“もったいない精神”を活かして見つけた、地域貢献と共にある自分らしい移住ライフ

読みもの

公開日:2023/08/04 07:25

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「興味ある」が押されました!

2024/11/10

「興味ある」が押されました!

2024/10/22

こんにちは! ローカルエディターの上田です。

突然ですが、移住を考えているみなさんは、 「地域に溶け込むにはどうしたらいいか?」 と考え、実際『こういうふうにしよう』『ああいうふうにしよう』とアレコレ思いを巡らしてますよね?      しかし皆さんがそうであるように、地域に先住している人たちも、新しく人が入ってくると聞けば、アレコレ思いを抱くものなんです。

地域のみなさんは、

『何やってるんだろう?』『どうせまたすぐ出て行くんでしょ?』

などと不安に思う一方で、

『どんな人なんだろう?』『お互いうまくやっていけるかしら?』

と、皆さんに興味・関心があって、色々知って安心したいという気持ちがあります。

自分と地域の人たち。

双方の気持ちをスムーズに融合させるには互いに相手のことを考えてみる、というところから始めると良いですが、今回は皆さんと同じ移住する人の側に立ってお話をしたいと思います。 特に若くして移住を希望されている方には参考になるポイントもあるかと思いますので、読んでいただけたら嬉しいです。

「怪しいものではありません」って分かってもらうために時間を使う

萩市地域おこし協力隊のOB、広瀬耕さんは、萩市三見地区に空き家を購入し、DIYで改修して地域交流拠点『古三堂』をオープンさせました。 しかし当初、利用する人の数はとても少なかったそうです。 たくさんの人たちが憩う姿を想像していた広瀬さんにはショックなことだったでしょう。

しかし彼はめげませんでした。 時間をかけ、丁寧に地元の人の信頼を獲得するべく活動を続けました。

まず毎週火曜日に「みんなのティータイム」と題し、無料でコーヒーなどを提供するサービスを開始(協力隊活動期間中のみ)。また地域の方々を巻き込んだDIYワークショップを多数開催。現在の古三堂には、地域の皆さんと共に作り上げた場所がいくつもあり、それは地域の人たちの親しみに繋がっています。

また高齢者が多いので日々の買い物なども大変だろうと考え「ついでにお使いサービス」という、自分が移動する“ついで”にお使いにいきますよ、というサービスを開始。ついでなので、買ってくる商品代以外は無料。公共交通機関のパワーが弱い地域には“あると嬉しいサービス”となっていきました。

『地域の人が怪しんじゃうから…』と笑顔でいう広瀬さん。

“私は怪しいものではございませんよ〜”って分かってもらうまでが結構大変なので、日々の交流はもちろんですが、いろんな催し物やニーズに即したサービスをやって親しんでもらえるようにしました。

広瀬さん曰く、外から地域を見るのと中から見るのとでは「必要」なものが違って見えるそうで、移住前からの抱負も大切ですが、地域に入って“リスクを共有”できるようになると、地域にとって必要なものが身をもって分かってきます。あとはそれを柔軟に提供できるように心がけると良いそうです。そういうことを繰り返すうちに、広瀬さんは地域に馴染んでいったんでしょうね。

移住の経緯から現在のことまで色々教えていただきました
移住の経緯から現在のことまで色々教えていただきました
毎回専門家のゲストを呼んで楽しい勉強会をしています
毎回専門家のゲストを呼んで楽しい勉強会をしています

フリマをはじめたら、地元の人が自主的に色々持ってきてくれるように…

広瀬さんが手がけた数々イベントの中で、協力隊卒隊後も行っているものとして「市の市」という地域イベントがあります。 「市の市」では軽食販売、音楽演奏、アロマなど雑貨販売など様々な催しがありますが、その中でもフリーマーケットに並ぶ商品は、まさに広瀬さんの地元への密着ぶりが伺えるものではないかと思います。 というのも、元々は自ら購入した空き家『古三堂』の改修中に家の中から出てきたものを処分するためにフリマをはじめました。一度フリマをやってみると、地元の人たちが“ウチにもこんなのあるよ”と持ち寄ってくれて、今や在庫に事欠かない状態に。 不用品という訳ですから、捨てるようなものだよね? と思うかもしれませんが、かなり程度の良いものもあり(広瀬さんが一生懸命磨いているおかげもあります)一見の価値はありますよ。 三見地区という地域のバワーも凄いですが、それを集めることができるのは、やはり広瀬さんの日々の努力の賜物なのではないでしょうか。

広瀬さんが三見に移住してきた頃は、若いお兄さんがひとり、空き家買って何すんだろう? とまさに怪しまれていました。しかし、3年の月日が経ち、その時間をしっかりと地元交流に費やしてきた今では、地域の皆さんが自ら近づいてきてくれる存在になれました。

ちなみに広瀬さんが始めた(始めようとしている?)「大判焼き屋さん」も元々は『大判焼き器いらんかー』からの『ください!(広瀬)』でスタートしています(笑)地域に認知され、常に声がかかる存在となれたからこそチャンスに遭遇する確率も増え、結果としてやることの幅も広がっているのでしょう。 ※大判焼き屋さんのお話は動画に収録

広瀬さんが地域に根付くためにやったことは、交流拠点をオープンさせ『呼び込んでみる』、空き家(自宅)を活用したイベントを行ってみんなを『巻き込んでみる』、それをいろいろ微調整しながら『繰り返す』。という

『呼び込む、巻き込む、繰り返す』

を根気よく実践してきたことにあると思います。

インタビューに際し広瀬さんは、移住者っていっても「ノリ」や「勢い」みたいな感じでやってきて、すぐ醒めるんじゃないか? と地域の人たちは心配していると教えてくれました。なので広瀬さんとしては「僕はずっとここに住みますよ〜」って時間をかけてじっくり分かってもらうように努力したんだとか。『今ではだいぶ怪しまれなくなりましたよ(笑)』と語ってくれました。

いかがでしたでしょうか? これはあくまでも一移住者が、地域の人に信頼され、安心感を得てもらうために行ったことの一例ですが、みなさんの参考になれば嬉しいです。

私が広瀬さんと出会って3年。初めて取材させて頂いた時に彼が言っていた「やったことないけど、チャレンジです」という言葉が胸に沁みます。 彼の柔軟なチャレンジ精神は、きっと明るい未来を切り開くことでしょう。

以上、萩市ローカルエディター上田がお伝えしました。

少しでも面白かった、参考になったと感じたら「興味ある」ボタンをお願いしますね♪ また、彼に対する応援メッセージやご質問等々はお気軽に♪ リンクの動画には、上記のお話以外の広瀬さんのことが収録されてます(この夏オープン予定のゲストハウスの様子もありますよ)ので、よかったらご覧になってみてくださいね。

納屋の中には地域の人たちが持ち寄ったものがたくさん並べられてます
納屋の中には地域の人たちが持ち寄ったものがたくさん並べられてます
地域交流拠点『古三堂』にぜひいらしてくださいね
地域交流拠点『古三堂』にぜひいらしてくださいね

萩市ローカルエディター

このプロジェクトの経過レポート

このプロジェクトの地域

山口県

萩市

人口 4.11万人

萩市

上田晃司が紹介する萩市ってこんなところ!

今回ご紹介したのは、萩市のなかでも『三見』と呼ばれる地域で、旧萩市内と呼ばれる萩の中心部から車で10〜15分くらいの場所です。北西部には日本海が広がり、海上には無人島やいくつかの岩礁があり、北長門海岸国定公園の一部として美しい景観を形成しています。また密かに釣りの穴場として人気を集めているそうです。 村の中心には三見川が流れ、川沿いに山へ向かって歩くと、山口県では珍しい大型石造の『めがね橋(三見橋)』があります。めがね橋の周囲はサクラ・アジサイ・ツツジ・シャクナゲなど季節の名花を楽しむことができる自然公園となっています。 萩に来て、旧市内は見て回ったけど三見には行ったことがないな、という方。市街地からレンタカーですぐの場所ですので、ぜひ一度見に来てください。特に夕方の海が素敵ですよ。 “ありのままの三見”には、新しい生き方のヒントがあるかもしれません…。

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

東京からのIターン移住者。プロカメラマン、エディター、デザイナーなどのスキルを活かし、萩市ローカルエディターになりました。現在は明倫学舎4号館にオープンした「はぎポルト-暮らしの案内所-」で活動中です。

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