は経験やマナーがありますし、もし予想外の展開が起きてもお互いにそこに学ぶところがあると思います。その経験がその人にとっても、なにかにつながるはずですよね」
チョコのことはお店に来てのお楽しみ
福岡さんがこの場所でチョコレートショップを開いたのは、どうしたら人が集まるかを考えた末のこと。おいしいチョコレートは集客のためのツールで、カフェはフードコートのように誰もが休める場所をイメージしています。
福岡さんは長く物流に関わる会社員として働いた後、兵庫県内の別の場所でカフェの店長に。周辺のお年寄りに食事を提供するほか、さまざまなワークショップを企画開催するようになりました。しかし初めからワークショップが順調だったわけではありません。
「もうちょっと人が来てくれるだろうと思っていたイベントに、1人しかこなかったんです」
開いたイベントの参加人数がたった1人。企画者にとって衝撃的なことです。
その出来事があってから、福岡さんは人を集める方法を考え始め、たった4カ月後には1回に100人ほどが参加するイベントを何度も開催。つまり、イベント集客の極意を短期間で掴んだのです。
福岡さんによれば、その決め手とは「集まりやすい場所や時間帯もありますが、人やものに魅力的なストーリーがあると人が集まるんですよ」と。特にワークショップで講師役になる人を選ぶときに、その人のストーリーや背景を重視していたそうです。
しばらくして福岡さんはせっかく集客がうまくいくようになったワークショップの開催をスパっとやめ、改めて一から仕事を始めることにしました。それが2019年にオープンしたシオヤチョコレートです。
チョコレートを選んだのは、廃墟カフェで行ったワークショップのうち、カカオ豆から作るチョコレート作りがおいしくて好評だったから。福岡さん自身がチョコレートがおもしろいと感じ、これなら人を呼ベると確信を持ったそう。
ただしSNSやホームページでは、商品の情報発信を限定的にしています。そのわけは「調べてもわからないから、お店に来るしかない。そうやって来た人が、写真を撮ってSNSに載せたり、おいしいと誰かに伝えたりすると説得力が増すから」と話します。
一方、情報をフルオープンにすることも。2021年春に店舗の隣にある古い酒店跡をリノベーションしたときには、解体作業を手伝ってくれる人募集!とSNSに投稿。たくさんの人が手伝いにやってきました。

塩屋ののんびりした空気を吸い込んで学ぶ地域に根ざしたお店づくり
福岡さんは店を開くまで塩屋にゆかりはありませんでした。その塩屋で地名を冠したチョコレートショップを作るにあたり、地元の人に愛される場所になることも考えました。
今ではチョコレートを目当てに他の街から人がやってくるだけでなく、リノベーションした酒屋跡地に新しいお店を誘致しています。
つまり福岡さんはチョコレートやお店を人との関わりを作るツールとして捉えています。その結果、シオヤチョコレートは塩屋の街を盛り上げる存在として地元で認識されるようになったのです。
この仕事旅行には、ふたつの醍醐味があります。
ひとつは本格的なクラフトチョコづくりを体験できること。世界のカカオ農園から良質な豆を仕入れ、自分たちの手ですべてを作っているシオヤチョコレートの仕事ぶりを目の当たりにできるでしょう。
もうひとつは、福岡さんとお話できること。地域への思い、愛されるお店にするための努力や工夫など、じっくり聞いてみましょう。一回で二度おいしいーーそんな仕事旅行になりそうです。


募集要項
〜
3日間
無料
兵庫県神戸市神戸市垂水区塩屋町10-14
・定員:2名 ・最小催行人数:1名 ・解散場所:兵庫県神戸市神戸市垂水区塩屋町10-14 ・スケジュール: 【1日目】 13:00 集合 13:10 オリエンテーション 1)自己紹介(参加理由、この旅を通して持ち帰りたいこと) 2)シオヤチョコレートの説明 ・チョコレート試食。(味わい方を学び、味の差を感じる) ・シオヤチョコレートができた背景。 15:00 お店の手伝い 接客、製造など 17:00 終了
【2日目】 9:00 実習 チョコレート作り クラフトチョコレートの製造プロセスやカカオを学ぶ 12:00 休憩 13:00 お店のお手伝い 16:30 フリータイム 各自塩屋さんぽ後、終了
【3日目】 9:00 お店のお手伝い 12:00 休憩 13:00 ワーク 課題:自分にとって、ゆかりのある街で チョコレート屋を開いたら、どんなイベントやブランド作りをするか 14:30 まとめ 体験の感想・質疑応答 15:00 終了
*当日の状況によりスケジュールは前後いたします。ご了承下さい。
【その他の情報】 ・滞在費補助・前後のSNS発信について 滞在費補助として、近畿(大阪府・京都府・奈良県・和歌山県・滋賀県)在住の方は1泊3,000円、近畿外在住の方は1泊5,000円を支給します。ただし、参加前後にそれぞれSNSでこの体験についての意気込み・感想を発信すること、神戸市内に宿泊すること、事後アンケートに回答することを条件とします。
・お試し移住・就労体験機会の創出 コロナ感染拡大期の対応 神戸市、あるいは、参加者の在住地が、まん延防止等重点措置、緊急事態宣言の対象地域となった場合、受入を停止し、解除後に延期といたします。
・神戸市の関係人口創出事業のため、体験は一人一回までとさせていただきます。
このプロジェクトの地域

神戸市
人口 149.81万人

神戸仕事旅行運営事務局が紹介する神戸市ってこんなところ!
神戸市は、151万人が住む日本を代表する政令指定都市です。 海と山に囲まれた自然環境が豊かな街として、多くの人に知られています。